チート美味しいですうまうま♪
主人公視点です
「な、何!?」
あまりの眩しさに思わず目を瞑る
「あっらー?ごめんなさいね?眩しかった?」
知らない声が耳に入ってくる…誰だ?この馬車には私しかいないはずなのに…
疑問に思って目を開けると目の前に見知らぬ人が座っていた
その人は私が今まで見た中で最も美しいと言える…それくらい綺麗な人だった
白くハリのあるシミ一つ無い肌に深い海を思わせる目、全てが完璧に配置された顔立ちにメリハリのある身体…女性の理想像のような女性だった
特に軽くウェーブがかった蜂蜜ブロンドが眩くて目を引く
「綺麗…」
思わず口からそう出ていた…仕方ないことだと思う
「あらありがとう♪でもこれでも愛と美を司る女神だもの!!当然と言ったら当然よ♪」
え…女神?
女性の言葉に固まる私を見て安心させるかのように慈愛に満ちた表情で彼女が微笑む
「勘違いしないでね?私は貴女の味方♪広場で威張りくさってたおじーちゃんと一緒にしちゃやーよ?」
私に魅力的にウィンクして言う
私が言うのもなんだけどおじーちゃんって…良いのか?
「良いのよ♪今時あーんな古くさい神様とか流行んないわよね?」
一緒にされたら困る~とジタバタする女神に思わず笑ってしまう
「ふふ♪やっぱり女の子は笑顔が大事よ♪そーれーにー!」
イタズラっぽく笑うと女神は私の被ってたフードつきマントをガバッと脱がす
「えっ!?ちょっ!!」
「やっぱり美しいものは愛でるためのもの!隠すなんてナンセンスよ!!」
マントを剥がされたことで今まで中にしまってた髪が外に流れ出る…ん?流れ出る?
「え!?な、なにこれ?!」
尋常じゃない髪が足元までこぼれでた…それに何この色は!?
「あぁーん!やっぱり私の見立て通り素敵なプラチナブロンドよ!貴女の綺麗なグリーンのお目目にバッチリ♪」
まだ状況についてってない私を見かねてか女神がどこからか鏡を取りだし私に差し出す
「え…うそ…」
そこには見事としか言い様の無い眩いプラチナブロンドに綺麗なグリーンの目をした自分の姿が映ってた
「気に入った?あのおじじは貴女達のこと駒とか言ってたけど私達はそれぞれ自分の支援する人間を選んだの!だから愛し子って呼んでるわ♪」
「愛し子?」
「そう!まぁ…貴女達には悪いとも思ったのだけど上の狂った老害っとと口が滑っちゃった~おじじ様達には逆らえないしそれなら自分達が選んだ子達に祝福を与えて成長を見守ろうってことになったの」
口を滑らせた割にはテヘッ☆と舌をだしておどける女神って…なんだか可愛いのは気のせいじゃ無いよね?
「でね!えーっとー私としては貴女に幸せになって欲しいから貴女が分からないこと解決するためにここに来たのよね♪」
「分からないこと??」
「ええ♪例えば~貴女の能力とかアイテムとか、あとゲームとは違うシステムのことね♪」
そういうと女神は鏡を消して私のステータス画面を浮かび上がらせる
「まず、このステータスを見て何か気付くことはない?」
女神につられてステータスを見てすぐ物足りなさを感じた
「ゲームと違ってレベルとかステータスと呼べる数字がない…かな?」
「そう!ここと貴女達の遊んでるゲームの違いは、まず、貴女達にはレベルとか決められた数値が無いの!つまり、最初に与えられてる能力とか恩恵頼みなのよ!」
つまりここの世界に送られた時点で人生の負け組と勝ち組がいるわけね
「まーその方がシンプルで神側が楽ってお話なんだけどね~?」
まぁ…私は恵まれてるっぽいから特にそこに突っ込むつもりはない
それより次に気になることを聞いてみた
「えーっと私のスキルについて教えてくれます?」
「そーよね!気になるわよね~!私貴女の能力が一番好きなの♪その歌って光って癒して不老でしょ?乙女の夢よね~」
うふふとはしゃぐ女神につられて私までなんだかワクワクしてしまう
「えーっとここの項目見てくれる?」
スキル
〇生命の泉の恩恵
癒しと不老の力が宿った髪から力を発して対象者を癒す
「これってどうやって使うんですか?」
「えっとねー?さすがに某お姫様みたいに巻き付けて歌ってたらピンチの時大変でしょ?だから貴女が歌えば発動するわよ~」
なんか使いやすい能力になってる!!
「普通のゲームだったら能力とかLv.1から上げてくらしいんだけどぉ~そんなことしてたらすぐ死んじゃうかもしれないじゃない?」
確かに…広場の変態オヤジみたいなのがおそって来たら終わるなー
「でも私戦闘系のスキル持ってないんですけどね…」
そういえば私自身は全く強くもなんとも無いんだけど…これってもしかして詰んだ??
「それなら貴女が願った三つ目のギフトで貰った“モンスターテイマー”があるじゃない?」
「それでも私自身はひ弱だし…」
「大丈夫よ♪つよーいモンスターと契約して守ってもらえば良いのよ♪こういうのを何て言うんだっけぇ?……確か姫プレイって言うのよね♪」
そうか!そうしたら良いんだよね!うんうんそうしよう!
「そうと決まれば早くモンスター喚びたいです!」
「そうよねぇ♪じゃー手順を簡単に説明するわね?」
女神が言うには、まず召喚の魔方陣を発動させたら、私の召喚に惹かれたモンスターが契約の意志を示す印をこっちに返してくるみたい
ようは私が雇用主でモンスター達が履歴書片手に面接にきた就活生みたいな感じなのかな?
「理解が早くて私助かっちゃう♪あとねー?その場一回限りの契約と永続契約があるから~気に入った子がいたら永続契約にしたらいいと思うわよ~」
そうなると、色々便利かもなーとりあえず召喚してみたいな
「召喚したくてうずうずしてるってかおしてるけど~説明終わった後でにしてね♪」
メッと女神に言われてはーいと返事をして大人しくする
「よしよし♪じゃー次はこの馬車についてね♪この馬車はリルちゃんの注文通り生きてる素敵な馬車よ~それで、気になってると思うけどアイテム画面には“魔法の馬車ーーーーー”ってなってるでしょ?」
そこは最初から引っ掛かっていた部分だった…なんでこんな記号出てるんだろ?
「んふふ♪この馬車は生きてる…つーまーり、お名前をつけて上げて欲しいのよ♪」
名前?ふーん…名前かー
「んー名前かー」
私の言葉に馬車が一瞬ぐらぐらっとした
「あらあら♪この馬車も楽しみにしてるみたいね♪良いこと?召喚したモンスター…永続契約を結ぶ子や自分の持ち物には必ず名前をつけてあげないといけないの…じゃないと貴女の家族にはなれないから」
女神の言葉を聞き心の中で家族…と呟く。そっか、この世界でも家族って…私を裏切らない大切な存在って作れるんだ
「じゃあ…じゃあ貴方は今日から私の家族…名前はレジーナ!」
私がこの見知らぬ世界で最初に心を許すものとして魔法の馬車…レジーナに呼び掛けた
すると、先程女神が現れたときとはまた違った暖かな光が馬車を覆い私を包み込むそして私の頭に優しく愛情に溢れた女性の声が響く
『名前をありがとう…リル様に永遠の忠誠を』
「馬車…もうレジーナね♪レジーナとっても嬉しかったみたいね♪これで貴女とレジーナは意志疎通できるはずよ!お願いがあったらしてみなさいな♪」
そこで私は試しにレジーナに今はただの馬車の内装を変えお客様をもてなす客間にしてくれるようにお願いしてみた
すると、空間が広くなり白くて可愛い猫脚テーブルが現れ私達が座っていた馬車の座席がゆったりと座れる柔らかな淡いピンク色のソファーへと変わった
天井には可愛いクリスタルのシャンデリアまでついてる…なんて理想的な可愛いお部屋なんだろ!
「まぁー!素敵!可愛いお部屋に大変身ね♪でも見てみて♪窓からは過ぎ去る外の様子が見えるし外から見ればただの可愛い馬車よ!素敵ね♪」
「本当に!私レジーナに出会えてよかった!」
自分でも思うけど私って本当に簡単な性格してると思う
でもそんな私に嬉しくなったのかレジーナは更に部屋中に私好みの可愛いぬいぐるみをパッパッと配置してくれる
「相性バッチリなようね♪もー妬けちゃう位仲良しさんになっちゃって~」
このこのっと女神にぐりぐりされとりあえず話を戻す
「えーっと説明って他にあります?」
「アイテムに“プレゼント”ってあるでしょー?」
「あ!そういえば!」
今の今まで忘れてた…あはは
「“プレゼント”はねー?なんでも1つだけお願い聞いてあげるの♪」
「え!?こんだけしてくれてるのにですか??」
それって皆チート人生決定なんじゃ?
「うふふ♪それがねー?実は皆この世界を甘く見てる人が多いんだけど~強いモンスターとか人とかうじゃうじゃなのよー」
「というと?」
「まずねー?広場でおじじ様が言ってたけど私達神ってこの世界でこれまでゲームって名前のエグいことをしてたのよーそーしたらこの世界のモンスター人も生き残るために強くなっちゃってね?」
ん?なんかやな予感
「つ、つまり…私達って殺される為に連れてこられたと?」
「え!?いやー私は貴女をぜーったい生き残らせたいから色々支援してるのよ!これは分かっておいてね?でも…上のおじじ軍団とか一部の若い神とかはそのー娯楽感覚だったり…」
つまり私は運が良かったみたい…うん
「どれだけ良い能力贈られても例えば奴隷にされたり、殺されたりされないとはいえないのよ~この世界の人からしたら世間知らずで使える人材だし、モンスター側…うーん魔族側からしても欲しいでしょうしね~」
「この世界の人達も私達みたいな能力あるんですか?」
「んー貴女達みたいな特殊なのはないかなー?ただ魔力がある人間は6属性の魔法なら使えるかな?」
「6属性?」
女神は私が分かりやすいようにスクリーンを出し説明してくれる
「この世界はね?火、水、風、土、光、闇属性を使える様々な種族が住んでるの♪種族は大きく分ければ人族、魔族、亜人族かなー?種族関係は~」
人族…亜人族を乱獲して、奴隷として冷遇してるみたいこわーい。魔族を警戒しているらしいわよ♪
魔族…魔力を多量に保有する為種族で一番力があるかな?亜人族のことはこちらも奴隷感覚
亜人族…ケモミミで可愛い子達が多いしエルフとかも綺麗な子達多くておすすめよ♪
「えーっとーちなみに戦争とかしてたりします?」
「んーなんか亜人族って本当に可哀想でねー?国も作れず隠れて部族として細々と暮らしてるんだけど奴隷欲しさによく人族から襲われてるみたいー魔族は特に興味ないみたいー」
「あ!そーそー忘れるとこだったんだけどぉ~特性ってあるじゃない?」
そういえば…すっかり忘れてた
「これって何ですか?」
「守護神からのおまけ特典かなぁー?その愛の楽園は協力な魅了の能力と思ってくれて良いわよ?メロメロボディ~みたいな?」
どこかのポ○モンを思い起こさせるな
「この特性はとにかく敵を作りにくいのよ♪誰からも好かれる…というか~愛されすぎちゃう~みたいな?」
ふむ…愛されて損なことないし良いかな?
「皆が貴女からの愛を欲しくなる特性!愛と美の女神である私ならではの加護よね♪」
まぁ、愛されるけど能力のせい…と暗くなるくらい真っ当なヒロインでもないし、貰った時点で私のもの、私の一部だから特に問題ないな
「その様子だと特に気にせずこの特性受け入れてくれたのね♪良かったわぁ~私が守護やってる子あと一人いるんだけど、なんか気に病んじゃってね?」
男の子なのに小さいこと気にしすぎよねぇ?と少し不機嫌そうな女神
まぁ…その人が普通の反応なんだよ
「あ!特性は姿を隠してたらだいぶ効力薄まるからね♪目立つのやなときはさっきのマント被って顔隠していれば大丈夫だから!」
本当に至れり尽くせりだなぁ~女神様様である
次に気になることでも質問しとこうかな
「ところで私の属性って聖ってあるんですけど~この世界には無いんですか?」
「あ!そーそー!貴女に特別にね♪えっとー聖ってついてるだけあってどんな光魔法も使えるし、聖なる生き物はみーんな貴女に力を貸してくれるわよ♪」
「聖なる生き物?」
「精霊とか神獣とかね♪普通の人では使役出来ない特別な子とも運が良ければいけるかもね♪」
なんかこの様子だと良い子と契約出来そうだな…予感だけど
「でー話を戻すけどね?プレゼント今使っちゃう?」
「んーまだ困ったことないんでまた今度お願いします!」
もし何かあったら困るしね
「うんうん!そーよね♪また困ったときね♪じゃーあと見届けるからリルちゃんを守ってくれるお供喚びましょ♪」
私も楽しみだったから良いんだけどなんだかなー
レジーナに頼んで馬車を止め女神と一緒に外に降りると開けた場所に移動する
「やっぱり初めて喚ぶんだからちゃんとした場所でよね♪さー始めちゃって♪」
女神の気の抜ける声援を聞きながら手を前にかざし詠唱に入る
「この世に生きる全ての愛し子よ、我の声に応え我に下れ、我生命の神子リル」
頭に浮かんだ言葉を唱える…すると唱え始めた時から辺りに風が舞い眩くて暖かい光が溢れ地面には大きな魔方陣が現れて目の前に色んな色の様々な魔方陣がところせましと出現する
「え?これって?」
困ったように女神を見れば女神も驚いた表情をしてた
「あらあら!こんなにリルちゃんと契約したい子達がいるのね!素敵!」
一つ一つ見てもきりがない位沢山ある魔方陣…どれが良いんだろ?
「見たところ~上位クラスの魔獣とか聖獣からラブコールが来てるわねー♪…あら?」
女神がなにか見つけたのか3つの魔方陣を見つめている
「その3つがなにかあるんですか?」
「うふふ♪この3つは神獣からのラブコールみたいよ♪」
え!?いきなり!?なんか幸先いいなぁー
「どんな神獣達なんですか?」
そわそわしながら聞けばうふふとわらって女神が説明してくれる
「まずこの子は神獣、月神兎!月の神の加護を受ける神獣よ♪月の国…神の国の中のね?に住んでるからこの世じゃ喚ばない限りお目にかかれないのよ♪」
見た目はこれ!と女神が見せてくれたのは、真っ白な身体に月を思わせる金色の目を持ち普通の兎と特に違うと分かるのは神獣の証とされる背から伸びる白く輝く純白の翼
私は思わず見とれてしまうもハッとして次の神獣の説明を聞く
「うふふ♪月神兎って可愛いわよね♪次は夜神狼!名前の通りに夜の神の加護を受ける神獣よ♪」
見た目は見せてもらう限り夜を思わせる真っ黒の…でもうっとりするくらい綺麗な体毛に覆われた身体にサファイアみたいな綺麗な目を持っている…この夜神狼も背からは純白の翼を生やしてる
「迷っちゃうわよね~でもこの子達どうしてもリルちゃんと契約したいのね♪魔方陣がこれでもかってくらいどの子も自己主張するように光ってるわ~」
見てみると確かにどの魔方陣もさっきからずっとチカチカというかキラキラ光っている…ギラギラしてるのもある
「最後は天神狐ね♪天界の長老が住む神の山に住んでるのよ♪」
見た目は銀のキラキラした体毛に身を包む九尾の狐だった。目は銀色でこの子も純白の翼がある
「決まったらその子の魔方陣に触れてみなさいな♪」
とは言われても皆良い子で迷うな~
と悩みつつもう決まってたりする
「この子にします!」
私が選んだのは…
主人公は果たして誰を選んだのか?
次回につづく~