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ノスタディア国の反逆者  作者: 志木圭介
第一章:聖ナル者
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#0 始発点

「ロベリアさま、ついに侵入者が現れたようですが、いかがいたしましょう」

「そうですか……。せっかく<禁忌>を使って世界の恒久平和を実現したというのに。名前は?」

 ふう、と私は嘆息する。もう少し、この平和を堪能していたかった。だけど、それは無理のようね。<これ>がある限り。

「詳細は不明ですが……。<勇者>かと思われます。ロベリアさま、ここは私めが」

「いいえ、あなたはいつも通りの仕事を。それと、その呼び方、やめてほしいです。ロベリア、と呼んでください!」

「承知しました、ロベリアさま」

 臣下の相変わらずの態度に、また嘆息する。

 いつか<勇者>がやってくるとはわかっていたものの、こんなに早いとはね。私は指先でトランプのカードをいじくりながら、臣下に告げる。

「対<勇者>については、いいカードがこちらにあります。私自ら対策を打ちましょう」

 自分が卑怯な手を使おうとしていることくらい、わかっている。だけど、<これ>を奪われるわけには……。

「ですがそれでは!」

「わかっていますよ。ですが、やるしかないんです。命令に、従ってくださいませんか?」

「了解しました、ロベリアさま」

 素直に下がった臣下は、恭しく頭を下げたまま、部屋から退出した。そして、私も立ち上がる。


「さて、はじめましょうか、<勇者>さん。お互いの生存をかけた、<サバイバルゲーム>を」

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