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閑話 リリスとリリムとアシュタロト

     閑話 リリスとリリムとアシュタロト 



ここは魔王城のとある一室。


其処には薄紫の髪と瞳の妖艶な美女と同じ髪と瞳の色をした可憐な少女が話していた。


美女の名はリリス。夜魔の女王である。少女はリリム。リリスの娘である。


其処に一柱の悪魔が訪ねてきた。



 

<SIDE:アシュタロト>


リリスに呼ばれ部屋にやってきたが、


「何用で私を呼び出したのかなリリスよ。」


私がそう聞くと、


「不機嫌そうね、アシュタロト。まあそれも仕方が無いわね。フルフルに続きフェネクスまで討たれのだから。」


リリスがそう言う。


「嫌味を言う為だけに私を呼んだのならば帰らせてもらうぞ。」


私がそう言うと、


「あらあら、ごめんなさい。そんなつもりは無かったのよ。」


リリスはそう言い、優雅に微笑む。


「用件を言ってもらえないか、私もそう暇ではないのだぞ。」


私がそう言うと、


「そうね、では用件を言うわ。フルフルとフェネクスを討った者の情報があるの。」


リリスはそう言う。


「なに。その情報の対価は何だ。」


私がそう聞くと、


「話が早くて助かるわ。対価はその者の事をあなたから魔王に話さない事よ。」


リリスがそう言う。


「私が魔王にその者の事を話さぬのが対価とはどういうことだ。魔王に知られるとまずい事なのか。」


私がそう言うと、


「ええ、フェネクスに重傷を負わせたのはその者だけど殺したのはリリムだから話さないで欲しいの。」


リリスがそう言う。


「それだけが理由では有るまい。それならばリリムが介入した件だけを対価に持ってくればいいのだからな。」


私がそう言うと、


「ええ、その通りよ。けどここからは対価を認めてもらわないと話せないわ。」


リリスがそう言う。


「これ以上は聞いても答えてはくれんか、解ったその対価を飲もう。まずは魔王に話せぬ理由から聞かせて貰おうか。」


私がそう言うと、


「そうねまずはそれを話しましょう。その者はリリムの恩人なのよ。地球で神の使徒を名乗る狂信者から助けてくれたのよ。」


リリスがそう言う。


「まて、その者は地球人なのか。どのようにしてこの世界に遣って来た。」


私がそう聞くと、


「ええ、その者は地球人よ、秋津島の出身で符術という術を使うそうよ。この世界に来たすべは解らないわ。」


リリムがそう答える。


「そうか、いつから居たのかも解らないのか。」


私がそう聞くと、


「正確な日にちは解らないけど一週間は経ってないと思うよ。」


リリムがそう答える。


「その根拠は何だ。」


私がそう聞くと、


「恭夜とはキスをした間柄だからこの世界にいるのなら大体の居場所は解るよ。でも気がついたら恭夜の気配がこの世界にあったんだよね、それに気がついたのが二日前だよ。」


リリムがそう答える。


「そうか。ならば次はその者の正確な名を教えてくれぬか。」


私がそう言うと、


「うん。名前は御影恭夜だよ。それと一緒に来たのが妖狐の紫苑だよ。」


リリムがそう言う。


「なに、妖狐がなぜ人間に付き従うのだ。」


私がそう言うと、


「紫苑は恭夜を特別視しているみたいだよ。理由は知らないけど。」


リリムはそう言う。


「それはまあいい。その者の実力はどの程度なのだ。フェネクスに重傷を負わせたといえどそれは屋内での事であろう。」


私がそう言うと、


「違うよ。フェネクスは屋外で自分の得意なフィールドで恭夜に追い詰められたんだよ。すごかったよ恭夜は水を集めて八つの頭を持つ竜を作り縦横無尽に動かしてフェネクスを追い詰め重傷を負わせたんだから。」


リリムがそう言う。


「なんだと、其処までの力がある者なのか。」


私がそう言う。


「そうじゃなかったら、私じゃフェネクスを殺せないよ。」


リリムがそう言う。


「そうだな、リリムは精々子爵程度の力しかなかったな。」


私がそう言う。


「うん、私じゃ本来侯爵のフェネクスは殺せない。恭夜が重傷を負わせたから私でも殺せたの。」


リリムがそう言う。


「それで、魔王は次はどう出るのかしら。」


リリスがそう聞く。


「そうだな。魔王も私と同じで屋内でフェネクスが敗れたと考えるはずだ、そうなれば次は屋内でも戦える者を派遣するだろう。」


私がそう言うと、


「なぜ魔王はそこまであの国にこだわるのです。」


リリスがそう聞く。


「あの国には神器がある。その神器の担い手が現れないかと魔王は危惧しているわけだ。」


私がそう言うと、


「その神器は何なの。」


リリスがそう聞く。


「神器の名は<裁き下す全天なる光>という槍だ。この槍を用い熾天使の一柱であるアブディエルはサタンの脳天に一撃を加えそれを退けたと言われている。」


私がそう言うと、


「なるほどね。それを扱える者が現れるとセヴンでさえ苦戦する可能性があるわけね。それでなくとも、<闇切り裂く光纏し剣>の担い手に手を焼いているというのにこれ以上神器の担い手が増えるとこちらの戦力に多大な被害が出る可能性もあるわね。」


リリスがそう言う。


「<闇切り裂く光纏し剣>の担い手の相手をアスモデウスがするそうだ。なんでも久しぶりに剣を振るいたいらしい。」


私がそう言うと、


「さすがは剣の公爵といったところかしら。」


リリスはそう言い、ふふふと笑う。


「そうだな。だが今すぐ動く気はないらしい。」


私がそう言うと、


「それはなぜなのかしら。」


リリスがそう聞く。


「なんでもこれで悪魔に勝てると思わせといてその後に絶望に突き落としたいそうだ。」


私がそう言うと、


「なんて悪魔らしい思考かしら。だけど余りのんびりしていれば足元をすくわれかねないわよ。」


リリスがそう言う。


「確かにな。だか私や魔王がいくら注意しても無駄だろうな。」


私がそう言うと、


「そうね、悪魔たる私達が人間相手に気を張り詰めることなんて普通ありえないことよね。」


リリスがそう言う。


「そう言うことだ。」


私がそう言う。


「ほかに聞きたいことは無いのかしら。」


リリスがそう言う。


「恭夜といった者の話はもういいが、紫苑という妖狐の能力は何だ。」


私がそう聞くと、


「うーん。私も詳しくは知らないんだけど、なんでも八卦という物を扱えるんだって言ってたよ。」


リリムがそう言う。


「八卦だと。それは天のけん、地のこん、雷のしん、火の、風のそん、水のかん、山のごん、沢ののことか。」


私がそう行くと、


「たぶんそれだと思う。」


リリムはそう言う。


「なんということだ、その者は妖狐ではなく仙狐ではないか。」


私がそう言うと、


「仙狐とはそれほど階位が高い者なの。」


リリスがそう聞く。


「五百年以上生きた狐が妖狐となり九尾となる。さらに其処から悟りを開き千年以上生きた狐を仙狐という。さらに其れが神格化し、尾が四本の天狐となる。天狐が三千年以上経つと空狐となり尾が零本になる。ここまでになれば最上級悪魔である私でも勝てるかどうか解らない。」


私がそう言う。


「紫苑の尾は三本だったよ。」


リリムがそう言う。


「すでに天狐だとでも言うのか。それならば上位の悪魔ですら危ういぞ。」


私がそう言うと、


「うーんでも恭夜は紫苑は本来の力は封印されているっていっていたよ。」


リリムがそう言う。


「どういうことだ。封印とは天狐とは善狐のはずその力を封印するはずが無いのだが。」


私がそう言うと、


「私も詳しいことは知らないけど、恭夜は紫苑の力を封じないと地球を滅ぼしかねないといっていたよ。」


リリムがそう言う。


「地球を滅ぼすだと、ならばその者は悪狐なのか。聞けば聞く程解らなくなる。」


私はそう言い、頭を抱えたくなった。


「どうなんだろうね。紫苑は恭夜のいうことを聞いているし、恭夜に危害を加えない限り紫苑から攻撃を仕掛けることは無いんじゃないかな。」


リリムがそう言う。


「これも魔王に報告することはできんのだろう。」


私がそう言うと、


「ええ、当然よ。そんな事をすれば間違いなくセブンの誰かを行かせるでしょう。」


リリスはそう言う。


「なぜか、その者ならセブンも倒してしまいそうなんだが、私の思い過ごしか。」


私がそう言うと、


「さすがにそれは無いでしょう。其処までの力があるのならばフェネクスを逃がすような事も無かったのだから。」


リリスがそう言う。


「確かにその通りだな。ふむ随分な時間話し込んでしまったようだな、私はそろそろ戻られねばならん。有意義な時間であった。」


私はそう言い、リリスの部屋から立ち去る。


もしかすると魔王ではなく、その者達が私の目的を達してくれるのやも知れぬな。




大変遅くなってしまい申し訳ありません。

仕事が忙しくなり執筆時間が大して取れなくなってきました。

その精で週一投稿が無理になってきました。

そのせいで当分は不定期投稿になると思います。



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