PACE1-2
彼女は、夜景を背負い、ガードレールに腰掛けた。
「やだ、地球でお仲間にあうなんて思わなかったわ。あんた、中位?」
「とりあえず、だ。」
「あたしも。」
「女が中位まで来るのは珍しいと聞いたが?」
「はは、あんた頭いいでしょ?あたしを傷つけないように聞いてきた。」
「恐れ入る。」
「何処にもいるでしょ?不良品。あたしは女であって女じゃない。」
「そうか。」
「冷たいのね、他に言うことない?」
「大変だな。」
「あんた、冷たいって言われない?」
「さあな、初期教育の失敗だ。」
彼女は、くすりと笑う。
「あんたも不良品?」
「俺は だ。」
「…へぇ、本当にいるんだ。本物みたの初めてだよ。写真とっていい?」
「あんたも人間かぶれか?」
「いいじゃん人間、あたしは好きだよ。」
「物好きだな。」
本当に彼女は物好きだった。
「いいねぇ、物好き。あたしと会話してるあんたも十分物好きでしょ?」
「そうなのか、男共がよってくるんじゃないのか?」
「あんたもそうなの?」
「さぁな、試してみるか。」
その時自分は、遊びのつもりだった。
そう、ほんの戯れ。
ほんの、遊び。
いつもの、暇つぶし。
いつもの、遊戯。
いつもの、玩具。
生物が神の玩具。
女が自分の玩具。
玩具と玩具が戯れる。
何の問題も、無かったはずだ。
何処をどう間違ったのだろう。
ニヒルな笑みを浮かべる彼女が最後に言ったのは、馬鹿みたいな言葉。
「んっとに、仕様がないねぇ。馬鹿野郎。」
それに自分はなんと答えたのか…。もう、忘れてしまった。
時間だけが、流れていく。ただ無意味に刻々と。
独りに随分慣れてきた。
本当は最後言いたいことがあった、忘れられないまま、つぶやいてみる。
君に言った。
あの言葉は嘘じゃない。
嘘じゃなかった。そのはずだ。
君はボクだけ愛していればいいんだ。
わからないなら教えてあげよう、シュリアシェリア。
ボクは君のことを本当に愛しているよ。君も、ボクのこと愛してるよね?
ねぇ、シュリアシェリア。
イミがわからなくてごめんなさい。感想などいただけたらうれしいです…。