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第十一話 襲撃その後

     第十一話 襲撃その後



フェネクスの襲撃から一夜が開けた。


町は瓦礫の撤去や家屋の修復作業で騒がしい。


ユリーシャ達は恭夜にフェネクスや悪魔に付いて話を聞こうとしていたのだが恭夜が起きる気配が無いので、ユリーシャと紫苑を除いたメンバーで昼食へ出ている。




<SIDE:恭夜>


俺が眼を覚ますと部屋にはユリーシャと紫苑がいた。


「おはよう御座います。キョウヤさん。」


ユリーシャがそう言う。


「ああ、おはよう、痛っ。」


俺がそう挨拶を返すと頭痛が襲った。


「大丈夫ですか。」


ユリーシャが心配そうにそう聞く。


「ああ、頭痛がしただけだ。」


俺がそう言うと、


「そうなのですか、かなり辛そうですけど。」


ユリーシャがそう言う。


「薬を飲めば頭痛は治まるだろう。」


俺はそう言い、ベットの脇に置いてある鞄をあさり鎮痛薬を取り出す。


「ユリーシャ、悪いけど水を一杯くれないか。」


俺がそう頼むと、


「はい。ちょっと待って下さいね。」


ユリーシャはそう言い、テーブルに置いてある水差しからコップに水を移し、


「はいどうぞ。」


そう言って俺にコップを渡す。


「ありがとう。」


俺はユリーシャにそう礼を言い、薬を含み水と一緒に飲み込み、心配そうに俺を見ている紫苑に、


「紫苑、心配掛けたみたいだな、おいで。」


俺はそう言居ながら手招きすると、


「きょうや、しんぱいした。」


紫苑はそう言い、紫苑は俺に飛びついてくる。


「俺は大丈夫だよ。」


俺はそう言い、俺は紫苑を受け止め、背中を撫でる。


「キョウヤさん。私もシオンさんを撫でたいです。」


ユリーシャがそう言う。


「うーん、ユリーシャが撫でたいといっているけど如何する。」


俺が紫苑にそう聞くと、


「いや。」


紫苑はにべもなく断る。


「うう、キョウヤさん。」


ユリーシャは泣きそうな顔をしながらそう言う。


「俺に振られてもなぁ。」


俺はそう言うが、ユリーシャは悲しそうな顔で俺を見つめる。


「はあ、紫苑はユリーシャのこと嫌いか。」


俺はため息を付いて、紫苑にそう聞くと、


「ゆりーしゃのこときらいじゃない。」


紫苑はそう言う。


「じゃあ撫でさせて下さいよう。」


ユリーシャがそう言うと、


「すきでもないからいや。」


紫苑がそう答える。


「うう、キョウヤさん。シオンさんが虐めます~。」


ユリーシャが本当に泣きそうにそう言う。


「ユリーシャ。紫苑を撫でるのは諦めた方がいいぞ。無理やり撫でようものなら噛み付かれるぞ。」


俺がそう言うと、


「噛み付くんですか。」


ユリーシャがそう聞き返す。


「ああ、何人かは実際に噛み付かれているしな。」


俺がそう言うと、


「うう、解りました。撫でるのはあきらめます。」


ユリーシャが悲しそうにそう言う。


「まあ、紫苑を撫でられる奴なんて、俺以外では文乃と朔夜ぐらいだしな。」


俺がそう言うと、


「フミノさんとサクヤさんですか。その二人はキョウヤさんとはどういった関係なんですか。」


ユリーシャがそう聞く。


「うん、文乃は俺の幼馴染で朔夜は俺の妹だ。」


俺がそう言うと、


「キョウヤさんに妹さんがいらしたのですか。」


ユリーシャがそう聞く。


「ああ、歳は少し離れているけど兄妹仲はいいぞ。そういえばユリーシャにも姉が居るんだよな。」


俺がそう言うと、


「はい姉様が一人います。」


ユリーシャがそう言う。


「そうか。」


俺がそう言ったところで、サイファ達が部屋に入ってきた。


「あ、キョウヤ起きたんだ。」


リーファがそう言う。


「ああ、心配掛けたみたいだな。」


俺がそう言うと、


「うん、心配したんだよ行き成り倒れちゃうんだもの。」


リーファがそう言う。


「ああ、さすがに無茶が過ぎた。脳の情報処理能力を限界まで使ったからな。そのせいでぶっ倒れてしまった。」


俺がそう言うと、


「のうと言うのは解りませんが、キョウヤさんはようするに頭の使いすぎで知恵熱を出して倒れられたという事ですか。」


サイファがそう言うと、周りがその説明でああなるほど、と納得した。


「あながち間違っては居ないんだが、そう言うと俺が馬鹿にされているような気がするんだがきのせいか。」


俺がそう言うと、


「ええ、きのせいですよ。」


サイファはそう言う。


「うん、まあいいか。それよりサイファ達は何をしていたんだ。」


俺がそう聞くと、


「私達は昼食を取っていたのですよ。」


サイファがそう答える。


「なんだもうそんな時間なのか、ユリーシャや紫苑は先に食事を済ませたのか。」


俺がそう言うと、


「私もシオンさんもまだですよ。キョウヤさんは昼食は如何しますか。」


ユリーシャはそう答え、更にそう聞いてきた。


「俺は食欲が無いからいいわ、紫苑と一緒に食事に行って来ればいいさ。」


俺がそう言うと、


「キョウヤさんも食べないと駄目ですよ。」


ユリーシャがそう言い、


「いっしょにたべる。」


紫苑までがそう言ってくる。


「はあ。解ったよ、食べればいいんだろ。紫苑悪いけど膝の上から降りてくれるか。」


俺がそお言うと、


「わかった。」


シオンはそう言い、俺の上から飛びのく、


「ああ、まずは着替えないとな。」


俺がそう言い、立ち上がろうとすると立ちくらみがし、よろけてしまう。


「大丈夫ですか、キョウヤさん。」


ユリーシャがそう言い、俺を支えようとするが、支えきれずにユリーシャが俺を押し倒すような感じになって倒れてしまう。


「悪い、大丈夫かユリーシャ。」


俺がそう言うと、


「此方こそすいません。」


なぜかユリーシャは顔を赤くしそう言う。


その後なぜか二人して見詰め合ってしまった。


「二人は何時までそうしているのかな。」


リーファがにやにやしながらそう言う。


「あわわわわ。すいませんキョウヤさん。すぐどきますね。」


ユリーシャは顔を真っ赤にしそう言った。


「ああ、悪い。」


俺も顔が熱くなるのを自覚しながらそう言った。


「キョウヤさんがそう言う状況では仕方がありませんね。食事は此方に運んでもらえないか聞いてきます。」


サイファがそう言う。


「ああ、すまない。それほど今は食べられそうも無いから軽い物で頼む。」


俺がそう言うと、


「私とシオンさんの分も頼めますか。」


ユリーシャがそう言う。


「解りました。お二人は何か注文はありますか。」


サイファはそう言う。


「いえ、特に無いのでサイファさんに任せます。」


ユリーシャがそう言い、


「さかな。」


紫苑がそう言う。


「解りました。それでは行って来ます。」


サイファがそう言い、部屋から出て行く。


「キョウヤさん。貴方に聞きたい事があるのですが構いませんか。」


マイスがそう言う。


「うん、なんだ。」


俺がそう言うと、


「キョウヤさんが使っている魔法はなんですか、あの魔法から精霊の力やエデンの力を一切感じなかったのですが。」


マイスはそう言う、


「ああ、俺は精霊の力やエデンの力なんか使えないからな。元々俺のいた世界では精霊に力を借りられるのは精霊の声が聞けてその精霊と契約を結んだ者だけだしな、俺の使っている魔法は、紙に術式を書き魔力を火や水に直接変換しているんだ。」


俺がそう言うと、


「では、その術式を使えば僕達にも同じ事が出来るのですか。」


マイスはそう聞く、


「出来ると思うが、術式を完全に理解し起こす物事を同時に思い描けなければ不発に終わるぞ。」


俺がそう言い、鞄から呪符を取り出しマイスに見せる。


「此れが火精符だ。こっちが水精符だが違いがわかるか。」


俺がそう言うと、


「なんかミミズが這い回った後のような感じで何が何なのか解りません。」


マイスがそう言う。


「ミミズが這い回ったってなんか酷いな。」


俺がそう言うと、


「う、すいません上手く表現ができないものですから。」


マイスがそう言い終るとサイファが戻って来て、


「食事は運んでくださるそうです。」


サイファがそう言う。


「うん、そうかありがとな。」


俺がそう言うと、


「ありがとう御座います。」


続いて、ユリーシャがそう言う。


「いえ、構いませんよ。そういえば何を話していたのですか。」


サイファはそう言い、そしてそう聞く。


「ああ、俺が使っている符術について話していたんだ。」


俺がそう言うと、


「キョウヤさんの使う魔法ですか。雨が降った後に使った巨大な八つの蛇のような水の魔法はなんだったのですか。」


サイファがそう聞く。


「あれは俺の切り札の一つで水精水神術 八岐大蛇という術で、八つの竜の頭を自分の意思で動かして、波状攻撃を仕掛ける術だ。」


俺がそう答えると、


「え、八つの頭は術式で制御していたのではなく自分で制御していたのですか。」


マイスがそう聞く、


「ああ、そうだ術式で制御すると同じ動きしか出来ないから、自分で操つるんだ。」


俺がそう言うと、


「でもどうやって八つの頭を制御していたんですか一つ一つの頭が完全に別の動きをしていましたよ。」


マイスがそう聞く。


「それはマルチタスクというものを使っているからな。」


俺がそう言いうと、


「マルチタスクとはどういったものなんですか。」


マイスがそう聞く


「マルチタスクというのは並行思考や分割思考といって複数の物事を同時に考えたり実行する能力のことだ。」


俺がそう言うと、


「そのようなことが本当に出来るのですか。」


サイファがそう聞く。


「そうだな、実際に見せた方が早いな。」


俺はそう言い、鞄からノートを取り出し二枚破り両手にペンを持ち二枚の紙に別々の絵を同時に書く。

「こっちは子猫ですか、それとそっちは犬ですか。キョウヤさん絵上手です。」


ユリーシャがそう言う。


「とまあ、こんな感じだな。」


俺が絵を書き上げそう言うと、


「すごい。此れは僕にも出来るんですか。」


マイスがそう聞く。


「ああ、訓練次第でできるぞ。」


俺がそう言うと、


「その訓練法を教えてください。」


マイスが興奮してそう言う。


「けどものにするにはそれなりの時間が掛かるぞ。」


俺がそう言うと、


「どれ位の時間が掛かりますか。」


マイスがそう聞く、


「二つ同時に操れるように成るのに数ヶ月、更に一つ増やすのに一年ほど掛かるぞ。」


俺がそう言うと、


「そんなに掛かかるんですか。」


マイスがそう言う、


「ああ、此れを覚えるぐらいなら、マイスなら精霊の効率的な運用法を考えたり精霊の使役数を増やしたりした方が戦力になるぞ。」


俺がそう言うと、



「それは如何いう事ですか。」

マイスがそう聞く、


「マイスは精霊を支配下に置いている様だが精霊の力を十全に引き出せていないんだよ。例えば火の精霊ならば放射状に放つより火の玉にし着弾と同時に弾ける様にした方が放射状に放つより威力が上がる。それに同術でも精霊の使役数が増えれば出来る事の幅も広がるし威力も上がるぞ。」


俺がそう言うと、


「それは精霊を支配下に置ける数を増やし、更に創意工夫をしろという事ですか。」


マイスがそう言う。


「ああ、そう言うことだ。」


俺がそう言うと、


「解りました。考えてみます。」


マイスがそう言うと、ノックの音がしウエイトレスが食事を運んできてくれた。


「お待たせいたしました。」


ウエイトレスはそう言い、トレーに乗っている料理をテーブルの上に置き、


「食べ終わりましたら、食器は部屋の外に出して置いて下さい。後ほど引き取りにまいります。」


ウエイトレスはそう言い、部屋から出て行く。


「クゥ、ごはん。」


紫苑はそう言い、テーブルの方へ駆けて行く。


「ああ、食事にしようか。」


俺はユリーシャにそう言うと、


「ええ、キョウヤさんは其処に居てください、又、倒れられたら大変ですから。」


ユリーシャはそう言い、テーブルへ向かい、シチュウとパンを取り俺の元へと持ってくる。


「はい、どうぞ。」


ユリーシャはそう言い、俺に手渡す。


「うん、ありがとう。」


俺は礼を言い、受け取る。


ユリーシャは紫苑の隣に行き、食事を始める。


「話の続きは食べ終わってからにしてくれ。」


俺がそう言い、食事を始める。




三十分ぐらいで食事が終わった。


「食べ終わった食器は私が外に出しておきますね。」


ユリーシャがそう言い、自分の食器と一緒に俺の食器を持っていく。


「ありがとうなユリーシャ。」


俺は礼を言う。


「いえ、如何致しまして。」


ユリーシャは微笑んで返事を返す。


「このような状態では情報も集められませんし、明日は如何しましょうか。」


サイファがそう言う。


「ああ、本来なら情報を集めたかったがそうも言ってられなくなった。明日は朝早くからラスティハイトに向けて出発したい。」


俺がそう言うと、


「どうして急ぐ必要があるのですか。」


サイファがそう聞く。


「フェネクスが任務の途中で此処を襲ったといっていた。此処より南には何がある。」


俺がそう言うと、


「此処より南には幾つかの宿場町にキシュウ湖が在って、ラスティハイトがあるぐらいです。」


ユリーシャがそう答える。


「そうですね、私が記憶している限り此処より南にはエルフの里もありませんから。」


サイファがそう言う。


「此処から南に行った所には僕達の集落以外には集落はないし。」


マイスがそう言う。


「ああ、だから悪魔の目的地はラスティハイトだと思う。それだと時間が無いんだよ。」


俺がそう言うと、


「時間が無いってどうして。」


リーファがそう聞く。


「ユリーシャ、此処からラスティハイトまでキシュウ湖を越えて何日ほど掛かる。」


俺がそう聞く。


「え、此処からですとキシュウ湖までは馬車で半日ほどで着きますが、キシュウ湖を抜けるのに何時もなら三時ほど掛かりますが、今はキョウヤさんが使ったやまたのおろちでしたかそれに似た頭が沢山ある巨大な蛇のような者が住み着いていますし湖の様子も様変わりしているため抜けるのにどれほど時間が掛かるかわかりません。其処から更にラスティハイトまで二日といったところです。」


ユリーシャがそう答える。


「ちょと僕の質問にも答えてよ。」


リーファがそう言う。


「悪い、リーファ。そうだなまず時間が無いといった理由は、フェネクスを倒せ無かった事にある。それにより俺たちの情報が魔王に渡っただろうからな。それにより次は最上位悪魔が動く可能性が高くなった。それを相手にするのならば準備を整えなければ成らないのだが、此処からラスティハイトまで早くて三日は掛かるようだから、悪魔がラスティハイトを襲うのとほぼ同時ぐらいになりそうだ。」


俺がそう言うと、


「それでは此処でのんびりと話している間が無いじゃないですか。」


ユリーシャ慌ててそう言う。


「落ち着けユリーシャ。出来ればキシュウ湖は通りたくなかったんだがそうも言ってられない状況だから仕方ないとして更に時間の短縮を図らないと拙い。」


俺がそう言うと、


「うニャ、キョウヤはどうしてキシュウ湖を通りたくなかったニャ。」


ミリアがそう聞く。


「キョウヤ、へびきらい。」


紫苑がそう言う。


「そうなのかニャ、焼いて食べると凄く美味しいのにニャー。」


ミリアがそう言うと、


「キョウヤ、それたべたい。」


紫苑がそう言う。


「紫苑、勘弁してくれ。」


俺が引きつった顔でそう言うと、


「クゥ、ざんねん。」


紫苑がそう言うと、皆が笑う。


「はあ、まあそう言うわけで時間が無いし、かなり急がなければならない。」


俺がそう言うと、


「あのそれよりなぜラスティハイトに向かうのですか。」


マイスがそう聞く。


「俺たちだけで全ての悪魔を対処することが出来ないからな。だから国やそう言うところからの協力が必要になって来るんだよ。それでラスティハイトに決まった理由はユリーシャの知り合いが王家に居るからだ。そうだなユリーシャ。」


俺がそう言うと、


「はいそうです。ラスティハイトの姫がそうです。」


ユリーシャがそう言うと、


「え、ルビーネア姫と知り合いなんですか。」


マイスがそう言う、


「ええ、そうです。悪魔が迫っているなら助けないといけません。」


ユリーシャはそう言う。


「ああ、本来なら今から行きたいとこなんだが俺の体調が優れないから玄武を召喚することが出来ないんだよな。」


俺がそう言うと、


「げんぶとはなんですか。」


サイファがそう聞く。


「玄武とは十二天将の一柱で四獣と呼ばれる聖なる獣の一匹でもある。獣としての姿は足の長い巨大な亀に蛇が巻きついている姿をしている。又、人としての姿としては、黒い服を身に纏った恰幅の良いおっちゃんの姿をして、そのときの呼び名を玄天上帝といい、俺の世界の中国という国で神の一柱に数えられて居る者だ。」


俺がそう言うと、


「神様ですか。そのような者が召喚に応じるのですか。」


マイスがそう言う。


「ああ、力さえ示し、その者に気に入られれば契約を結ぶことが出来るからな。まあそれは俺の世界の東洋の神やそれに順ずる者だけだけどな。西洋の神は無理だなあれは人間を見下しているし何をしてもいいと思っているものが大半だからな。」


俺がそう言うと、


「その西洋の神に僕達の崇める神も含まれるのですか。」


マイスがそう聞く、


「ああ、含まれる。」


俺がそう言うと、


「西洋の神は人間に何をしたのですか。」


サイファがそう聞く。


「ああ、一番嫌いなギリシャの神だがそれが人間にしたことは、自分が気に入った人間を攫って来て水瓶を持たせ酒を注がせたなんて話もある。さらにポセイドンという神がアテナの神殿でメデューサという女性に乱暴を働いたのだが、アテナは乱暴された女性を我が神殿を穢したと言い化け物に変えてしまった。」


俺がそう言うと、


「その様な神も居るのですね。でも僕達の神はそんなことしませんよ。」


マイスがそう言う。


「ああ、そうだな、そんな事をしていないが、悪人が増えたという理由で大洪水を起こし滅ぼした。」


俺がそう言うと、


「え、嘘ですよね。」


マイスがそう言う。


「いや事実だ。聖書によれば地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、これを洪水で滅ぼすと神と共に歩んだ正しい人であったノアに告げ、ノアに箱舟の建設を命じた。ノアとその家族八人は一生懸命働いた。その間、ノアは伝道して、大洪水が来ることを前もって人々に知らせたが、耳を傾ける者はいなかった。とある。ノアが伝道出来たのはどの程度の範囲だったのだろうな。」


俺がそう言うと、


「そんな神がそんな事をしたなんて。」


マイスはそう言い落ち込む。


「うニャ、キョウヤに聞きたいのニャが神器って何ニャ。」


ミリアがそう聞く。


「神器とは神やそれに準じる者が使ったあるいは所持していてた物で、様々な概念が付与されたものであったり、特殊な金属で出来たものなどが上げられる。」


俺がそう言うと、


「うんニャ、それじゃ、<罪焼き尽くす断罪の焔剣>て何ニャ。」


ミリアはそう聞く。


「ああそれは、ヤハウェに使える四大天使の一柱であるミカエルが持つといわれる剣で、罪持つ者は使えず、この世の全ての罪を焼き尽くすまで消えることの無い炎を宿した剣だ。」


俺がそう言うと、


「それは今、誰が持っているのかニャ。」


ミリアがそう聞く。


「私が持っていますよ。使うことは禁じられていますが。」


サイファがそう答える。


「なんで使うことを禁じられてるニャ。」


ミリアが更にそう聞く。


「先ほどキョウヤさんが言いましたが、罪のあるものは使えないのですよ。私は原罪が無いとは言え、嘘なんかも罪と認識するようで、そのせいで私自身もこの剣で焼かれてしまうのです。」


サイファがそう答える。


「なるほどニャ。サイファはエンシェントエルフだったのかニャ。それなら納得がいくニャ。それと他にも神器はこの世界にあるのかニャ。」


ミリアがそう言う。


「ああ、あるらしいな。<闇切り裂き光り纏し剣>や<悪貫く光り瞬く弓>なんかもあるらしい。」


俺がそう言うと、


「それは何処に有るニャ。」


ミリアがそう聞く。


「<闇切り裂く光り纏し剣>はグランシャトーに伝わる宝剣らしい。<悪貫く光り瞬く弓>のありかはわからない。」


俺がそう言うと、


「解ったニャ。うちの聞きたいことは聞き終わったニャ。ありがとニャ。」


ミリアがそう言う。


「そういえば、フェネクスは町の死んだ者の魂を集めていたな。あれを持って帰られたのも痛いな。」


俺がそう言うと、


「え、そうですか。」


ユリーシャが突然そう言い、


「キョウヤさんスティーアがその魂は回収したといっています。」


ユリーシャがそう言う。


「うんそうか。それならば善悪の知識の樹の精霊が目覚めるのはまだ先になりそうだな。」


俺がそう言うと、


「それって如何いう事ですか、それにスティーアさんとは誰ですか。」


マイスがそう聞く。


「魂に宿る力を使い善悪の知識の樹の精霊を目覚めさせようとしている様だったからな。それとマイス達に言ってなかったな。ユリーシャの持つ杖は命の樹の枝で出来ていて、それに宿る精霊がスティーアと言うんだ。スティーアはユリーシャと契約していて、心の中で話が出来る。」


俺がそう言うと、


「そうなんですか。」


マイスがユリーシャにそう聞く。


「はいそうです。」


ユリーシャがそう答える。


「スティーアはどうやって魂から力を得るんだ。まさか魂喰いを行っているんじゃないだろうな。」


俺がそう言うと、


「うう、そんな事しないです。魂から力だけを抜き取って後はちゃんと星に返しますよ。」


ユリーシャの体を借りたスティーアがそう言う。


「悪い。そうかそれなら良いんだがな。」


俺がそう言うと、


「あの魂喰いってなんですか。」


マイスがそう聞く。


「魂喰いですか、それは魂を文字道理食べちゃう事です。本来、魂は星に帰りそして新たな命となって、この世界に生まれるんです。でも食われた魂は消滅してしまうため生まれ変われないんです。」


スティーアがそう言う。


「魂が減り続けるとその世界の調和が乱れいずれ滅びてしまう。」


俺がそう付け足す。


「大体解りました。」


マイスがそう言う。


「後は何か聞きたいことはあるか。」


俺がそう言うと、


「いえ、後は無いです。」


マイスがそう言う。


「僕も無いよ。」


リーファがそう言う。


後の者も何もないようなので今日はお開きにすることにした。


そしてサイファと紫苑を除き皆部屋から出て行った。


俺はもう少し眠ることにした。






次は漸くキシュウ湖へ向かいます。

説明ばかりで一向に物語が進みません。

こんな駄文を読んで下さる方に感謝です。

では又次週。

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