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#7.地区予選抽選

※高校名はすべて架空で考えられたものです。


※あくまでもクジは無造作に引かれています。

飯島「なんか…いっぱいいるね;」


三二「ああ。こんなにいるってのか;」


三二たちは抽選会場に来ている。


監督(新)「今年は31校出るらしいで」


十五夜「その中で注目されているのは5校か…」


三二たちは看板を見た。


~注目高校~


金鯨学院(13年連続甲子園出場なるか!?)


御影第一高校(飯島、満月、十五夜の連携で得点を狙う!)


浜辺高校(今年創立された新星!果たしてどういう野球をするのか!?)


黄城東高校(小渕、工藤のピッチングと平野の強打に注目!)


ハウステンボス高校(怪物投手、小和田の投球で甲子園を目指す!)


三二「飯島たちめちゃくちゃ注目されてるじゃん!」


十五夜「とは言ってもそう簡単に勝てるというわけでもないし…;まずは金鯨をやっつけることを目標としてるから;」


事前にクジを引いた結果、御影第一高校は19番目、新寺学園は20番目に引くこととなっている。


三二たちは指定された椅子に座った。


三二「監督、いい場所頼みますよ!特にシードの20番よろしく!」


監督(新)「わかっとるわい;」


監督はクジ運はよくないと評判であり、以前の試合(球皇杯)では一回戦から金鯨学院とあたり、ズタズタにされたことがあった。


また、今回の地区予選を決める抽選では、数字は無造作に置かれている。


~対戦表~


A(20シード)(15-1)(19-13)(5-10)(23-29)(25-4)(14-26)(16-8)

B(7-12)(30-2)(21-6)(18-27)(9-24)(17-3)(28-31)(22-11)


進行「ただ今より、地区予選での対戦校を決める抽選を開始いたします」


会場から拍手が起こった。


進行「まず1校目、金鯨学院」


金鯨学院の監督らしき人物が抽選ボックスに手を入れ、進行に引いたクジを渡した。


進行「金鯨学院、『28』番」


会場がどよめいた。


飯島「てことは31番を引いたらアウトってわけか;」


満月「強いて言うならB側はほとんどアウトだ;」


三二「いよいよ20を引かなきゃならねえなこれ;」


三二たちは他の高校がクジを引くところを祈りながら見た。


10校目を終わって、まだ20番も31番も出ていない。


三二「まだチャンスはあるぞ!」


十五夜「さて、2校目の注目校だぞ…」


進行「ハウステンボス高校、『21』番」


飯島「ウオッ!危ねえ;;;」


三二「一瞬ビビった;」


五竹「今年こそは甲子園行きたいから、金鯨とは当たりたくはない;だから20番のシードがほしい;」


飯島、満月、三二はそれに素早くうなずいた。


なおも抽選は続けられる…


進行「14校目黒雲城高校、『7』番」


進行「15校目東海学園『26』番」


進行「16校目盥坂南高校『6』番」


クジが決まるごとに三二たちの表情もこわばる。


そして…


進行「19校目、御影第一高校」


飯島「頼むよ監督!」


十五夜「悪くてもAブロックに!」


満月「あわよくば20番!」


監督はクジを進行に渡した祈った。


三二たちも固唾を呑んだ。


進行「19校目御影第一高校、『30』番」


飯島「うわああ!危ねえ;;;」


十五夜「Bブロックかよ;」


飯島「え?…終わった;;;」


飯島はそれを見て頭を抱えた。


満月「でもまあ金鯨とは準決勝で戦うし、それまでには勝てるだろうと見ようぜ;」


飯島はゆっくりとうなずいた。


進行「20校目、新寺学園」


三二「頼むよ!マジで;」


現在、20番というシードの当たりクジも31番というハズレクジも残っている…


天か地か!?


監督はその運命のクジを渡した。


三二と五竹は念力を送っている。


進行「20校目新寺学園、『4』番」


三二&五竹「…!?」


三二と五竹は固まっている;


飯島「おい!」


横から飯島がささやき声で野次を入れる…


飯島「このグダグダどうするんだよ;;;」


三二「そう言われても;」


確かにグダグダだ;20番も来なければ、31番も来ない…すなわち天も地もない、中途半端な結果…


やはり、監督はクジ運が悪い…そう思う三二であった…;


進行「27校目浜辺高校、『25』番」


五竹「三二、俺らの一回戦の相手は浜辺高校だってさ」


三二「見てわかるけど;今年創立されたところだろ?データがないから戦いにくいかもよ?」


五竹「だよな;」


そして28校目、香焼かやぎ東高校が御影第一高校の対戦高校になった。


飯島「香焼東か;確か鉄腕の小泉がいるとこだよな?」


飯島の言う小泉は香焼東のエースであり、MAXはなんと157キロという剛速球の持ち主なのだ。


そこに三二が疑問に思ったことが…


三二「そんなにすごいピッチャーがいるのになんで注目されてないんだ?」


飯島「確かに球は速いんだ。だけど、制球力にひどいムラがあるんだ;」


十五夜「その結果、球皇杯では1回戦敗退、12失点4被本塁打という結果さ;」


満月「さらに言うと打線もそんなに強くないんだ;」


三二「なるほど…」


30校目…残ったクジは20番と31番。


飯島「30校目でいたかった;」


三二「だよな;こんなにワクワクすることはないよ;;;」


30校目の三笠東高校の監督は祈るようにクジを渡した。後ろでは黄城東高校の監督が祈っている。


進行「30校目三笠東高校…」


三二は他の高校なのになぜか祈っている。


十五夜「何で祈ってるんだ?」


三二「つい力が入って;」


進行「『31』番。よって黄城東高校が『20』番となります」


三笠東高校の監督はうなだれていたようだった。


後ろでは黄城東高校の監督がホッと胸をなでおろしている。


十五夜「終わったか…」


監督(御)「Bブロックになってすまん;」


監督たちがすごすごと三二たちの所へ戻ってきた。


十五夜「いえ、いいんです;金鯨を倒しましょう!こうなったら!」


監督(御)「…だな!では、戻って新寺学園のチームと合同練習だ!」


三羽ガラス「ハイ!」


監督(新)「いや~;すまんかった;;;」


三二と五竹は監督を憐れんだ目で見ている。


監督(新)「な、なんや?その目は?」


三二「いえ、監督はやっぱりクジ運がなあと思って;」


五竹「監督らしいですよまったく;」


監督(新)「まあ金鯨と当たるとしたら決勝なんやし、よしとしようやないか;」


三二と五竹はしぶしぶうなずいた。


飯島「とりあえず、練習に戻ろうぜ;互いにどっちつかずだったわけだし;」


三二「…ああ;」


7人は球場へ戻った。


六車「なあ三二、抽選どうだった?」


三二「俺らは一回戦、浜辺高校と戦うことになった」


六車「浜辺高校?聞いたこと無いな;キャプテン!」


六車は遠くでキャッチボールをしている四野に向かって叫んだ。


四野はキャッチボールの相手に少しタイムをかけて六車のところへ走ってきた。


四野「何だ?」


六車「浜辺高校ってどんなとこ?」


四野「浜辺高校?…初めて聞くな;」


四野は申し訳なさそうに頭をかいた。


五竹「そこは注目されてたよ?今年創立された新星らしいし;」


四野「それじゃあわからないのも仕方ないか;で、金鯨とはどこらで当たるんだ?」


三二「決勝」


六車「ラッキーじゃん!」


六車は喜んでいる。四野はただ一言「そうか」と言うだけであった。


五竹「御影とも決勝みたいだったよ;」


六車「そりゃ気の毒にな;」


四野「おい六車;それは失礼だろ;」


六車「やっぱり?」


六車はおどけた表情をした。


???「お疲れ様です」


三二たちのもとにマネージャーがタオルを持ってきてくれた。


六車「おー!千島ちしまちゃん!サンキュ♪」


千島「僕は男ですよ六車さん;」


六車「悪い悪い♪」


女子のように見える彼は千島優ちしまゆう、新寺学園野球部の2人いるマネージャーのうちの1人だ。


もう1人もどこかにいるはずだが…


三二「それで和泉さんは?」


千島「彼女なら浜辺高校のデータを探していますよ」


四野「でもひとつ思うんだけど和泉って名字、どこかで聞いたことがあるんだけど…」


六車「確かに;」


四野「確か今年転校してきたとは聞いているけど、たしか…『雷鳴轟学園』だったっけ?」


千島「去年甲子園で金鯨に敗れたところですね」


六車はハッとした。


六車「なあ、確か雷鳴轟学園の注目選手って和泉満じゃなかったっけ?」


五竹「じゃあ和泉さんが妹ってことか?」


四野「それもあり得るね…てことはまさか…!」


六車、四野は何かを感じたらしい。


三二「妹だったからって何があるってんだよ?」


三二と五竹は理解していないようだけど…;


四野「三二、お前は何も感じないのか?」


三二「感じるって、何を?」


六車「鈍いぜ三二;ま、いずれ甲子園でわかるようになるさ;」


三二は状況がつかめなかった。


四野「今は普通に接しよう;」


三二は四野のこの一言で状況がある程度わかった。


三二「お前ら…ひでえやつらだな…」


四野、六車は三二を見た。五竹は未だにわかっていない。


三二「お前ら、チームメイトをスパイだと思っているのか?」


2人はギクリとした。


六車「だったらなんだというんだ?」


三二「言っとくが彼女は絶対にスパイなんかじゃない!俺はただそう言いたい!」


五竹「三二の言うとおりだ。彼女がスパイだったとしたら、金鯨にでも行っているだろうし、兄が喜ぶはずがないだろ」


四野はそれに納得したようだ。


四野「確かにそうかもしれない…俺はキャプテン失格だ;チームメイトを疑うなんて…;」


六車「キャプテン…」


六車はあまり納得しているようではない。


三二「俺は和泉さんを信じるぜ!」


五竹「俺は千島と浜辺高校のデータが出たかどうかを見てくるよ」


三二「あ、俺も行く!」


三二、五竹、千島は和泉のところへ向かった。


四野「とりあえず練習に戻るぞ、じゃあな!」


六車「…チッ!」


六車と四野は練習に戻った。


誰もいなくなったところのそばにある草むらから3人が出てきた。


八束「…聞いたかよ今の」


九住「六車先輩、多分まだ疑ってますね;」


七浜「どうしますか八束先輩?」


八束「やつには誤解を解いてもらわなきゃな…」


八束、七浜、九住はひそかに和泉に好意をよせており、学校にひそかに発足している『和泉哀いずみあい様ファンクラブ』に入っているのだ。


九住「じゃあどうするんですか?」


八束「まあ見てなよ…フッフッフ…」


八束は笑みを浮かべた。


和泉「三二さん、浜辺高校のデータがとれました」


三二「サンキュ!」


和泉哀はデータを三二に渡した。三二は和泉を見て改めて感じた。


三二『彼女はスパイじゃない…絶対!』


和泉「あの…どうかいたしましたか?」


三二「あ、何でもない;すまん;」


三二は改めて浜辺高校のデータを見た。


三二「これは…」


五竹「どんなチームだ?」


三二は五竹に見せた。


五竹「…」


果たして、浜辺高校とはいったいどんなチームなのか…?


続く!

~そのころののえる~


のえる「はう~;…つかれましたぁ…;ちょっと横になりましょう…すぅすぅ…」


???「あれ?三二さんの家のドアが開いてる…あれ?誰か寝てる…フフッ♪イタズラしちゃおっと♪」

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