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第十九話 サミジナとの戦い

     第十九話 サミジナとの戦い



サイファ達が城下町に着き、二手に別れ悪魔達を狩り始めた。


そのころ城に到着し、サミジナと相対した恭夜はというと。




<SIDE:恭夜>


俺はユリーシャを降ろした後、其処にいた悪魔を見る。


「さてどうにか間に合ったか。はあ、また侯爵かよ。面倒だな。」


俺はそう言い、両手に符を持って構え、


「ユリーシャはルビーア達を守ってやってくれ。」


俺はそう続けて言う。


「解りました。気をつけてくださいね。」


ユリーシャはそう言い、ルビーアの元に向かう。


「さて、相手はサミジナか紫苑行くぞ。」


俺はそう言い、地を蹴りサミジナに接近し、右手のに持つ符に魔力を込め、弓を引くように右腕を引く、


「金精鉄化術 鉄柱槍。」


俺はそう唱える。


そうすると、符が弾け俺の右腕を鉄が包み俺の右腕を鉄の槍と化した。


俺は地を蹴った勢いそのままサミジナへ肉薄し鉄の槍と化した右腕で貫かんとする。


「かっかっかっ。無駄よそのような物で我が闇の衣が破れる、な、何。」


サミジナが身に纏う闇の衣に槍が当たり、余裕を見せるサミジナだが俺の攻撃はその闇の衣を抜く。


それでも、サミジナは紙一重で体を捻り俺の攻撃を交わす。


「木精雷術 赤雷砲」


俺は体制の崩れたサミジナに収束した雷撃を打ち込む。が、跳躍しそれすらも交わす。


「もっとあっさり貫けると思ったんだがな、まあいいか、解。」


俺はそう言い、鉄化術を解除する。


「くっ。我が闇の衣をわずかな抵抗だけで破るとは、貴様何者じゃ。」


サミジナがそう言う。


「はあ、会う悪魔の度にそれを聞かれるのもいい加減にして欲しいんだがな、俺は退魔師だ。」


俺がそう言うと、


「何じゃと。まさかフェネクスを倒したのは貴様か。」


サミジナがそう言う。


「ああ、そうだ。と言っても止めはさせなかったがな。」


俺がそう言うと、


「何、まあ良かろう。」


サミジナがそう言う。


「お前に一つ聞きたい事がある。この国に何を求めてやってきた。」


俺がそう聞くと、


「ふっ、知れた事よ。其処にいる姫と神器をもらいにな。」


サミジナがそう言う。


「引く気はないんだな。」


俺が言うと、


「当然だ。なぜ人間ごときの言う事を聞かねばならん。」


サミジナがそう言う。


「そうかいじゃここからは狩りに行くぞ。ガミジン。」


俺がそう言うと、


「その名で我を呼ぶか人間。」


サミジナはそう言い、身に纏う闇を広げる。


俺は二枚の符を取り出し、魔力を込め、サミジナに向け符を飛ばし、


「木精風花術 桜花風縛陣。」


俺がそう唱えると、一枚の符が弾け風を生み出し、もう一枚の符も弾け大量の桜の花びらを生み出す。


風が闇を払いそして、桜の花びらが風に舞いサミジナに絡みつく。


「くっ、何だこれは。」


サミジナはそう言いながらもがく。


もがけばもがくほど風が絡みつき動きを阻害し花びらがサミジナの魔力を吸い、薄い桜色から徐々に濃い色合いに染まっていく。


そして、花びらが紅く染まったのを見計らい、


「紫苑、焼き払え。」


俺がそう言うと、


「クゥ。わかった。」


紫苑がそう言い、狐火を三つ放つ。


狐火が花びらに引火し風が火を舞い上げ、他の花びらにも引火しあっという間に、全ての花びらに燃え移り、サミジナを炎が包む。


「があああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー」


サミジナが叫び、膨大な魔力を放出し炎を吹き飛ばす。


「ぐう、我が魔力を奪いその魔力を使い火力を上げようとは。」


炎に全身を焼かれ、焼け爛れた姿で現れたサミジナは冷静にそう言う。


その姿を見たユリーシャ達は「ヒッ」と息を呑み目をそらす。


「見た目と違いたいしたダメージになっていない様だな。さらに怒り狂うかと思えば冷静だしな。お前は思った以上に怖い悪魔だな。」


俺がそう言うと、


「侮っていたことは認めよう、それゆえにこの傷は我が落ち度として受け入れよう。そして貴様を我が敵と認め本気で相手をしよう。」


サミジナはそう言い、闇を全身に纏い、全身をすっぽり包むローブを纏った背の低い老人の姿となる。


「火精炎術 紫炎弾。」


俺は符を取り出し素早く魔力を込め、術を唱え符を投げはなつ。


符が弾け、こぶし大の紫色の六つの炎がサミジナに向かい直撃するが、ローブに阻まれてダメージを与える事ができない。


「そのローブは闇の衣が具現化したものか。」


俺がそう言うと、


「然り。これは我が先ほど纏っていた闇の衣の三倍ほどの強度を誇る。その程度の術など無効化してしまうわ。さて次はわれの番だ、罪科にまみえし死霊どもよ我が呼び声に応え現れ出でよ。」


サミジナがそう言うと、三十体ほどの死霊が現れた。


「さあ、死霊どもよ其処の女子おなごども以外のものを祟り、呪い、弄り殺すが良い。」


サミジナがそう言うと、死霊どもが襲い掛かってきた。


ユリーシャ達の方を確認すると、恐怖に震え歯をカチカチと鳴らし怯えている。


「スティーア、俺が今から死霊どもを浄化するからそれをお前は取り込め。」


俺はユリーシャではなく直接スティーアにそう言う。


(解ったのです。上手に出来たら又頭撫でて欲しいのです。」


スティーアが念話でそう言う。


「ああ、頭でも何でも撫でてやるから上手くやれよ。」


俺はそう言うと、


(はいです。)


スティーアは念話で元気良くそう応えた。


その返事を聞いた俺は懐から符を一枚取り出し、魔力を込め、


「陽精陽光術 日輪。」


俺はそう唱え、符を頭上へ掲げる。


符が弾け、直径三十cmほどの太陽のごとき輝いを放つ白い球体が生まれた。


その光に当てられた死霊どもは浄化され涼やかな顔となりユリーシャの持つ杖に吸い込まれていく。


「なに、まさかこれほど簡単に死霊どもを無効化するとは。それにその娘が持つのは、マモンが奪えなかった命の樹の枝か、ふはははははは。またつまらぬ任務かと思えば、まさかこのようなところで、それが手に入ろうとはな。」


サミジナがそう言いさらに死霊を呼び出す。


さてどうしたものかな、日輪で低級の死霊なら何とかなるんだが、サミジナを倒せる威力は無いしな。


かといって、威力の高い物を使えば、間違いなくこの部屋も吹き飛ぶしどうしたものかな。


「どうやらその術の制御でその場から動けぬようじゃな、それにその光は低級の死霊程度を浄化するぐらいの力しかないようじゃな。ならば来るが良いレイス達よ。そしてそれを統べる者リッチよ来たれ。」


サミジナがそう言い、レイス、五体とリッチを召喚する。


「紫苑、レイスを頼む。」


俺はそう言い、日輪に魔力を送り強化する。


待てど、紫苑からの返事がない。


俺は紫苑のほうを確認すると、紫苑の体から薄い闇のようなものが出ている。


紫苑は死霊の怨嗟に当てられ封印が解けかかっている。


「かっかっかっ。余所見をしている暇なぞなかろう。」


サミジナがそう言う。


俺は慌てて前を見ると、レイスが目の前まで迫ってきていた。


「エデンよ、ごほごほ、私に力を貸し与え、・・悪しき者を屠る剣となせ   シャインセイバー。」


年若い男が咳き込み苦しみながらそう唱え、、エデンの力で出来た五振りの光の剣が生まれ、レイスに向かい飛ばしてきた。


俺の前まで来ていたレイスとその後ろにいた四体のレイスは光の剣に刺し貫かれて浄化する。


「何、貴様まだそんな力が残って居ったのか。」


サミジナがそう言う。


「ごほごほ、あなたには、・・聞きたい事・・・が出来ました・・・。砂漠、・の王国・・・イシュヴァリー、と言う国に・・心当たりは・ありませんか。ごほごほ。」


年若い男は咳き込み吐血しながらそう言う。


「ああ、覚えて居るぞ、我が一夜で滅ぼした国だ。脆弱な者しか居らず、ほとんどの者が下級の死霊にしかならんかったは。」


「そうですか・・・、ごほごほ、私は・・その国の・・・第二王子・・でした。・・・今ここで・国の敵を・・討たせて・・いただきます。」


年若い男がそう言う。


「かっかっかっ、そのような状態でよう言うた。貴様なら、上位の死霊となろう。やれリッチよ。」


サミジナがそう言い、リッチをけしかける。


「エデンよ・・・・。」


年若い男は其処まで言い、気を失った。


俺は無言でリッチに向かい日輪を飛ばす。


日輪の直撃を喰らったリッチは半身が吹き飛びそのまま浄化される。


「サミジナ、お前は、罪無き者に罪を被せて使役しているのか。」


俺がそう聞くと、


「そうじゃが其れがどうした。人間など幾等でも居るではないか。」


サミジナがそう言う。


「お前は、魂の循環を何だと思っているんだ。」


俺がそう言うと、


「そのような物は知らんよ。そもそもこの世界は滅びるのじゃから我がこの世界の魂をどのように扱おうが構わんじゃろう。」


サミジナがそう言う。


「そうか、なら俺がお前を殺しその魂を好きに使っても構わんのだな。」


俺がそう言うと、


「かっかっかっ。やれるものならやって見るが良い。」


サミジナが笑いながらそう言う。


「ああ、お前を魂を神の供物にしてやるよ。」


俺はそう言い、鞄から小さな紫色の風呂敷包みを取り出し、その包装を解き、其処から五本の五寸釘を取り出し四本をサミジナに向かい飛ばす。


四本の五寸釘に狗法の風刃を用いて、五寸釘を誘導、加速させる。


サミジナは迎撃しようと黒い球体を飛ばしてくるが、五寸釘に刻まれている呪詛が発光し黒い球体を吸収し、そのまま、サミジナの四肢に突き刺さる。


「ぐっ、闇のローブさえも無視して我に突き刺さるとは、だがなんだ、たいした痛みもないぞ。こんな物すぐさま抜き取って、・・・・何、体が動かぬだと、貴様これは何だ。」


サミジナがそう言う。


「ある神社に心優しい神様が奉られていました。その神様は下々のどんな願いすらも叶えてきました。そうどんな願いでもです。其れがたとえ人の死に繋がる呪いだとしてもその神様は叶えてくださるのです。

呪いさえも叶えてくれると言う噂が広がり、噂が歪められ呪いを与える神様として世間に広がっていったのです。そうしてその神様は呪いの神として崇められる様になりました。」


俺がそう言うと、


「まさか、これはその神の呪が込めれた物か。」


サミジナがそう言う。


「ああ、その通りだ。そして最後の一本を打ち込めば呪いの完成だ。」


俺はそう言い、最後の一本の五寸釘を飛ばす。


五寸釘は吸い込まれるようにしてサミジナの胸元に突き刺さるが、サミジナに何の変化も起こらない。


「ふははははは。何も起こらぬではないか、その神の呪力では我を呪い殺す事ができんようじゃな。」


サミジナがそう言う。


「我、汝を崇めたてまつらん。人の死を冒涜し魂をもてあそばんものに汝の呪の賜物を与え給え。さすれば汝に死した後の我が魂と彼の者の魂奉げん。怨。」


俺が祝詞を唱え、呪を発動させる。


五寸釘に刻まれた呪詛が怪しく発光し、サミジナの体を呪詛が蝕んでいき体が闇へと還っていく。


「我が本当に呪い殺されるとはな、貴様が死に我と同じところに来る事を楽しみに待っているぞ。」


サミジナはそう言い、完全に闇へと還った。


「ふう。終わったな。」


俺はそう言い、年若い男の方へ向かい、胸元に手を当て霊派を送る。


男の顔に生気が戻るまで送り続ける。


その後にシオンの元に行き、


「紫苑。大丈夫か。」


俺がそう聞くと、


「クゥ。だいじょうぶ。」


紫苑は弱弱しくそう言う。


俺は紫苑を抱き上げ、優しく撫でる。


「きょうや。」


紫苑が俺の名を呼ぶがその後は何も言わない。


しばらくそうしていると、


「キョウヤさん。顔色が悪いようですが大丈夫ですか。」


ユリーシャがそう言う。


「ああ、大丈夫だ。ちょっと疲れただけだからな。」


俺がそう言うと、


「本当ですか。また突然倒れたりしませんよね。」


ユリーシャがそう聞く。


「ああ、大丈夫だよ。」


俺がそう言ったとき、


「うニャー。キョウヤ無事かニャ。」


ミリアがそう言い、会議室に入ってきた。


その後に続きサイファ達も入ってくて、


「此方もどうやら終わったようですね。」


サイファがそう言う。


「ああ、終わったぞ。」


俺がそう言うと、


「うニャー、キョウヤおなかすいたニャー。なんか作って欲しいニャ。」


ミリアがそう言う。


「そうじゃな。本来は話を聞きたいところなんじゃが、とりあえずは食事にするのじゃ。」


ルビーアがそう言うと、


「すいませんが姫様、先に我々は王妃様に報告へ行かさせて頂きます。」


初老の男がそう言い、サイファ達と一緒に入ってきた者を連れて退室する。


「それと兵に連絡を入れて、アルージェ様を部屋と運ばせます。」


槍を持った男がそう言う。


「解ったのじゃ。わらわも後ほどそちらに行くと伝えておいて欲しいのじゃ。」


ルビーアがそう言う。


「解りました。では私はこれにて。」


槍を持った男がそう言い、初老の男の後を追っていった。


「では、わらわ達は食堂に行くのじゃ。」


ルビーアはそう言い、歩き出した。


俺達はその後に続き部屋を後にした。













長い戦闘がやっと終わりました。

次の話は王妃への報告と宴会の話を予定しています。

次の投稿もなるべく早くにしたいです。

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