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プロローグ
製造者のもと天使は造られ
調教者のもと天使は生まれ
製造者のもと悪魔は生まれ
記憶者のもと悪魔は創られ
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僕は、悪魔の見習いだ。
創られて早十年、だけど、僕は悪魔が何をするのか知らない。
二年前に記憶者に逢ったけど、そのひとは何も教えてくれないし。 記憶者と言うのは…いわゆる保護者みたいな男の悪魔。
世の中にはお父さん、とか呼ぶヒトもいるみたいだけど、僕は勝手に師匠って呼んでいる。
あんなヒトをお父さんなんて呼びたくないっていうのが正直なところだ。
僕の言動からもわかるように、はっきり言って僕の記憶者は大はずれ。
人使いは荒いし、きれいだけど恐いし、やたら理不尽だし…、その上に都合の悪いことだけ忘れる記憶障害まで患っている。…でも、僕は彼のことキライじゃない。
そんな僕と、記憶者の話。