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クレープ売り 01

「……これは事件の香りがするね」

「小西、漂っているのはクリームの香りだけだっつーの」


 そうだった。

 ノリで言ってみたけど、これは完全に自業自得だ。

 目の前にあるのは私たちの屋台の商品、「ミニクレープ」……の山だ。

 文化祭最終日、3-4女子屋台内は絶望で溢れていた。

 昨日、文化祭二日目は一般公開されたこともあってか、クレープは飛ぶように売れた。

 予定を上回る売り上げに欲を出した私たちは追加の材料を購入。


 その結果が目の前に広がる売れ残りだ。


「まぁ、平凡な味だもんねぇ……」


 私たちのクレープはリピーターを呼ぶほどではないようだ。二日連続で食べたのなんて生徒会広報の前田ちゃんくらいじゃないかな?


「で……小西、どうする?」


 みんなが不安そうな顔で責任者である私を見る。

 そりゃそうだよね。

 最後の文化祭、失敗なんかで終わりたくない。

 責任者の私が動かないと。


「んー。やっぱコラボ作戦しかないかな」

「はぁ?」


 みんなが怪訝そうな顔でこちらを見る。

 信用無いなぁ……。


「だからね。他の店の商品とウチらの商品をセットにして売るのはどうかな~って」

「「……やるじゃん小西!」」


 一斉に騒ぎだす。

 良かったー。とりあえずお葬式ムードからは脱出成功。

 それじゃ、後は動くだけかな。


「じゃ、ちょっくら交渉してくるー。客引きは任せたよ!」


 そう言って屋台から出る。作戦開始だ。私の物語をはじめよう。長い長い1日を。


「さて、どこに行こっかな……?」

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