第8話:ある日のラーメン
誠に勝手ながら、日常のグルメの更新を週1回、日曜日の0時に変更します。
それと、藤原君に食べさせたい料理があれば、感想に書き込んでくだされば、参考にさせていただきます。
今後とも宜しくお願い致します。
はぁ、ツライ…。
今、俺の心にはモヤモヤとした想いが渦巻いている。
この気持ちを気にせず忘れてしまいたいが、俺のハラが無情な現実を突きつける…。
(小腹が空いた…)
時刻は22時前。
晩飯はちゃんと食べた。
今日は早く帰れたので、スーパーで先日気になったエビチリやチキン南蛮を買ってきて、米と一緒にシッカリ食べた。
それなのに、小腹が減った。
この時間にハラが減っては寝る事が出来ない!
問題は何を食べるかだ。
うどん・ラーメン・お茶漬け、飲み直すという手もある。
冷凍室を覗けば、枝豆・チャーハン・春巻き・チャンポン・ピザ・お好み焼・コロッケ…。
鍋用のだし汁でうどんもいいな?
豚骨・鶏白湯・キムチ鍋・塩ちゃんこ、最近の鍋用の汁はバリエーションが豊富で嬉しい。
1時間前まで飯の延長で酒を飲んでいたから、これから飲み直したら飲み過ぎだ。明日も仕事だ、控えよう。
あれ?冷凍うどんがない?!使い切ったか!
そう言えば、この前の鴨鍋で2玉食ったっけ…。
ゴソゴソ
親友のど○兵衛君もいないよ。
頭と口は麺を迎える準備をしてしまった。
ここはラーメンで妥協するしかないな。
カ○プヌードルと麺○人か、どっちも醤油系だな。
…………。
(なんか違う)
今、俺が求めているモノではない!
これはこれで美味い。文句なく美味い。
それは認めるが今、俺が欲しているモノではないのだ!
うどんでなくてラーメンでも良い気分になったが、手元のラインナップの気分ではない。
…………。
よし!止めとこう!
ズボンを履き替え、財布を持ち、パーカーを羽織って外に出る。
歩く事、3分。
目的の場所に到着する。
目の前にはラーメン屋のドア。
ガラガラ!
店内は混雑してない様だ、よかった。
「いらっしゃいませ。」
カウンター席に座る。
この店はカウンター席とテーブル席が1卓あるが、両方の席数を足しても10に満たない程、小さな店だ。
軽くメニューを見て、注文してしまう。
「すみません、塩で。」
「藻塩ラーメンですね、ありがとうございます。」
実はこの店に入る前から注文は決まっていた。
こちらの店に来たのはこれで2回目。
今年の夏にオープンしたらしく、以前はショットバーだったと記憶している。
店の売りは鯛で出汁を取っている事だ。
先月、1度来た際は醤油ラーメンを食べたのだが、比較的美味しかった。若干、醤油のクセが出汁よりも主張していたのが惜しかったが…。
店のオススメは塩と醤油の2種類。
前回は醤油を食べたので、次は塩だとずっと決めていた。
「お待たせしました。藻塩ラーメンです。」
来たね。
クンクン
ン~。優しい魚介の香りがする。
前回の醤油よりも、当然だが魚介の風味を強く感じる。
ズズッ、ゴクン
(ほー、こうきたか。なるほどね。)
流石は鯛と言えば良いのだろうか?
奥深い魚の旨味とクセのないコクを感じる。
昨今流行の濃厚系に真っ向から喧嘩を売るような仕上がりだ。
フー、フー、ズズッ、ズズーー!
細めのストレート麺がシッカリとスープと絡んで、スルスルと喉を通っていく。
トッピングの大葉がニクいね。爽やかな風味がアクセントになる。
この麺ならば大盛りでも美味しく食べきれるな。
カリッ
小さなあられの食感が香ばしい。お茶漬けに入っているあれだよ。
ズズッ、ゴクゴク
このスープはいくらでも飲めそうだな。
ズズーー!、ズズーー!
この塩ラーメンは美味いと思う。
正直俺は塩ラーメンで美味いと思う店が少ない。
元々、塩ラーメン自体がそこまで好きではないのだ…。
塩ラーメンで有名な袋麺、人生で2度しか食べた事がない。ウチの実家はワンタン麺派だった。
ズズッ、ゴク
そもそも、今の時代はラーメンの種類が多く、カップ麺であろうが店のラーメンであろうが、完全に自分の好みに合うラーメンを探すのが難しいと思うんだよ。
赤身のチャーシュー旨!
俺だって未だに【これだ!】って、ラーメンには出会っていない。
ズズーー、ズズーー
この塩ラーメンは俺の中ではアリだな。何よりも、家から近いのが良い。
ズズーー、ズズッ
ゴクッゴクッ、ゴクン!
は~、美味かった。和を感じるラーメンだった。
アッサリと完食してしまった…。もう少しスープが飲みたかった。
ゴクゴク、ふ~。
水が美味し!
「ごちそうさま。」
「ありがとうございます。750円になります。」
店から家まで3分。近いっていいね。
皆さんはどんなラーメンが好きですか?