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第4話:ファミレスのステーキ

0時に投稿が出来ず、申し訳ありません。


昨日、夕方頃に体調に異変を感じ、少し休んだら朝でした。


申し訳ございません。


ピピッ、ピピッ、ピピッ、ピピッ 、ピ



朝か。


ふぁ~、眠い。


昨日は大学時代の友人と会い、飯を食べた。

お互い、いい大人だからこの場合は呑みに行ったになるな。


ただ会ったのではなく、違う友人が盲腸で入院したので、2人で笑いに行ったのだ。


その帰りに呑みに行ったのだが、ちょっとした賭けに勝ってゴチになった。


賭けの内容はスクラッチの宝くじを1人1枚削るだけ。

当たった金額が高い方が勝ち。シンプルだ。

普通に考えて1枚では当たる訳がなく、ドローで割勘になるハズが当たってしまった。金額は5000円。


普段、宝くじは買わないが当たると嬉しいモノだ。


居酒屋ではゴチになったので、〆のラーメン代は俺が出したが、賭けを言い出した友人も冗談半分だったらしく、賭けには負けたが楽しく酒を飲んでいた。



朝飯でも食うか。




◆◆◆◆◆




「おはよう。」

「おはようございます。」

「おはようございます。」

「おはよう。」


出社し挨拶をしていると、俺の向かいの同僚のテンションが低かった。


「どうした今井、具合でも悪いのか?」

「いたって健康よ、私はね…。」

「何かあったのか?」

「テレビが壊れたのよ…。」


御愁傷様。


落ち込んでいる【今井】は俺と同期の女性社員だ。

俺と同期の社員は5人いるが、同じ部署の彼女とは付き合いが濃い。

性格はサバサバとした感じで、後輩の女性社員に慕われている。

それに美人だ。結構美人だ。間違いなく美人だ!(大事な事なので3回言った)

個人的にはもう少し愛嬌があればいいと思う事もある。

入社して暫くした頃、先輩社員にコクられたらしいが、見事に切って捨てた様だった。


「修理は?」

「たぶんムリ。テレビ台から落ちて壊れたから。画面もへこんでる。」

「壮絶な最期だな…。」


かける言葉が見つからない。


「不注意で壊したの、出費が痛いわ。」

「だろうな。買うとして、幾らするんだ?」

「店頭で4万ちょい。ネットなら4万弱ね。」

「給料日明けとは言え、ツラいな。」

「急な出費が1番堪えるわ。」


気持ちはわからんでもない。


俺も少し前に某アニメショップにCDを買いに行ったら、昔のアニメのBlu-rayBOXを衝動買いしてしまったからな。

恐竜をモチーフにした小学校から発進するヤツさ。




◆◆◆◆◆




今日は珍しい事に、新規のクライアントとの打合せに今井と行く事になっていた。


今後を見据えれば永く付き合いたい相手だったから、俺達が気合いを入れて挑んだのに、打合せはすんなり終わったんだ。


時刻は11時32分。


「課長に電話しとくか。」

「そうね。頼んでいい?」

「おう。」


課長に報告すると、


「詳しい話は午後に聞くからゆっくり飯食って帰ってこい。2時迄に帰ってくればいい。」


と言われたが、ここから会社まで1時間弱。本当にゆっくり飯が食えるな。


ウチの課長は俺達にも気を使ってくれる良い上司だが、あの人が本当に凄いのは、飴と鞭の使い方が絶妙なのだ。

北野は飴にばかり目が向いて、鞭には気付いていないが…。


「昼飯はどうする?この辺で食うか?」

「そうね。時間もあるしユックリと食べたいわ。」


駅への道すがら、昼食について会話する。


今井はこう見えてガッツリと飯を食べる。お洒落なカフェメシよりも、焼肉ランチを選ぶ程に。


もうすぐ駅だが、ファミレスが目に入った。


「あそこにしようぜ。」

「時間があるのにファミレスなの?って聞いてるの⁉」


聞いているが無視だ。


選んだファミレスは肉を売りにしていてボリュームがあり、ランチでもガッツリ食べれる店だ。

メインの料理を注文すれば、ライス・パン・カレー・サラダ・スープ・フルーツ・デザートが食べ放題なのだ。


「気にするな、俺に考えがある。」


今井の背中を物理的に押して店に入る。




店員さんに案内されて席につく。


ランチ・グランド・期間限定の3種類のメニューを渡されて、ライスやパンのお代わりについて説目を受けた。


「今日の日替りランチはハンバーグに、クリームコロッケとソーセージか…。」


ランチメニューを眺める今井。


俺はランチメニューを取り上げて


「考えがあるって言ったろ。選ぶのはこっちだ。」


グランドメニューを渡した。


「安心して好きな物を食べろよ。」

「大丈夫なの?テレビの出費が控えているのに昼からこっちのメニューは遠慮したいんだけど。」

「大丈夫だって、俺に任せとけって。ファミレスとはいえガッツリ肉が食えるんだ、時間もあるし、しっかり食おうぜ。」

「そこまでいうなら信用するわ。」



料理が来るまでのあいだ、2人でさっきの打合せと今後について話をしていたが、大量に準備しているランチメニューとは違って、俺達が注文したのは通常メニューなので、少し時間がかかったようだが、全く気にならない程に話に集中的していた。


料理が来る前にライスやサラダを取りに行ったが案の定、今井は山盛りのサラダ……ではなく、ライスとパンを盛って戻っていた。(カレーもあった!)


俺は基本的に米食いだからカレーを大盛りで持ってきた。ルーがかかっていなければ白米だからな。


「お待たせしました。」


店員さんが注文の品を持ってきた。


「お前、ホントに食えるのか?」

「食べれないものなんて頼まないわよ。」

「好き嫌いじゃなくて量だよ。」

「大丈夫よ、これくらい。」


俺でも驚くモノを今井は注文しやがった!

2枚で300グラムのステーキだぞ!ステーキとエビフライのセットとかじゃなく!ステーキ2枚!

鉄板の横には白飯にパン、カレーまで並んでるんだぞ!


俺はステーキとハンバーグのセットだが、今井のメニューの方が明らかにヘビーだ。


(何かに敗けた気分だ……)


「熱いうちに食べましょ。」

「そうだな。」


今井の事は気にせず食べよう。


鉄板の上で肉がジュウジュウいってる。肉の焼ける匂いがいい。

店で食べるステーキって、鉄板のおかげでテンションが上がるよ。


ハムッ、ハフハフ


熱!肉だよ肉!肉食ってるよ!

熱々のステーキにオニオンソースがたまらん。

赤身肉なのが良い、肉がくどくない。

米だ、米で肉を追いかけねば。この旨さを白飯で完成形に昇華させる。

米があっての肉だろう。


肉をおかずにご飯を頬張る。幸せだ~。


最近は炭水化物を取らないのが流行りらしいが、米を食わんで力が出るかってんだ。

米粒が咽を通る快感を知らんでナニが日本人だ。


俺の向かいにいる美人も、肉を噛みながらご飯を口に運んでる。

飯を美味そうに食べる女の子を久し振りに見た気がする。


(何時以来だろうか?)


よく見れば、肉を1枚食べ終わり、カレーも無くなっている。でも、美味しそうに食べている。


同僚とはいえ女性だ。2人っきりで黙々と肉を食べるのは初めてで当たり前だが、それにしてもよく食べる。


負けてはいられない。


パク、ハムッ、パクパク


ンー、ハンバーグも良いな。デミグラスソースのハンバーグって外食の味だよな。美味い。


お手頃な値段のファミレスもあるが、ある程度の値段でしっかり調理された料理を出すファミレスも良い。

ハンバーグに厚みがあって、ちゃんと肉汁を含んでいる。


家庭の味とは違う外食の味だよな。


ハンバーグも美味いが、やっぱりステーキだ。


ちゃんと肉を噛んでいる、ちゃんと肉を食べている。そんな気にさせてくれる力強さがある。


(旨いな~)


牛・豚・鶏と、一般的な食肉の中で、俺は個人的にあまり牛肉を食べない。

何故かと言えば、豚肉や鶏肉に比べて牛肉は値段が味に直結しやすいからだ。


特売の豚肉や鶏肉を食べても普通に美味しく感じるが、牛肉の場合は違和感を感じ、純粋に美味しいと思えないのだ。

だから牛肉を食べる際は、変に妥協しないようにしている。


しかし、このステーキはちゃんと美味いよ。


カレーだって、ステーキの切れ端の肉を使っているから旨みが濃い。

子供でも食べられる様に、辛くないカレーに仕上がっている分、肉の存在が大きい。


このカレーですらちゃんとした料理なのに、食べ放題って凄いよな~。お代わりしてこよう。


パク、ハムッハムッパク、


ステーキ、白米、ステーキ、ハンバーグ、カレー、ハンバーグ、ステーキ


米と肉ってさ、単純だけど贅沢な気分になるね。


ハムッ、バクバク




ふ~、食った食った。


「ごちそうさん。」


今井は……デザートを取りに行ったか。


店員さんに追加でドリンクバーを注文し、デザートやフルーツも堪能した。





「4318円です。」


「ありがとうございました。」


腹も膨れ店を出る。


いやぁ、久々に肉だったな。満足満足。


電車に揺られながら食休みだな。ちょっと眠い。


「はい。」


何だ?


今井の手には2000円が握られている。


「いいよ。俺に考えがあるって言ったろ?」

「どうして?」

「昨日ちょっとした賭けがあってな……。」




会社への帰り道、昨夜の出来事を説明して今井を納得させた。


「今度は私が奢るわ。」


カッコいい…。

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