ステータス
俺とアーシェではステータスが違い過ぎる。この数値が普通なのか異常なのかもわからず首をひねる。
「アーシェやミーニャのと随分違うけど、どうなんだ?これは」
「数値が高いですね……。私もカードについてはよくわからなくて……」
アーシェも困ったようにカードを見比べる。
「何かおかしい点でもありましたか?」
「俺のステータスが他の二人と随分違うんだ」
ラウが俺のカードを受け取り、数値を確認する。
「こ、これは凄いですね……。全ての数値がレベル40の冒険者相当です。魔力に至っては四桁というのは見た事がありません。しかも属性が7種類も!?」
『当然です!言ったでしょう?僕は最強の魔導剣士なんです!』
リヒトが自慢している。だから自分で言うなよ……。
「レベル40がどのくらいかわからないんだが、ランクっていうのとレベルは別ものなのか?」
「えーっとですね……。お父さん!カード貸して!」
「お?なんだ?娘よ。俺のすげぇステータスを自慢したいのか?」
ラウがガルドに駆け寄り、冒険者カードを借りてきて読み上げる。
名前:ガルド・サルバス
種族:人
出身地:メト
年齢:45
適性:戦士・バーサーカー
属性:火
ランク:8
Lv:52
体力:532/532
魔力:120/120
腕力:480/480
敏捷:355/355
知力:152/152
「お父さんのステータスはこんな感じですね。あんな人でもメトでは上位の冒険者です」
『そんな!僕は最強じゃなかったのか……」
ガルドのステータスを聞きリヒトが悔しがる。上には上がいるって事だ。
「こんなつえぇ父親にあんな人とはなんだ。どれ、お前らのカードを見せてみろ」
ガルドはそう言うと俺達のカードを奪い取る。
「うお!兄ちゃんすげぇな!元々どこかで鍛えてたのか!?なかなかいねぇぞ。まぁ、魔力以外は俺以下だけどな!」
知力もな!その数値は脳筋だろ。
「胸の大きなお嬢ちゃんもなかなかいい線いってるな。おチビちゃんは普通だ。敵を倒してレベルが上がれば何十年後かには俺みたいになれるさ」
「で、この属性ってのとランクっていうのはなんなんだ?」
「あぁ、属性は難しくて俺にはわからねぇ。ランクってのは知らねぇうちに勝手に上がる。レベルが上がってもランクが上がるわけでもねぇしな」
説明してくれたようだが、説明になってなかった。付け足すようにマウが言う。
「お父さんは勉強しないからいつまでたっても知力が低いんですよ。属性は確認されているもので7種類あって、その属性を持っていると血の親和性が高くなります。属性がなくても魔法は使えますが、親和性が高ければ、より強力な魔法を使う事ができますし、その属性の攻撃を受けた時には被害が少なく済みます。ランクの上昇については解明されていない部分も多いですが、瀕死の重傷を負った後に上がったりします。ランクが上がるとレベルが上昇しやすくなる傾向がありますね」
サ○ヤ人みたいなもんか……。
「わかった。ありがとう」
「いえいえ。どういたしまして。それでは登録料お一人様金貨一枚になります」
金貨一枚ってどのくらいの値段なんだ?疑問に思ってるとリヒトが教えてくれる。
『金貨一枚は銀貨二十枚の価値があって、銀貨一枚は銅貨五十枚の価値があります」
よくわからない。食堂で一食食べると幾らだ?
『大体、銅貨五枚から十枚ですかね』
つまり、一食五百円とすると銅貨一枚は百円で銀貨一枚は五千円、金貨一枚は十万円くらいの価値になるのか。登録料十万円って。
「高いな」
つい口に出してしまった。
ラウが困ったような表情で答える。
「登録料はどのギルドでも同じですよ?このカードはミスリルでできていますし先程潰して頂いた魔法の玉も希少なもので、ほぼ原価なんです」
「いや、わるい。あんまり金に慣れてなくてな」
アーシェが登録料の金貨三枚をラウに渡す。
「わるいなアーシェ。ところで金は大丈夫か?」
中央ギルドから貰った口止め料は金貨二十枚だった。三分の一はエレンさんに渡し、残りはハンスという冒険者の家族とミーニャのために使おうと決めている。ギルドでもハンスの情報がほとんどなく手詰まりだが……。
「いえ、これでほとんどのお金を使い果たした事になります。あとは道中で拾ってきた魔石を売るしか……」
「王様の隠れ家亭」に支払いしてたら登録すらできなかったということか。今夜の宿代も怪しい……。魔石がどの位の値段になるかだな。
「魔石でしたらギルドで買い取ることもできますよ!専門店で売った方が高くなるとは思いますが」
「では、ギルドに買い取りをお願いしましょうか?」
「そうだな。他に売るにも店もわからないしな」
俺は背負ったバックを降ろすと中から二十個程の魔石を取り出しカウンターに並べた。
「少々お待ちください」
ラウとマウの二人で鑑定を行う。五分程の鑑定で結果が出る。
「お待たせしました。魔石二十三個で銀貨四枚と銅貨三十枚になります」
一個千円で二十三個、二万三千円という事か。命を賭けて戦っても一個千円なのか……。
「もう少し大きな結晶になればもっと高く買い取れるのですが、低レベルの魔物の結晶ですとギルドではこのくらいが限界です。どうしますか?お売りになられますか?」
「あぁ、それで頼む」
俺は銀貨四枚と銅貨三十枚を受け取りアーシェに渡す。銀貨はいいが、1セントコイン程の大きさの銅貨はかなりかさばる。
「それと、迷宮探索に必要な道具や装備を揃えたいんだがおすすめの店なんてあるか?あとは宿も紹介してほしい」
「赤いキツネが利用しているお店がありますので、そちらにご案内します」
「上級クランなんだろ?金はあまりないぞ?」
「いえ、あの人達はあまり装備や道具にこだわらないので……。それほどの高級店ではないと思います」
ラウの言葉に赤いキツネのメンバーを見る。確かに装備は使い古しており、装飾の類もついていない。
「お店の近くに宿もありますので、そちらにもご案内しますね」
「マウ。ギルドをお願いね。あまり飲ませすぎないように」
「うん。いってらっしゃい。お姉ちゃん」
どうやらラウの方が姉らしい。
俺達はラウと一緒にギルドを出る。出る間際には「頑張れよ」「気をつけてな」などの激励が飛び交う。




