第九話 自己紹介と目的と
第九話 自己紹介と目的と
ユリーシャがスティーアと話すため精神世界に入ってしばらくした後、ミリアが目を覚まそうとしていた。
<SIDE:ミリア>
うニャ暖かいニャ。ふかふかだニャ。気持ちがいいニャ。
てっ、此処は何処ニャ、何でうちこんな豪華な宿のベッドで寝てるのニャ。
確かうちは、マイスの精霊魔法を防ぐために神聖魔法を使って、でも防ぎきれニャくて吹き飛ばされたんだニャ。あれ、その後の記憶がニャいニャ、という事は気を失ニャったのかニャ。
その後何があったのかニャ。うちらは、ほぼ無一文だしニャ。こんなとこに止まれるはずがニャいいし、マイスがうちを此処まで一人で運べるはずがニャいニャ。
じゃあ、うちは何で此処に居るニャ。
ま、まさかうちは売られたのかニャ。貞操のピンチなのかニャ。
逃げニャきゃ駄目ニャ。逃げニャきゃ駄目ニャ。逃げニャきゃ駄目ニャ。うちの貞操を守るためにも逃げニャきゃ駄目ニャ。
うちの荷物はあったニャ。急いで逃げるニャ。
うちが荷物を取りに行こうとすると突然扉が開いてマイスが入って来たニャ。
「あ、起きたんだミリア。どう体の具合は、酷く痛むところとかない。」
マイスがそう聞いてきたニャ。
「別に大丈夫ニャ。マイスうちのこと売ったのかニャ。」
冷静な口調でうちがそう聞いたニャ。
「は、売ったって何で僕がミリアを誰に売るのさ。」
マイスがそう答えたニャ。
「うニャ~。白々しいニャー、じゃあなんで無一文のうちらがこんな立派な宿に泊まれるニャ。マイスがうちを売ったからに決まってるニャー。」
うちが声を荒げそう言ったニャ。
「そんな訳あるかー。親切な人がミリアを此処まで運んでくれて、宿代も出してくれたんだよ。」
マイスがそう言うニャがうちは信じないニャ。
「今の世の中、そんな奇特な人が居る筈ないニャ。マイスの人でなし、マイスは人じゃなったニャ。じゃあマイスなんか羽虫で十分ニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「誰が何だって言ったのかな、かなカナ。」
マイスの雰囲気が急に変わったニャ。羽虫は拙かったみたいだニャ。ニャーいつの間にかマイスの身の丈よりも大きい鉈なんか持ってるニャ。
「マイス待つニャ。その鉈なんかで殴られたらうち今度こそほんとに死んじゃうニャー。」
うちがそう言うニャが、
「あはははははははは、鉈って何のことかな、かな。あははははははははははははははは。」
マイスは壊れたように笑いながらそう言ったニャ。
怖いニャ、怖すぎるニャ、誰か助けて欲しいニャ。
うちが後ずさりするとニャ、マイスもじりじりと詰め寄って来るニャ。
怖いニャ。ほんとに誰か助けてニャ。
「あはははははははは、痛いのは一瞬だからねミリア。バイバイ、あはははははははははは。」
マイスは笑いながらそう言い鉈を振り上げる。
振り下ろされる鉈がゆっくりに見えるニャ。うち死んだニャ。短い一生だったニャ。今までの事が脳裏によぎるニャ。ああ、此れが走馬灯ニャのニャね。さようならニャ。
そのような事を考えていたら突然パンと手を叩いた様な音が響いたニャ。
うち生きてるのかニャ、うち何をしてたんニャっけ。
あれ、確かマイスと言い合いしていて何時ものようにマイスを怒らせて、その後が思い出せニャいニャ。
「やりすぎだぞ。幻覚で何を見せたか知らないがあのままじゃ精神が死んでしまっていたぞ。」
知らない人間の男の人が不機嫌そうにそう言ったニャ。
「う、すいません余りにもミリアが変なことを言った物ですから、対頭に来てしまって・・・。」
マイスが縮こまってそう言ったニャ。
「マイス、このぶっきらぼうな優男は何ニャ。」
うちがそう言うとニャ、その男の足元にいる尾が三本ある白い狐の子から凄い殺気が飛んできたニャ。
「こら紫苑、駄目だぞ。」
その男がそう言うとニャ、
「クウゥ~。」
子狐は悲しそうに鳴いて、殺気を収めてくれたニャ。
うちはあまりの殺気に腰を抜かしてしまったニャ。
「ミリア、この人は宿代を出してくれた人の仲間で、気を失った君を此処まで運んでくれたんだよ。知らなかった事だと言っても失礼な物の言い方をしたんだよ君は。」
マイスがそう教えてくれたニャ。
「知らニャかったと言え失礼なことを言ってしまってすいませんニャ。」
うちは出来る限りの敬語で謝罪したニャ。
「別に気にしてないよ。それよりそちらの娘も起きたことだし皆を呼んで食事にしないか。」
その男の人がそういったニャ。
「うニャ、ご飯かニャ、すぐ行くニャー。」
うちがそう言うとニャ、
「ああ、俺は他の者を呼んでから行くから。先に食堂に行っててくれないか。」
男の人がそう言って、出て行ったニャ。
「それじゃあ、食堂に行こうか。」
マイスがそう言うニャが、
「ごめんニャ、腰が抜けて立てニャいニャ。」
うちがそう言うとニャ、マイスは苦笑いしていたニャ。
<SIDE:END>
<SIDE:恭夜>
妖精達の部屋を後にした俺は、自室にまず向かうことにした。
自室に着くと、
「如何でしたか。」
サイファがそう聞いてきた。
「ああ、あの妖精が獣人に幻術を掛けていた。」
俺がそう言うと、
「幻術をですか。」
サイファがそう聞き返す、
「ああ、かなりたちの悪い幻術を掛けて居たみたいだ。もう少し遅かったらあの獣人の精神は死んでいただろうからな。」
俺がそう答えると、
「幻術で人が殺せるのですか。」
サイファがそう聞く、
「殺せると言うより、勝手に掛かった方が死ぬと言う方が正しいんだがな。」
俺がそう言うと、
「如何いう事ですか。」
サイファは訳が解らないと聞き返す。
「幻術で殺すのは精神だ。精神が死ねば肉体も死ぬ。」
俺がそう答えると、
「よく解らないのですが。」
サイファがそう言う。
「火で熱した赤く焼けた鉄棒を見せた後、目隠しをし、冷めた鉄棒をそいつの体に押し当てたらどうなると思う。」
俺がそう聞くと、
「別になんともならないと思いますが。」
サイファがそう答える。
「普通に考えればそうなんだが、押し付けられた鉄棒が火で熱した赤く焼けた鉄棒だと思い込んでいた場合は火傷する。」
俺がそう言うと、
「え、如何いう事ですか。」
サイファは驚いてそう聞く、
「精神が火傷したと思いそれが肉体にも表れたという事だ。幻術も同じで殺されたと思えば肉体も同じように死ぬという事だ。」
俺がそう言うと、
「幻術とはそんなに恐ろしい物だったんですね。」
サイファがそう言う。
「一概にはそう言えないけどな。紫苑が昼に掛けた幻術は記憶操作で拙い記憶を消したりすることも出来るし、在りもしない記憶を捏造することも出来る。と、こんなことを話してる場合ではないな、獣人の娘が起きたから食事にしようと言ったんだった。俺はユリーシャ達を呼びに行くからサイファと紫苑は先に食堂へ行っててくれないか。」
俺がそう言うと、
「ええ解りました。」
「わかった。」
サイファと紫苑がそう言い、共に食堂へ行く。
俺はユリーシャ達の部屋へ向かう。
ユリーシャ達の部屋の前まで来た俺は、扉をノックすると、
「鍵は開いているよ。」
リーファが扉の向こうからそう言った。
俺は扉を開け中に入り、
「獣人の娘が起きたから食事にしないかと誘いに来たんだがユリーシャは何しているんだ。」
俺がそう言うと、
「うん、ユリーシャはスティーアと話があるらしくて精神世界に言ってるんだよ。」
リーファがそう教えてくれた。
「そうか、他の皆は先に食堂の方へ行ってるんだがどうしようか。」
俺がそう聞くと、
「キョウヤは先に食堂へ行って、僕はユリーシャがこっちに戻ってくるまで待ってるから。」
リーファがそう言う。
「解った。それじゃあ先に食堂へ行っているな。」
俺はそう言い、ユリーシャ達の部屋を後にし、食堂へ向かった。
食堂を見渡すとサイファと紫苑はいたが妖精と獣人の姿が見当たらない。
とりあえず俺はサイファの居るテーブルへ向かい声を掛ける。
「妖精たちもまだ来てないのか。」
おれがそういい、席に着くと、
「その様ですね。何かあったのでしょうか。」
サイファがそう言う。
「そういえば紫苑が獣人に殺気を飛ばして腰を抜かさせていたな。そのせいでしばらく立てないのかもしれないな。」
俺がそう言うと、
「その獣人は何をしたのですか。」
サイファは冷や汗をかきながらそう聞く。
「たいした事はしてないぞ。ただ、紫苑が俺の悪口を言われたと思って軽く殺気を飛ばしたんだよ。」
俺がそう言うと、
「シオンさんのいる前ではキョウヤさんの悪口は言わない方がいいみたいですね。」
サイファがそう言う。
「紫苑が居なかったら俺の悪口を言うのか。」
俺がそう言うと、
「い、いえ決してそう言う意味で言ったわけではありませんのでシオンさん睨まないで下さい。」
紫苑に睨まれ取り乱しながらサイファはそう言った。
「あははあは、冗談だよサイファ。だから紫苑ももう睨まないでいいぞ。」
俺が笑いながらそう言うと、紫苑は、
「クウゥー。」
と鳴き俺の膝の上に飛び乗る。
「酷いですよキョウヤさん。」
サイファは苦笑いしながらそう言う。
「ははは、悪い悪い。」
俺が軽くそう言うと、
「なんだか楽しそうだねキョウヤ。」
リーファが此方に来てそう言う。
「ああ、ちょっと紫苑と一緒にサイファをからかっていてからな。」
俺がそう言うと、
「ふーん。兄さん又なにか失言したんでしょう。」
リーファはサイファにそう言う。
「な、そ、そんな、そんな訳無いですよ。」
サイファは図星を指された事から取り乱してそう答えた。
「その態度で、ばればれだぞサイファ。」
俺がそう言うと、
「何を言ったのかなー。」
リーファはにやにやしながらサイファにそう聞く。
「う、そ、それは。」
サイファはリーファの態度に引きながらしろどもどろに言いよどんでいる。
其処に、
「遅くなってしまってすいません。ほらミリアも謝って。」
妖精がそう言う。
「うニャ。遅くなってごめんニャ。」
獣人が妖精に促されそう言う。
「ああ、別に構わないさ。ユリーシャ達も先ほど来たところだしな。」
俺がそう言うと、
「ええ、此れで皆さんがそろいましたし自己紹介しましょうか。」
ユリーシャがそう言うが、
「その前に注文を先に済まさないか。」
俺はそう言い、ウエイトレスを呼ぶ。
「あ、はーい。今伺います。」
ウエイトレスはそう言い、此方に来る。
「申し訳ありませんがただいま食材が不足しておりましてメニューが二つのコースメニューのみとなっております。」
ウエイトレスが申し訳なさそうにそう言う。
「まあこんな情勢じゃしょうがないな。俺は肉料理のコースにするな。」
俺がそう言うと、
「では私は魚のコースでお願いします。」
サイファがそう言う。
「僕も魚のコースで。」
リーファが続けてそう言う。
「うちも魚がいいニャ。」
獣人がそう言う。
「あ、こらミリア。あの僕達もご馳走になってもいいんでしょうか。」
妖精がそう聞く。
「ええ、構いませんよ。どうぞ食べたい方を頼んでください。」
ユリーシャがそう答える。
「ありがとう御座います。ではお肉のコースでお願いします。」
妖精がそう言う。
「私もお肉のコースでお願いします。」
ユリーシャがそう言う。
「あと、こいつ様に焼き魚を三尾ほど頼みたいんだがいいか。」
俺の膝の上に乗っかっている紫苑を指差しながらがそう言うと、
「あ、はい、承りました。注文は以上で構いませんか。」
ウエイトレスがそう聞く。
「ああ、以上だ。」
俺がそう言うと、
「ではご注文を確認させて頂きます。お肉のコースが三人前と魚のコースも三人前と焼き魚が三尾でお間違いはありませんか。」
ウエイトレスがそう聞く。
「ああ、間違いない。」
俺がそう答えると、
「では、しばらくお待ちください。」
ウエイトレスがそう言い、下がる。
「では、注文も終わりましたし自己紹介をしましょう。私はユリーシア・S・エルドライドと申します。私の事はユリーシャと呼んで下さい。私の旅の目的は魔王を倒し、このエデンに平和を取り戻すことです。」
ユリーシャはそう言う。
「次は、僕ね。僕はリーファス・F・クリシュナだよ。リーファって呼んでね。兄さんと一緒に旅をしている時にユリーシャに助けられて僕達の目的にも通じるところがあるから一緒に旅をすることにしたんだ。」
リーファがそう言う。
「私がリーファの兄で、サイファス・N・クリシュナです。私を呼ぶときはサイファでお願いします。私達兄弟の目的は、魔王の配下の者に奪われた物を取り返すことです。」
サイファがそう言う。
「次は俺だな。俺は御影 恭夜。此方の世界で言うと、キョウヤ・ミカゲになるのかな。それとこっちが紫苑だ。俺達は異世界よりこの世界に来たものだ。なぜ、何者によってこの世界に召喚されたのかは解らない。白い光とエデンの力に包まれて気が付いたら、中央神殿の地下の壁画の間、封印の間?まあその様なところに居た訳だ。其処にユリーシャ達が来てから共に旅をするようになった。」
俺がそう言うと、
「なんだか信じられないような話なんですけど、まあ確かにこの世界に存在しないはずの黒と白を持つものなんですからそれも在り得るのかなと思っておきます。僕はマイリノス・M・マクスエルと申します。どうぞ僕のことはマイスと呼んでください。」
マイスがそう言う。
「うちはミリアミア・K・マグロイアというニャ。ミリアと呼ぶニャ。よろしくニャ。」
ミリアがそう言う。
「僕達の旅の目的は魔王の配下に奪われた世界の鍵を取り戻すことです。」
マイスがそう言うと其処に料理を持って、ウエイトレスが来た。
「話は一時止めて食事にしよう。」
俺がそう言うと、
「そうですね。お話の続きは食事が終わってからにしましょう。」
ユリーシャがそう言い、皆で食事を始めた。
食事が終わり。食堂を後にした俺達は、ユリーシャの部屋に集まり先ほどの話の続きを話し始めた。
「世界の鍵とは何なのですか。」
サイファがそう聞く。
「世界の鍵っていうのはエデンの意思へ通じる扉を開く鍵のことです。」
マイスがそう答える。
「魔王は着実にエデンの意思に接触する準備を進めているというわけですか。」
サイファはそう言う。
「え、それは如何いう事ですか。」
マイスがそう聞く。
「私の集落から奪われた物は禁断の樹の枝です。此れは、エデンの意思を制御するために必要な物の一つだそうです。私達はそれを取り返さなければ成らないのですが、今の私達では上級悪魔には太刀打ちできないそうなので、そのために神器を探さなければならないのです。」
サイファがそう言う。
「上級悪魔ですか。僕達の集落を襲ったのもそうなのかな。」
マイスがそう言う。
「その悪魔は名乗らなかったのか。」
俺がそう聞くと、
「名乗ったニャ。たしかセブンが一柱、嫉妬のレヴィアタンと名乗っていたニャ。」
ミリアがそう答える。
「また、セブンですか。キョウヤさんレヴィアタンについて知りたいのですがお願いできますか。」
サイファがそう言う。
「レヴィアタン又はリヴァイアサンとも呼ばれるもので階級は最高位から三番目の魔神で本来の姿は長大な海蛇のような姿をしている。その体を覆う鱗はいかなる武器も通さず、口から火を吐き鼻からは常に煙を吹いている。又悪魔としての姿を持ちこのときのレヴィアタンはいかなる退魔術も効かない者といわれている。俺が知っているのはこの程度だ。」
俺がそう言うと、
「ありがとう御座います。私達の集落を襲った者もセブンが一柱、色欲のアスモデウスと名乗っていました。このアスモデウスは、剣の公爵とも呼ばれているそうで剣に絶対の自信があるのでしょう。」
サイファがそう言う。
「魔王はそのセブンの誰かなのかな。」
マイスがそう聞く。
「その可能性も有るが俺は違うと思っている。一番可能性が高いのは始まりの人であるアダムの直系の子孫で、アダムの知識を受け継いだ者だと思う。」
俺がそう言うと、
「それはなぜですか。」
サイファがそう問う。
「悪魔は自身の力に絶対の自信を持っているから他から力を得ようとすることは無いからだ。ならば他の可能性があるとすれば、この世界のことを知っていてその力を得ようとするものは限られてくる。さすがにアダムは永遠の命を失ったから生きては居ないだろう。そうすると残るはアダムの知識を得たものという事になる。」
俺がそう言うと、
「それで、始まりの人の直系の者という説が出て来るのですね。」
サイファがそう言う。
「ああ、そうだそれで魔王の目的は神殺しだろうな。人を創り出し人に絶望を与えた者だから復讐かなんかだろう。」
俺がそう言うと、
「ちょっと待って下さい。それは如何いう事ですか。」
マイスは声を張り上げてそう問う。
「神は人を創った後に命の樹と善悪の知識の樹を創った。そして善悪の知識の樹の実以外は自由に食べて構わないといった。だが決して善悪の知識の樹の実だけは食べてはいけないといった。ならばなぜ食べてはいけない樹を創ったんだ。」
俺がそう言うと。
「それは解りません。」
マイスがそう言う。
「続けるぞ。始まりの女イヴはしゃべる蛇に唆されその実を夫と共に食べる。それを知った神は怒り二人をエデンより追放した。その後に善悪の知識の樹を消した。この樹はエデンには必要無かったことからここでもわかるよな。」
俺がそう言うと、
「貴方はこう言いたいのですか、神は始まりの人にその善悪の知識の樹の実を食べさせるために創ったと。そう言いたいのですか。」
マイスはそう言う。
「ああ、その通りだ。神は人に善悪の知識の樹の実を食べさし原罪を植えつけた。そしてその後に原罪を持たないエンシェントエルフという種族を創り、いずれこの世界に悪意を持ったものが遣って来るといい、神器<罪焼き尽くす断罪の焔剣>をその種族に預けた。その神器は使い手の罪すら焼き尽くす。それゆえにその種族以外は使えない。天使を除いてはな。」
俺がそう言うと、
「つまりこれは神が全てを仕組んだことだと貴方は言いたいのですか。」
マイスはそう言う。
「そうだ。神の目的までは解らないが、これは神が仕組んだことだろう。」
俺がそう言うと、
「馬鹿げてる、そのようなことがあるはずがありません。助けて頂いたことは感謝しますがあなた方と話すことはもうありません今日はもう休ませていただきます。行こうミリア。」
マイスはそう言い、部屋から出て行った。
「うニャ。待つニャ、うちも此れで失礼するニャ。」
ミリアもそう言って、出て行った。
「はあ、怒らせてしまったか。」
俺がそう言うと、
「先ほどのことは本当なのですか。」
サイファがそう聞く。
「そうだな。確率はかなり高いと思うぞ。上位の悪魔なら魔王の最終目的も知っているだろうし次ぎあったときにでも聞いてみるか。」
俺がそう言うと、
「キョウヤさん私は短い付き合いですがあなたの事は信用も信頼もしています。ですがこの世界の者に神を悪く言うのは止めたほうがいいです。この世界の者達は神を絶対的なものとして捕らえていますから。そのようなことを言えば殺されても文句は言えませんよ。」
サイファがそう言う。
「忠告は受け取るけど活かせそうも無いな。この世界は神の力よりエデンの力のほうが上位に感じるのだけど他の皆は違うのか。」
俺がそう尋ねると、
「エデンの力ですか。そうですね身近にありすぎて今まで気にしたことがありませんでし。」
ユリーシャがそう言う。
「私もそうですね。旅に出てエデンに意思があるなんて始めて知りましたから。」
サイファがそう言う。
「そうだよね、僕達が知っていることなんて殆ど無いんだよね。キョウヤに聞くまで始まりの人の名前とか神の名前なんかも知らなかったわけだから。」
リーファがそう言う。
「だから旅を続ければ見えてくるのかも知れないね、このエデンの秘密がさ。」
更にリーファがそう言う。
「今はあの人たちも解らない事だらけなのでしょうけど旅を続けていけば見えてくるものもあるのでしょうね。そのときもう一度話し合えば解ってくれるかもしれませんね。」
ユリーシャがそう言う。
「今日はもう遅いから休むか、それで明日は街で情報収集だな。」
俺がそう言うと、
「そうですね、今は自分達が出来る事からしていきましょう。」
サイファがそう言う。
「そうですね。明日から又がんばりましょう。」
ユリーシャがそう言いう。
そして今日は此れで解散となった。
<SIDE:END>
<SIDE:ミリア>
うちらはあの後、自室に戻って来たニャがマイスが不機嫌で話し掛け難いニャ、でも話さないとこのままニャと情報が手に入らないニャ。あの人達からなら、うちらに必要な情報も持っていそうニャ。
「うニャ、マイス少し話があるニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「五月蝿いな。話なら明日にしてくれないか。」
マイスは鬱陶しそうにそう言ったニャ。
「今じゃニャきゃ駄目ニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「解ったよ、で、何。」
マイスが不機嫌そうにそう言ったニャ。
「うちは、あの人達からもう少し話を聞きたいニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「は、あんな失礼な人と話すことなんか無いよ。」
マイスがそう言ったニャ。
「キョウヤという人は異世界から来たのニャ、ニャらこの世界の神について知らないからあんなことを言ったんだと思うニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「確かにそれも有るかも知れないね。でも、あの人達から何を聞けというんだい。」
マイスはそう言ったニャ。
「うちらは悪魔について殆ど何も知らないニャ。でもキョウヤはセブンについて知っていたニャ、なら悪魔という種族についても何かしらのことを知っていると思うニャ。」
うちがそう言うとニャ。
「なるほど、確かに此れから先悪魔と戦うことが多くなるから知っているほうがいいという訳だね。」
マイスがそう言ったニャ。
「そうニャ。それに神器についてもうちは気に成るニャ。キョウヤはエンシェントエルフに<罪焼き尽くす断罪の焔剣>だったかニャ。どうして其処でこの固有名詞が出できたんニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「え、それは。まさか、サイファさんとリーファさんがそのエンシェントエルフでその神器を持っているとミリアは言いたいのかい。」
マイスはそういったニャ。
「そうニャ、じゃニャかったらその固有名詞は出てこないと思うニャ。それに他にも神器は在るようニャ事も言ってたニャ。」
うちがそうと言うニャ。
「なるほど。あの人達は他の神器の在る場所も把握している可能性が高いと言いたい訳だね。」
マイスがそう言ったニャ。
「そうニャ。だからうちはもう一度あの人達と話し合う必要があると思うニャ。」
うちがそう言うとニャ。
「確かに僕達に必要な情報をあの人達、特にキョウヤさんが持っているようだしね。もう一度話してみるよ。けど、今日はもう遅いから明日にしよう。」
マイスがそういったニャ。
「何時もの冷静ニャマイスに戻ってくれて良かったニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「ははは、そうだね僕は冷静な判断が出来ていなかったね。まさかミリアに諭さされる日が来るとは思わなかったよ。たまにミリアは凄いよね。」
マイスが笑いながらそう言ったニャ。
「最後の一言は余計ニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「ははは、ごめんごめん。ありがとうミリア。お休み。」
マイスはそう言ったニャ。
「如何いたしましてニャ。マイス、お休みニャ。」
うちはそう言ってニャ、ベッドに移動し眠りに付いたニャ。
何とか一週間以内に書き上げることが出来ました。
次話も出来れば此れぐらいで書き上げたいものです。
では次話もよろしくお願いします