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黄金のファフニール  作者: とっぴんぱらりのぷ〜
第1章 非日常の日常
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中二病とは会話できない

『小さき者たちよ……。見事であった……。だが……我は神なるもの……死なぬ……滅びぬ……滅せぬ……彼の世界で待とう……哀れなる龍の神子みこ……哀れなる小さき者よ……』


  あぁ……そんな事言ってたのか。なるほど、このセリフだと来月の大型バージョンアップで新しいボスくるなぁ。龍の神子ってなんだろ?今までのストーリーで登場してないな……


『また別の世界で……』


  どういう意味だったんだろう……見間違いかな。


『私とあなたは……』


  何を言おうとしてたのか……告白にしてはちょっと違うか?


『wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww』


  イラッ!くそ!ムカつく!


  イライライライラ!


  急激に押し寄せる怒りで、意識が戻り始める。


「ふざけんなっ!」


  大声をあげて勢いよく起き上がろうとして、盛大に頭が何かにぶつかる。


  ゴッ!


「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」


  なんだ!?何にぶつかった!?


  目を開けてみるが何も見えない。というか、ほとんど身動きができない。


「なんだこれ……せっま!くらっ!」


  辛うじて動かせる両手で周りを触ってみるが、何か箱のような物に寝ているという事しかわからない。


  というか、息苦しい……なにこの高気密住宅。


  一生懸命、横や上を叩いてみる。手触りから木の箱だということがわかるが、ビクともしない。


  状況も謎だが、このままだと窒息してしまう。


  満足に腕も伸ばせないが、思いっきり上を殴ると、一気に視界が明るくなる。というか、上蓋っぽいのがありえないくらいの高さに飛んで行った。


「ぶっはぁぁ!死ぬかと思った!」


  勢いよく上体を起こし呼吸をする。


「ヒィィィィィッ!」


  周りを見てみるとどうやら教会のような場所だ。自分が出てきた箱のようなものもある。というか棺桶?その横で一人の少女が床に座っていた。金髪碧眼でゲームの神官衣のような服を着ている。


  俺は、箱から出て少女に近づき声をかける。


「おい、なんで俺は棺桶に入ってたんだ?」


「ヒィィィィィ……。ア、アンデット!!」


「誰がアンデットだ!誰が!」


  と、這って逃げようとする少女に後ろから軽くチョップをお見舞いしてやる。


「さ、触らないでください!アンデットが移ります!」


  アンデットって移るもんなのか?このままだと話しにならないので、腰を抜かしている少女に今度は優しく話しかける。


「なぁ。ここは何処だ?俺はアンデットじゃないし部屋で寝てたはずなんだが、なんで棺桶に入ってたんだ?で、君のその恰好は何?コスプレなの?気合い入ってるね」


「わ、私の神官衣をみてもわからないのですか!?神を侮辱しているのですか!?あなたがアンデットでないのならば、私の浄化の魔法を受けても問題ないはずです。その身で証明してください!」


  浄化の魔法?コスプレの完成度も高いがここまで行くと中二を通り越して、ひくな……


  少女は腰が抜けているのか尻もちをついたままの体勢で何やら呪文のようなものを唱え始める。


「お?」


  少女の両手に青白い光が集まり、思わず声をあげる。


「さぁ!在るべき場所に還りなさい!ターンアンデット!」


  少女はドヤ顔で両手と突き出し俺に向ける。


  俺の周りを青白い光が包むが何も感じない。何の手品だよこれ……


「で?その茶番いつまでつづくの?」


  呆れた顔で未だドヤ顔の少女を見つめると、少女の表情がみるみる驚愕の表情に変わる。


「私のターンアンデットが効かないのですか!?まさか!?リッチーだとでもいうの!?」


「おい、その考えかただと次がダメならノーライフキングとか言い出すつもりか?」


「ノ、ノーライフキングですって!?」


  図星かよ……異世界厨か。少女に近づき声をかけようとするが涙目で這って逃げようとする。


「もういいからさぁ。誰か他の人いない?お前とは会話が成立する気がしない」


「ヒィィィィィ!」


  あぁ、面倒くさいなぁ。いい加減茶番に付き合う気がおきないので


「すみませーん!誰かいませんかー?」


  叫ぶと、奥のドアから一人の老人が現れる。



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