#4.VS御影第一高校(中盤)
※ハイライトになっている部分はご了承を(ry
三回表…バッターは一番、六車からだ。
六車「さっきは三振しちまったけど、次はこうはいかねえぞ!」
六車は左打ちに変えた。
飯島『うわ…俊足タイプの左打ち苦手なんだよな…;』
十五夜『ここは内角高めのスライダーだ!』
満月『十五夜は内角高めって言ってるみたいだけど、正直言って当たりは外角低めさ』
満月は外角低めのコースに構えた。
飯島はそこに向かってスライダーを放った。
六車『いただき!』
ガキン!と鈍い音がした。打球は力なくショートへ転がっている。
六車「やべえ!詰まった!!!」
六車は猛ダッシュでファーストへ向かった。
十五夜「チッ!」
十五夜は強肩を活かして送球した。それと同時に六車はヘッドスライディングでファーストに飛び込んだ。
1塁審「セーフ!!!」
八神「クッ!速え!」
六車「助かった…;」
飯島「惜しい;」
飯島は悔しそうにロージンバッグ(すべり止めの粉を詰めた袋)を握って落とした。
次の八束は送りバントで六車を二塁に進ませたが、二宮は三振に終わった。
三二「頼んだぜ!五竹!」
五竹「任せろ!」
五竹はバットを構えた。
飯島は三二をちらっと見た。
飯島『この四番を打ち取らなきゃマズイな…;三二とかいう奴、俺の球を見切っている…!』
飯島はまだ三二に17球もカットされたことを恐れているようだった。
十五夜「おいテル!集中しろ!」
飯島「ああ、すまん;」
飯島は三二のことを忘れるために首を振った。
そのあとの一球目、飯島は真ん中低めのストレートを放った。
五竹は見送って、球筋を分析し始めた。
五竹『今までの投球を見ると、だいたい球種的にはストレート7割、スライダー2.5割といったところか…で、二球目はだいたい…』
飯島は満月のサインを気に入っていないのか、首をずっと横に振っている。
五竹『?…あの動揺は…多分スライダーの拒否だろうな…本人はフォークを投げたがっているように見える…』
五竹は飯島の表情を見ている。
飯島は何かに納得したかのようにうなずくと、二球目を放った。
球種は五竹の読み通り、フォークボールのようだ。
五竹『よし!』
五竹はフルスイングでフォークボールを打った。打球は快音とともに右中間を抜けた。
六車は三塁を蹴ってホームへ向かった。センター立石はバックホームだ!
キャッチャー満月は構え、捕球の構えをとった。
六車「このー!!!」
六車は決死の思いで滑り込んだ。それと同時に満月はボールをキャッチした。
クロスプレーだ!
球場内にしばしの沈黙が走る。
主審「セーフ!」
六車「やったぜ!」
満月「あらま;」
六車は危なかったという表情をしながらも、俊足を活かしたことの満足感にふけていた。(新1-2御)
三二「ナイスラン!」
六車「おうよ!お前も次一発言っちゃおうぜ♪」
三二「任せろ!」
三二と六車は拳を合わせた。五竹も二塁からガッツポーズを見せている。
飯島「やっちまった;」
十五夜『あれほど言ったのにな;』
満月『たまに独りよがりになるんだよな;飯島;』
飯島は次のバッター、三二を見た。
三二『さっきはフォークに振らされたけど、今回はそうはいかねえぞ!』
満月『フローラル君か…ここはフォークで脅そう』
飯島はうなずいた。
三二『絶対打つ!絶対打つ!絶対打つ!』
三二は練習している自分を思い返している。
飯島の一球目、フォークボールが…すっぽ抜けた…
飯島『やべえ!』
三二『!?』
三二は見送った。
主審「ストライク!」
飯島は驚いている。
飯島『何考えてるんだ!?アイツは!!?今のはラッキーだった;』
三二はただじっと飯島の投球を見ている。
二球目、今度はスライダーを投げた。
三二「…」
三二は冷静に球を見た。
主審「ストライクツー!!!」
四野『アイツ…何を考えてるんだ!?このままじゃまた三振だぞ!』
三二は黙っている。
満月『どうする…』
十五夜『ここは内角のスライダーで攻めろ!』
満月は十五夜の言わんとしていることを飯島に伝えた。飯島はゆっくりとうなずくと、投球を始めた。
三二「絶好球だ!」
三二のフルスイング!
カキーン!と快音が響いた。
飯島『…!』
十五夜『!!?』
五竹『まさか…』
三二の打球はバックスクリーンにぶつかった…ツーランホームランだ!
三二「よっしゃあああ!」
監督「三二…ようやった…」
監督はニッと笑ったようだった。(新3-2御)
一浦「三二先輩…さすがです!」
ベースを悠々と回る三二をよそに、飯島、十五夜、満月はマウンドに集まって何かを話しているようだった。
十五夜「すまん;俺の指示のせいで;」
満月「やっぱりフローラル君はあなどれないね;」
飯島「ちょっとコースが甘かった;」
十五夜「まあ、次抑えよう;」
飯島「ああ;」
飯島は四野を三振に抑えた。
その裏、一浦は扇原にツーベースを打たれるも、後続を抑えて無失点に抑えた。
四回は共に三者凡退、五回は飯島が三者凡退、一浦が鍋田にフォアボール、扇原にヒットを打たれるも飯島を抑えて無失点に抑えた。
六回表…五竹はサードライナーで倒れた後の三二の打席、飯島たちは三二を敬遠した。
三二「チッ!敬遠かよ…もっと打ちてえなあ…;」
飯島『あの強打者はなんとかしなくちゃならないからな!』
十五夜も満月もうなずいている。
四野「悪いけど、強打者は三二だけじゃないぜ!」
四野は飯島のストレートをひっぱたいた。
打球は低弾道でライト方向に転がった。三二は三塁を蹴ったが、つまづいたため三塁に戻った。
猛里「おいおい;何つまづいてるんだよ;」
三二「すまん;しくじった;」
飯島は一浦を敬遠し、ワンナウト満塁…
九住「満塁かよ…;」
九住は今までずっとゲッツーでチャンスを活かせていない。そのためか九住は震えているようだった。
監督はスクイズの指示をしている。
九住はうなずくとスクイズの構えを見せた。
飯島は投球したが、同時に内野手が全員猛ダッシュでスクイズ処理の構えに出た。
九住「ヤバい!」
九住はバットを引こうとしたが、その時に球がバットに当たってしまった。
三二「うわっ!」
ファースト八神はしっかり捕球し、3-2-1の連携でダブルプレーに仕留めた。
九住「くそう…;」
九住は打ちひしがれるようにうつむいた。
三二「ドンマイ!」
四野「まだこっちはリードしているんだ!いけるさ!」
九住「はい…;」
しかしその裏、一浦は十五夜にスリーベースヒット、そして満月に犠牲フライを打たれ、同点にされてしまった。(新3-3御)
一浦「くっ!」
一浦は息をハアハア言わせながら悔しそうにしている。
二宮『この回が限界か…やむを得ない;次に代打の指示をしてもらうか…』
一浦は疲れながらも後続を抑えた。
七回…試合も終盤…
飯島はデッドボール、フォアボール、ヒットをそれぞれ出してしまい、満塁に…
そして三二の打席となった。
飯島『嫌な奴とまた出会っちまった;』
十五夜『満塁だから敬遠ができない…!』
満月『あーあ;今日の弁当、卵焼き入れてくれば良かったな;』
三二は打てるのか!?
続く!
~そのころののえる~
のえる「ふええ~ん;ここはどこですか~!!!誰か教えてくださ~い!!!」
…道に迷ってしまったようだ;