PACE3→I matched a pace with him and walked.Then the peace has failed...
†序章†
もういいかい
まぁだだよ。
司令は時として残酷なものもある。
まぁそれは悪魔として生きている限り仕方のないことだから割り切っているし、人間なんざいなくても変わりはないから、得に罪悪感もない。
ただ、後味が悪いのだ。
子を呼ぶ母の泣き声は言い様もなくグロテスク。
母を呼ぶ子の叫び声はひどく耳障り。
刻まれる呪いの言ノ葉は勲章だと、どこかの天才は言ったが。
そんなものを勲章にできるほど、俺はいかれているわけでもなく。
つまりは正常。
「機嫌わるそうですねぇ。」
静鳴の声に、あぁ最悪だと答えて資料に目を落とした。
「のどかですねぇ。」
本当に、これから入っていくのがいやなくらいのどかだ。今いるのは日本の田舎の村。小高い…丘の寺の縁側。
「それは俺への嫌味か居残り組。」
「私だって手は汚しましたよ?」
ほら、和尚さんをね、と静鳴はゆったりほほえむ。ほら、じゃないだろう。なかなか残酷なことをいってくれる彼はこの任務の最高責任者だ。…無論、俺が押しつけたのだが。
「あぁ、そろそろ時間ですよ。午後三時半から夜明けまで、しっかりやってくださいね。」
「あぁ。」
からんからん、うるさい下駄を突っ掛けてため息。
ここだけの話だけれど。
こんな任務、後ろめたくてやりたくない。
ここだけの話。だけれど。
更新遅れたうえに、こんなに短くてすみません。次回から本題にはいって行こうと思います…。