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神のイタズラ?そんな可愛いもんじゃない!

主人公は王道の博愛主義主人公とは異なります。それでも良かったら読んでみて下さいませ。※主人公視点です

私、高橋みちるは今とてつもなく不可解な状態に陥っている


先程まで私は確かに自室にいたはずだった。なのに気がつくと見知らぬ場所に立っていた


今いるこの場所は、見たところ日本の町並みとはかけ離れていて例えるならRPGゲームにでも出てくる洋風な下町の広場といったところが妥当だろう


その広場には私の他にも多数の人々が居た。人々は見て分かる位慌てふためき、中には泣きわめく者までいてその場は騒然としていた



人と言うのはおかしなもので、自分より感情のまま喚く者がいると意外に冷静になれるようだ


私はとりあえず厄介な事に巻き込まれない為にも建物の影に隠れ、広場の人々の様子を観察することにした


見たところ彼らは変わった格好の者ばかりだった…まるでRPGゲームの中の騎士や魔法使いやそれこそ多種多様で見ていてきりがない


このおかしな状況でそれに対する情報も何も無い場合、通常であれば周りの話しかけやすそうな人にでも声を掛けて情報交換でもしようと考えただろう


けど、今のような訳のわからない状態では自分にとって危険と判断した


何故ならこの中でこの事態の首謀者及びこの訳のわからない状態を利用して良からぬことを考える人間が居ないとは断言できない


世の中善人ばかりと簡単に考えられるほど甘い人生を送ってきてはいない


その上私は女の子であり、自分で言うのもなんだけどひ弱だ


それもこの上なく。理由を上げればきりがないが、あえて言うなら超インドア派だからだ


人と遊ぶより家で小説を読み漁ったり、ゲームやアニメに没頭する方が有意義に感じる


だからといって決してニート自宅警備員な訳ではなく、これでも一応女子大生をしてる


とにかく、お家大好き女子がまさかアウトドア派な訳もなく、少し走ればすぐ息切れを起こし、重いものを持つ力も無く、体力・筋力共に無し


よく言えば温室育ちのお姫様系女子、悪く言えばひ弱もやしっこ…どちらかも言えば先に述べた方の例え推奨


とりあえず、私がもし変なのに絡まれた所で抵抗出来るだけの力が無いと言うことを言いたかったのだ


「にしてもいったい何だってこんな所に居るんだろ」


私は溜め息を吐き未だに騒がしい広場から目を離すとおもむろに自分の装いも部屋に居たときと違っていることに今更ながら気が付いた


「あれ?私確かパジャマ着てたような…というか何なのこのマント」


鏡が無いから正確には確認出来ないが、どうやら私はフード付の身体をすっぽり覆うほど長いマントを着用してるようだ


「なにこれ?なんでこんなコスプレみたいなの着てるんだろ…」


私が頭のなかをはてなマークだらけにしていると先程まで騒がしかった広場がいやに静かなことに気づいた気になり広場の様子をうかがうと不思議な光景がそこにはあった


先程までは何も無かった広場の中心に巨大な人のホログラムが浮かび上がっていた…まるで映画やなにかの世界にでも迷い混んでしまった感覚を覚えた


その巨大な人…ホログラムは物語や何やらで出てくるような神様っぽい装いをした厳めしい老人の姿をしていた


私が色々考えているとそれはこの広場にいる全ての人に届く大きな声…と言うよりもまるで頭に直接話し掛けてくるような声で語りかけてきた


『お前達はまだ自分が置かれてるが理解出来ずにいるようだな』


そう言うと得たいの知れない老人はおもむろに見覚えのあるビジョンをスクリーンも無いのにその場に出現させた…まぁこの得たいの知れない老人事態スクリーン要らずのホログラムなので可能だとは思うけど


『これに見覚えがある者はおるか?…といってもよほどの大馬鹿者でも無い限りつい先程自分がしていたゲームを忘れる者などいないな?』


そう、それは見覚えのある物だった…こんな状況に陥ってすっかり忘れていたが、此処に来る前私は確かにあのゲームをしていた



─────────


数分前


私は、暇をもて余していた…と言うのもこの時期は大学も長期休暇に入ってそれ事態はお家大好き女子である私にとっては天国だった


しかしいかんせん毎日小説やら手持ちのゲームやらローテーションしてると飽きがくる。そしてそれと同時に何か新しいものを求める


そんなときにスマートフォンのアプリストアで何か目ぼしい物は無いか探していたときに見つけたのが、オンラインゲーム《クリエイトー3つの贈り物ー》だった


このオンラインゲームは、説明を読む限りスマートフォンアプリゲームでありながらPCのオンラインゲームには及ばずともキャラメイクの自由度が高いようでつい興味がわいた


アプリをインストールすると、注意書が現れる。基本そういうのを読み飛ばす私はこの時もそれを読まずに同意するを選択しキャラメイクに移ってしまった


後々考えれば読んでおけば良かったのだけど…


私は性別を選択し、いつもゲームで使うHN(ハンドルネーム)である《リル》を打ち込みいよいよ待ちに待ったキャラメイクにテンションを上げていた


捕捉すると、私はこのての操作キャラを自分の思うがままに作れるゲームが大好きだったりする。あと育成ゲームも


しかし、いざキャラメイクをしようと思うも顔はもちろんのこと、色も設定出来ないようだった


「な…なにこれ?」


唯一弄れるのはキャラクターの服装位ってどういうこと?全くもって納得出来ないと憤慨しこのままアンインストールしてやろうかとも思った


しかし折角インストールしたんだし少しだけやってみてからでもいいかと考え直しとりあえず服装だけでも好みに弄ってやろうと画面に向き直る


見れば服は驚くほど細かく設定出来る様だった。用意された中から選択するわけではなく、形を選んでそこからレースを足すなり、リボンを着けるなりなんなり出来るみたいだった


私はすぐにテンションが上がり、自分で言うのもなんだけど単純な性格が災いし上機嫌に服の設定にのめり込み


その結果出来上がったのは、自分のメルヘン思考がたっぷりと反映されたこれぞお姫様!!という服だった


白雪姫をイメージして、肩の部分はフンワリと膨らませ、胸元は鎖骨が見える程度に開いてレースをあしらい大きなリボンを着け、ウェスト部分はコルセットをつけウェストの細さを強調しかつスカート部分のふんわり具合をより強調させ


スカートを膨らませるためにボリューム万点のパニエを忍ばせ色は淡いピンクと白の組合せで仕上げに赤ずきんならぬ白ずきんをイメージして猫耳型フード付のマントをつけた


キャラクター自体は作れないことに不満を感じつつも自分の理想を詰め込んだ服…もといドレスの完成に一先ず満足した私はようやく次の項目に移った


そこには、このゲームのタイトルにもある《3つの贈り物》を表すようなこちらの希望する技能・アイテムをプレゼントするという文字があった


空欄の3つの枠があり自分の思い思いに文字を打ち込めと言うものらしい


こんなシステム聞いたことがなくどうするか頭を悩ませた後、私はつい最近見たある映画を思い出した


それは少し前に映画化された元はおとぎ話の髪長姫をリメイクして歌って踊れるキャラクターが登場するアニメを作る世界でも有名なさるアニメプロダクションの作品で


主人公は不思議な長い髪を持ち、歌うと光って傷も治して若返り効果もあるという


《後は分かる通り色々な都合で割愛》


とりあえず、おとぎ話のお姫様に未だに憧れるインドア姫ことこの私はその時ダメもとでその3つのうち最初の1項目に


1つめのお願い


歌って踊れる姫のように、歌うと光って傷も癒して若返り効果もある髪の毛が欲しい!


と書いた…お姫様に憧れて何が悪い!誰に笑われてもなに言われても自分の生き方を変えない…それが私だ


と誰に言い訳をしてるんだという一人言を言いつつ次の項目になにを入れるか考え、もしもリアルにその世界に自分が行くなら必要な物を考えたその結果


2つめのお願い


私専用の生きてる馬車が欲しい!中に入れば私の欲しい物や空間(寝たいときは寝室を用意したりお風呂のときはバスルーム用意したり)を用意して私が不自由無く暮らせる空間を作ってくれる馬車!


という無理難題…だって実際あったら旅が便利だと…以下略


3つ目にいたっては、生活面ばかり考えてもやはり戦闘能力がないとゲーム世界みたいなモンスターだらけの世界で死ぬのは分かりきってること


でも私自身戦うのはやだなーと考えた…その結果


3つめのお願い


モンスターを召喚して手懐けられる優秀なテイマーになれるように








───────────────


そして今に至る



『お前達が居るこの世界はゲーム《クリエイトー3つの贈り物ー》の世界だ』


謎の老人の言葉にその場は騒然となりまたガヤガヤ騒がしくなる


するとそれに不機嫌そうに顔をしかめ老人は静まるように威圧を与える声で言い言葉を続ける


『まず、お前達のステータスを確認してみろ…念じればいい』


随分と大雑把な説明だ…やれやれと思うも念じろと言われなにをか分からないながらもステータスを確認しろと言われたのでとりあえず(ステータス確認)と念じてみた


すると目の前にビジョンが現れる


「うわぁ…まるでアニメの世界だな」


私は思わずそう溢し現れたビジョンを確認する



ステータス


名前 リル


性別 女


Lv.1


属性 聖



特性

○愛の楽園…どんな者でも求めずにはいられなくさせる


固有スキル

〇生命の泉の恩恵 

癒しと不老の力を秘めた魔法の髪を対象者に巻き付けた状態で歌うことで効果を発揮する



〇至高のモンスターテイマー 

自らが召喚したモンスターを服従させ、使役し戦わせるスペシャリスト




称号

〇生命の寵愛を受けし者〇魔法の馬車の主 〇愛されし者


持ち物

〇魔法の馬車ーーーーー


装備

〇リル特製マント(白)〇リル特製ドレス(ピンク×白)〇リル特製厚底パンプス(白)


なんというか…これって所謂チートなのかな?でも私はこれくらい無いと瞬殺されるだろうし妥当な気もする


自分の願いが反映されていて喜ばしい状況ながらも、これからのことを考えると素直に喜ぶわけにもいかず思考を飛ばしているとどうもボーッとしていられない言葉が飛び込んできた


『さて、願いが叶えられたかはお前達個人個人で差はあるながらもお前達は3つの贈り物を授けられた』


老人は重々しく口を開く


『お前達は言わば私達この世界を統べる神が選んだ駒だ』


駒?…嫌な予感しかしない言葉に背筋が凍る


『この世界ではお前達は異世界人だ…それも多大なる力を授けられた…何故だと思う?』


老人のその問う様な言葉に広場に居た、いかにも騎士です!といった装いの男が興奮を抑えきれないといった面持ちで答える


「選ばれし者として魔王を倒すんだろ?」


よくこの異常な状況下で未だゲームを楽しむかのように能天気に考えられるなあいつ


私が呆れて見ていれば老人も私と同じ考えの様でその男を鼻で笑う


『幸せな頭をしているようだな?残念だがそんなお前達が望むものではない』


皮肉混じりの声が続く


『私達は退屈が嫌いなんだ…私達は様々なゲームを行ってきたそれこそ大災害や戦争等様々だ』


老人…いや、自称だけど神と名乗る奴はなんてことはないという様子で語る


「それがゲーム?」


思わずといった所か広場に居た誰かの声がする


『そうだ、私達が作り出した世界や生き物をどうしようが我々の自由だ』


なんとも理不尽な神だな


『私達はもうこの世界の生き物を使ってのゲームはやりつくした…そこでだ』


嫌な笑いを口元に浮かべ私達を見渡す様に視線を動かす


『イレギュラーの存在をそれぞれ選んで自分の駒がどんな動きをするか楽しむことにした…駒とは勿論お前達だ』


駒…ね


『ありきたりなゲームのように魔王を倒せたら世界が救われて元の世界へ…なんて決まりは無い。ハッキリ言えばお前達はもう帰れはしない』


帰れない…その可能性が無いとまでは考えてなかったけど全くとは思ってなかった。それだけに衝撃が大きかった


こちらの反応なんてお構いなしに神は話を続ける


『だがお前達に悪いことばかりではない…お前達が普通にここで生きた所でつまらないからな』


私達に何をさせるつもりなんだ?


『この世界で好き勝手していい。魔王を倒すなり、王国を乗っ取るなり…人殺しだってどんな犯罪行為もやりたければやればいい』


とんでもない事を言い出したなこの神…こうなったら此処でうかうかしていられない


あの神とやらがなんの抑止力も出さずにあんな無責任な事を言ったんだから、これから騒ぎが起こることが安易に予想できる


「お、おい!なんでもって、本当に何でもか?」


広場の人混みを掻き分けるように神の前に出て来た中年の男がなにやら下卑た笑いを浮かべながら興奮した様子で聞く


『無論…お前が望む様な女、子供を自らの奴隷として飼うことも可能だが?』


神は男に目をやり見透かしたように言う。それを聞けば男は一瞬驚くも厭らしい笑いを深めた


「なら話は早い。俺は好きにさせてもらうぞ!」


そう言うと男は自分の側にいた女を捕まえると手をかざし何かを唱えた。するとその女は男から逃れようとしていたのが嘘みたいに大人しくなり、男にしなだれかかるように身を預けた


「俺のスキルには女なら誰でも奴隷に出来るのがあんだよ」


男がそう言うなり広場にいた女性達は危機感を感じたようで男から距離を取る…例外が居ないでもない様だけど、私の答えは決まった


「大体状況がわかった今もう此処には用はないし…逃げますか」


私は建物の物陰からそっと抜け出しこの町の出口へと走った


周りを見たら私以外にも何人か同じ考えを持った人が居るみたい


一人は箒を取りだし跨がって空に浮かんだ…見た感じ魔法使いの女の子だった。まぁ、私みたいにマントを被ってるからどんな子かは分からないけど


私も乗り物を出そうと思うもどうしようか考えさっきステータスをみたときのようにアイテムをと念じる


すると目の前に持ち物欄が浮かぶ


持ち物

〇魔法の馬車ーーーーー

〇プレゼント


「プレゼントは気になるけどとりあえず…」


魔法の馬車を選択し画面をタッチする。すると、私の目の前に可愛らしい馬車が現れた


真っ白な外装に細かな金の装飾が施された丸いフォルムの可愛らしい車体に、純白の馬が繋がれていた


私はその可愛らしい馬車に思わず見とれるも、ここでボーッとしていては危険な事を思い出しドキドキしながら馬車に乗り込もうと扉に手をかける


「ねぇ、君」


後ろから誰かに声を掛けられたようだ…なんだと振り返ると見知らぬ四人組が居た


話し掛けてきたのは見た感じリーダー格の男…だいたい17歳あたりかなかなか顔立ちが整い騎士のような装いをしてる


私は煩わしく思いつつもなんだと言うように首を傾げた


「あのさ、良かったら俺達も君の馬車に乗せてくれないか?」


そんなことだろうとは思ったけど勿論答えは決まってる


「いや」


ポツリと呟くように言い踵を返すが、それに慌てたのかリーダー格の男の子が私の肩を掴み阻む


「どこかの村までで良いからさ!俺達困ってるんだ!」


知るか…なんで私が見ず知らずの奴らを助けないといけない?


「私とあなた達は初対面…こんな異常な状況で私があなた達を信じられると思う?」


私の言葉に怒ったのか魔法使いらしき女の子が突っかかってくる


「貴女ねえ!私達が人殺しでもするって言うの!?」


私はため息を吐きその女の子に向き直る


「さっきの広場の変質者見たあとで見ず知らずの人間なんて信じられる?とにかく、あなた達が歩けば良いだけでしょ?」


それだけ言うと私はうっとおしい男の子の手を振り払い今度こそ馬車に乗り込む


中は普通の馬車の様で座り心地が良い素材で出来ていた

私が座るのを確認したのか、馬車は一人でに動き出した


窓からさっきの四人組を見てみれば、悔しそうな表情で私を…いや、この馬車を見ていた


あんな甘い子達が果たして生き残れるのか疑問だ


とりあえず見知らぬ四人組のことは忘れるとして、私は自分のスキルや持ち物について詳しく調べることにした


念じて画面を出現させ、スキル項目を選択し説明書きに目を通そうとするといきなり馬車内に眩しい光が弾けるように現れた





ここまで読んで頂きありがとうございます( *・ω・)ノ次は視点無しで甘ちゃん四人組側のお話です~


次回『甘ちゃん四人組悲劇に見舞われる…の巻き』

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