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僕のご主人様は僕の女神様ですっ!

今回は主人公の契約する神獣目線になります


僕は今ドキドキと心臓を高鳴らせて召喚の契約の魔方陣を見つめる


この魔方陣の先に僕のご主人様になる方がいるんだ!落ち着いてなんていられない!


僕は先程からうんともすんとも言わず僕自身の想いと呼応してチカチカ光る自分の契約の魔方陣を一心に見つめ続ける



ご主人様を想いつつ召喚の魔方陣が現れたときの事に思いを馳せた…



───────────────

数分前


僕は何時ものように仲間達と月光浴びに天光花の花畑に遊びに来ていた


僕達月神兎が暮らす神域は僕達一族以外は神しか足を踏み入れられない


ここ以上に外敵が居ず、僕達が安全に暮らせる神聖な領域が無いことから、一生をここで過ごす月神兎も少なくない…むしろ大半がそうだと言える


僕もそのうちの一人…いや、僕の場合一羽かな?…とにかく!僕もそうだと思ってたんだ!あの美しい召喚の魔方陣を見るまでは…


僕が何時ものように花畑の花と戯れたり、仲間達と毛繕いをしていると、神域一帯の空気が震えるのが分かった


それは召喚の魔方陣が現れる予兆の様なもので、それが現れるときどんな術者が喚んでるか分からないから広場で集まって一族皆で魔方陣を見て判断することになってるんだ


僕達は神獣と呼ばれる高位の生き物だから契約を結ぶことはまず無いって考えてるんだけど、一応しきたりだから今日も仕方無しに広場に皆で向かったんだ…


広場につくと皆が一心に広場中央を見つめているのが分かった


なんだろうと近づくと僕も思わず魅せられていたんだ…その美しい魔方陣に


普通の魔方陣はどれだけ魔力があってスゴいとされる術者でもそれぞれの一番相性の良い属性の色の光を帯びた魔方陣をこちらの世界に繋げてくる


決してこんな神々しい位に白銀に輝く美しい光を帯び、神域にまさる聖なる気を発するものなんて生み出せる人間なんて存在しない筈なんだ…なのにそれは今目の前に存在している…


僕は…嫌、多分この場に集まった全員が同じことを想っているはずだ…自分が契約したいって!


一族から誰を選出するかは長が決めることになってる…だから僕は僕を!という願いを込めた眼差しで長を見つめる


長は魔方陣から名残惜しげに目をはなすと皆を見渡した


「皆が想っていることは分かっている…誰しもがこの者の元へと下りたいだろう。しかし、送るのは番の居ない若者が良いだろう」


長の言葉に既に番がいたり、年を取っているとされる(神獣は基本的にある程度年を取ると外見の老化がほとんど無くなり寿命も気が遠くなる長さなんだ)もの達は落胆した表情を浮かべた


逆に僕や、遊び仲間達は皆喜びの表情を隠せなかった!僕らは誰が選ばれるのか期待の目で長を見つめた


「お前、まだ成人の儀を迎えてなかったな?」


長は僕にそう尋ねた…成人の儀は文字通り大人になる儀式で、僕らはこれを済ませて一人前となる


成人の儀で行うのは…そのー遠回しな言い方をすれば大人の男になるということ…つまり童貞喪失だ。


この儀式は15歳を越えると自分で相手を選んで済ますというもので、僕には番になりたい子も早く済ませたいと思う気持ちも無かったので、18歳になる今でも儀式を済ませていない


でも、こんな皆の前で「お前まだ童貞か?」なんて聞かなくても良いじゃないかと落ち込むも返事をする


「そうか…他のものは終わっていたな?15歳未満はまず候補にはあげられんし…よし!お前が今回の代表者とする!」


長の言葉にポカーンとアホ面をさらしてしまうも、僕を指す言葉に思わずとびあがっていた


「お、長!ありがとうございます!…でもなんで僕を?」


長に喜びいっぱいにお礼を言うも気になったことを聞けば


「永久契約となればずっと側におることになるのだから、主従としてはもちろん恋人にも友にも家族にも等しい存在になる方がいいと考えたのじゃ…さ、魔方陣の前へ」


僕は引き寄せられるように魔方陣の前に立った


「言っておくが、一族の代表はお前だが、この魔方陣の術者がお前を選ぶとは決まってないからな?」


「は、はい」



────────────


そして現在に至るんだ…


「術者は酷く悩んでいるのか選ぶのに時間をかけているな…」


「そ、そうですね…そんなに色んな契約催促を受けているんでしょうか?」


僕は冷や汗をかきながら長を見つめた


嫌だ!折角一族の代表者になったのに…ご主人様の契約獣になれないなんてっ


僕が心のなかで何度目かの祈りにもにた願いを繰り返していると、突如魔方陣が今までになく輝き


『おいで…』


と今まで聴いたどんな音よりも綺麗な…鈴をころがすような甘い女の子の声が聴こえたんだ


僕はその声に導かれるように魔方陣に飛び込んだ



僕の身体を暖かな光が包み込む…なんて心地好いんだ…幸せだ


光の眩しさに閉じていた目を開くと地面には魔方陣が浮かび僕の目に最初に飛び込んできたのは


女神様かと思った


僕をキラキラした宝石の様に美しいグリーンの目で嬉しそうに見つめる彼女


白く柔らかそうな肌に、小柄で守ってあげたくなる身体…可愛らしい彼女の身を包む愛らしいデザインのドレスがよく似合ってるっ…


一際目を引くのはキラキラ太陽の光を浴びて輝く銀の髪だ…その長さは彼女の身長を余裕で越え、地面にとぐろを巻くように置かれていた…勿体無い!今すぐ綺麗にして差し上げたい!


僕が色んなことを考えていると彼女は笑みを浮かべながら僕を見つめ近寄ってきた


「私はリル…貴方と契約がしたいの…永続契約を」


彼女は拒否されたらどうしようとでも考えているとのかおずおずといった様子で僕にそう言った…


僕が彼女の…リル様の願いを断るなどあり得ないのに…リル様が召喚の魔方陣を僕達の元へと繋いだ時からもう僕の心はリル様に囚われていた…これが…これが恋なのかな?


実際にリル様に会って僕は二度目の恋をする…昔番持ちのおじさんが言っていた言葉を思い出す


「良いか?恋ってのはなー言葉じゃ説明出来ない複雑なもんなんだ…もしお前が何があっても守りたい…離れたくない…って一目見て直感で思える奴が出来たらわかるだろーがよ?…恋ってのはするもんじゃねー気付いたら落ちてるもんなんだよ」


あの時は全然理解出来なかったおじさんの言葉も今なら出来る


僕はリル様とずっと一緒にいたい…リル様に僕の全てを捧げたい…リル様を幸せにしたい…彼女の笑顔の為ならなんだって出来る…そんな気がした


僕はリル様に同意を示すように必死で愛情表現した


…まだ名前をつけてもらってないから契約出来ていなくて、幼体といわれる状態の僕は人の姿にも慣れなければ、契約無しに意志疎通をはかることは不可能だった


ピョコピョコ跳ねたり、リル様のお身体に身体を擦り寄せたり(リル様はそれはそれは良い香りがしましたっ!)していると、今更気づいたけど纏う気から神族の女が「その子貴女と是非とも契約したーい!ご主人様大好き!って言ってるわよ♪」とリル様に進言した


それを聞いて、その柔らかく小さな手で僕を優しく抱き上げて下さったリル様は僕の目をじっと見つめてその可愛らしいピンク色の唇を開いた


「貴方の名前は“ユエ”私の居た世界のある国の言葉で、月を意味する言葉なの…この世界での私の家族になって?」


リル様の言葉からなにやらリル様が色々抱えておいでなのは分かった僕…でもそんなの全然関係ない!リル様に望まれた瞬間僕の身体に感じたことの無い快感にも似たものが走った


あぁ…なんて僕は幸せなのか…これ程までに愛しいと思える人と出会えるなんて


僕は身体をぐっと伸ばしリル様の額に(本当は唇が良かったけど…人間の姿になってからの楽しみにする!)誓いのキスをした


すると、僕とリル様を眩い光が包み二人を繋ぐ


契約が結ばれたことが分かった


「リル様!素敵なお名前ありがとうございます!僕精一杯リル様の為に頑張ります!」


僕はリル様を見つめ想いを込めてそう言った


すると言葉が通じている様で酷く驚いた様子のリル様が可愛い猫族のようなまん丸で強気なお目目を見開いて僕を見つめていらっしゃる


「い、今の…あなっユ、ユエなの?」


動揺していても僕の名前を呼んでくれるリル様可愛いです!


「はい!僕です!貴女のユエですっ!」


僕が思わず興奮して上擦った声で言えばリル様は頬をピンク色に染めなにやらプルプルし出された…僕は何かリル様の気にさわるようなことを!?ど、どうしよう!!


でもそれはすぐ違うと分かった


「あら~?どうしたのリルちゃん真っ赤じゃなーい♪かーわーい~」


語尾にハートが付きそうな様子でそう言った神族の女はあろうことかリル様の柔らかそうな頬を人差し指でプニプニとつつく


この女…許すまじ!


女に対して殺意にも似た感情を抱いていると僕のよく聞こえる耳にリル様の囁くような麗しい声が入ってきた


(リル様は女にないしょ話するようにひそひそ話されているようだが、僕らの耳はどんな音でも拾えるんだ)


「このこの声…っ私の好きな声優さんにそっくりなの!」


リル様の好みにあった声に産んでくれた母に感謝しつつそのセイユウというのは男だろうからどうやって始末するか考えてしまう…


僕って本当にリル様が大好きなんだな~フフフ♪誰かを想うことがこんなに楽しくて、暖かくて、幸せなことだなんて…


こんな気持ちを僕に教えてくれたリル様改めて大好きです!


あ~早く経験値稼いで進化して大人になりたいな~僕のお相手は勿論リル様しか考えられませんけど


僕が心のなかでそう呟くとリル様は一瞬ビクッと身体を揺らした


「リル様?どうされたんですか??」


僕が心配で見上げればリル様は首をかしげ


「んー?なんだろね?なんか今一瞬悪寒が」


リル様はお風邪を召されたのかな?そう考えると心配でたまらないっ!


「あら?大丈夫ー?レジーナちゃんのとこに戻りましょ♪」


レジーナ…?誰だろ?リル様にてを出すのなら容赦はしないけど…まだ此処に来たばかりの僕はなにも知らない子兎(見た目だけ)だし、とりあえず大人しく様子をみとこかな?




読んでくれた方ありがとうございます~


読んで分かるように、ユエくんはこれからどんどんヤンデレ溺愛ワンコ男子に成長していきます♪ユエくんは主人公至上主義なのでユエくん視点だとこんなの日常茶飯事になる予定ですw


次は主人公視点です( ´∀`)/~~

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