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PACE1-6→終わりに。

    ‡終章‡

 

「師匠っ!!!まったくどこへ行くんですか!」

 

「!し、仕事だ。見逃せ」

 

「見逃せって時点で仕事じゃないでしょ!いかせません!報告書書けてないじゃないですか!」

 

玄関先で、僕と師匠は睨み合っていた。

 

「行かせろ。報告書なら帰ってから仕上げるし、お前に好きなものを買ってやる。見逃せ。美歌は、機嫌を悪くすると面倒なんだ。フルコースのディナーのあと何百する宝石買わされるからな。

お前も貧乏には成りたくないだろう?俺一人なら養ってくれる女はいくらでもいるが、お前付きとなるとなかなかきついものがあるんだ。

なぁ、頼む。うまくいけば金だって入る。悪い話ではないだろう?じゃ行ってくる。」

 

一気にまくしたてた師匠が、僕の横を擦り抜けようとする。

それをどうにか止めた僕も、一気に話しだした。

 

「いいですか、師匠。昨日司令官さんからお電話がありましたよね?彼、いってましたよ?『お前が怠けることでどれだけ仕事が停滞すると思っているんだ。いいから早く報告書をだせ。頼むから仕事をしてくれ。どうして力を出し惜しみするんだ。』とね。それに師匠なんて答えましたか?『言いたいことはわかった、かならず明日、報告書を提出しに本部へ行く。』そう言いましたよね?いまさら違うなんて言わせませんよ!美歌さんとかと言う人とは、この際ぱぱっと別れましょう。さっさと机にむかう!言うこときかないと、蜘蛛を捕まえてきますよ!!!」

 

苦い顔をした師匠は、そろそろとドアのノブに手を伸ばしていたけど、今回は僕が勝ったみたいだ。

ため息を付いた彼は、携帯端末を取り出す。

 

「俺の鼓膜が破れたらお前のせいだからな。」

 

ダイヤルを押して携帯を耳にあてた師匠はぎゅっと目を瞑った。

 

「美歌か?」

 

『鈴欠さん?遅いわ。』

  

「急用が入った。」

 

『なんですって?私、この前も。その前も待たされたのだけど?ねぇ、鈴欠さん?』

 

「悪い。悪いと思っている。だが、外せない用事なんだ。悪いがまた。」

 

『嫌だわ。』

 

「何?」

 

『嫌だわ。あなたの都合ばかり従ってられないの。今からそっちへ行くわ。逃げないで待っていなさい。じゃぁ、また。』

 

がちゃん、と鮮やかに切れる通話。

自室に走っていった師匠は報告書をカバンに詰め込むといった。

 

「逃げるぞ。」

 

師匠にかかれば女の人から逃げるのもどうってことないらしい。 

こんな僕らは、今日も平和。

 

 

 

 

 

 

 

 

PACE1→I cannot keep pace with him... fin...

next→PACE2

これでPACE1→彼は歩くのが早すぎて僕には付いていけない。は完結、次からPACE2となります。これからもがんばるので、PACE1について感想などいただけたらうれしいです…。ちょっと最近不安です…。我儘な作者で申し訳ない。でわまた。

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