表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

対ゴキブリ戦争

お題:楽しいお金 必須要素:ゴキブリ

 最近のこと。家の中で、ゴキブリをよく見かける。

 私は見つけるたびにスリッパで叩き潰しているのだが、それでも数が減る気配がない。今日は3匹見つけた。昨日は4匹くらい。ひどいときには、10匹近く群れていることもある。もうキリがない。

 そこで私は、一丁、害虫駆除にお金をかけてみることにした。

 とりあえずホウ酸団子を、近くのホームセンターで大量に買ってきた。全部で10000円くらい使った。これだけあれば、さすがに家の中からゴキブリを絶滅させることができるだろう。これは期待できる。

 私は買ってきた大量のホウ酸団子を、言えのあちらこちらに仕掛ける。ホウ酸団子とホウ酸団子の間隔が、1メートルないかもしれない。部屋の中が、微妙にホウ酸団子臭くなったが、これも増えすぎた害虫を駆除するため。仕方ない。

 勝利を確信した私は、とりあえずその余韻に浸ることにした。近くのカフェに行って、いつもの三倍近くお金を使って、ちょっと高めのものを食べた。一人で祝勝パーティの気分だ。ちょっと気になる、あこがれの店員に、「なんか臭くないですか?」みたいなことを言われたのが、すこしだけショックだった。プラスマイナスゼロくらい。いつか彼女を恋人にしたい。というのは私の願望。

 それから二か月ほどたった。結果はいまいちだった。

 家からゴキブリはいなくならない。確かに以前の30パーセントくらいオフしたが、それでも多い。泣きそうだ。私は再びホームセンターに行って、殺虫スプレーを買うことにした。実力行使だ。兵糧攻めみたいに、気長に待っていても仕方がない。あいつらはひそかにどこからか食料を得ている。

 スプレーも大量に買った。今回は前回の倍のお金を使った。20000円くらいだ。

 家の中では、常に一本持ち歩くようにした。ゴキブリを見かけるたびに、すかさずスプレーを取り出し、早打ちガンマンのごとく、すぐさま射殺する。気分は爽快だ。こいつらに思い知らせなければならない。ここは私の家で、私こそがこの家の頂点であるのだと。私は自宅で無双した。

 結果は芳しくなかった。

 やっぱりキリがない。ある日思い立って、ゴキブリの巣と思しき所に直接吹きかけてみたが、その時真っ黒黒すけの巣に指を突っ込んだがごとく、中から大量のゴキブリがあふれかえってきて少し怖かった。一瞬、この家の主導権を奪われたような気がした。

 ついに私は引っ越した。1000000円くらい使った。家具も新しくした。

 楽しいお金の使い方だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ