生徒会庶務 02
「さて、まずどこに行ってみるかな……」
あの年中お祭り騒ぎの会長がこの文化祭というイベントを楽しまないわけがない。
校内のスピーカーから流れる軽快な音楽を聞きながら、僕は考える。
道行く人の笑い声が廊下に響く。
……僕は考える。
客引きの声と共にいい匂いが流れてきた。
……僕は考えるのを止めた。
「……中庭から探していくか」
祭を楽しんでいる会長を探すには、実際に祭を楽しんでみるしかない!
「蛇の道は蛇」ってヤツだ!
僕はもう一人の自分が出した「ミイラ取りがミイラに」ということわざを頭の中から排除し、中庭へと向かった。
「しかし、こうして見るとこの学校の文化祭って凄いな……」
文化祭はその年の生徒会によって様々らしい。
去年、中3の時に来たときは、何というか厳粛とした感じで落ち着かなかったな……。
そう考えると、この自由な雰囲気はあの会長のお陰なのかもしれない。
「そういえば、生徒会で3年は会長だけなんだっけ……」
最後の文化祭。あの会長なりに何か思うところがあるのだろう。
……多分。
そんなことを考えているうちに中庭へ。
普段は落ち着いた雰囲気の中庭は文化祭のメインストリートとして活気づいている。
しかし、人が多いな……。
こんなに多かったらトラブルが絶えな……
「ケンカだ! ケンカだ!」
「おい、誰か止めろ!」
早速テンプレートな喧嘩騒ぎが起きていた。群衆が揺れ、声が上がる。
……はぁ、アレ止めなくちゃダメ……だよね?
「最悪だ……」