第八話 新たな出会い
第八話 新たな出会い
恭夜達が宿場町に着く少し前。
その町に来ていた猫の獣人と妖精は今日の宿泊先を探すために二手に分かれて安宿を探していた。
<SIDE:????>
うちは今、今日の宿を探しているんニャけど、お腹が空いて探す気がおきニャいニャ。
あ、あっちからいい臭いがするニャ。たまらニャいニャ。
「いらっしゃい、譲ちゃん。」
屋台のおっちゃんがそう言うニャ。
「一本おくれニャ。」
うちはそう言い、お金を払い焼き鳥を一本貰ったニャ。
「それじゃ食べるニャ。」
うちはそう言い、焼き鳥に齧り付くニャ。
「ウニャ~。美味いニャ。おっちゃんもう一本おくれニャ。」
うちはそう言い、お金を払い焼き鳥をもう一本貰い齧り付くニャ。
「ウニャ~、やっぱり美味いニャ。」
買った焼き鳥を食べて、うちはそう言ったニャ。
でも此れだけじゃ足りないニャ。
うちは気が付くと焼き鳥を八本も食べていたニャ。
どうしようニャ。宿代を全部使っちゃたニャ。
マイスにどう言い訳するか考えないといけないニャ。
下手な言い訳をしたら殺されるかもしれないニャ。
此処は正直に話したほうがいいのかニャ。
うちはそう考えながら待ち合わせの場所に向かったニャ。
「ミリア、宿は見つかったかい。」
マイスがそう言ってきたニャ。
「み、見つかってないニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「そっか、しょうがない今度は一緒に宿を捜しに行こう。」
マイスがそう言うニャ。
「マイス、怒らずに聞いて欲しいニャ。実はお金全部使っちゃたニャ。」
うちは恐る恐るそう言うと、
「へえ、何に使ったのかな。」
マイスはにこやかにそう言ったニャ。でも、目は笑って無いニャそれに米神には青筋が浮かんでるニャ。
凄く怒ってるニャ、怖いニャ。
「お腹が減って我慢できなくなって焼き鳥を買っちゃたニャ。」
うちがそう言うとニャ、
「ふ、ふ、ふ、ふ、それで何本買って食べたのかな。」
マイスは小刻みに震えながらそう聞いてきたニャ。
凄く怖いニャ、でも答え無いと問答無用に魔法が飛んでくるニャ。
嫌ニャ、死にたくないニャ。
「は、八本ニャ。」
うちは怯えながらそう答えたニャ。
「僕だってお腹が空いているんだよ。それなのに君は宿も探さずに腹ごしらえとはいご身分だね。」
マイスは口調こそ丁寧だけど怒気を多分に含んだ言葉が飛んできたニャ。
「う、うちも、そ、そんなに食べる心算はな、無かったんニャ。」
うちはしどろもどろに成りながらもそう言ったニャ。
「この馬鹿猫はなにをやってるんだー。」
マイスは怒鳴り声と共に魔力をうちに叩き付けてきたニャ。
「ウニャァ~、馬鹿猫って言うニャー。」
うちは条件反射でそう言い返してしまったニャ。
「君は毎度毎度、僕をどれだけ困らせたら気が済むんだい。」
マイスは一旦言うのを其処で区切り、
「いっぺん頭冷やそうか。」
マイスは冷徹な声音でそう言ったニャ。
マイスから強大な魔力が感じられるニャ。本当にやばいニャ。
「ま、待つニャ、は、話せば解るニャ。だ、だから魔法はや、止めて欲しいニャー。」
うちは大いに取り乱しながらそう言ったニャ、でもマイスは聞いてくれなかったニャ。
「風と火の精霊よ、僕の命に従い僕の手に集え、レイブラスト。」
マイスはそう唱えると、一条の熱線がうちに襲いかかるニャ。
「死にたくないニャ。エデンよ力を貸すニャ。うちの守りとなれシェル。」
薄い光の膜がうちを包むニャ。
シェルとレイブラストがぶつかりドゴーンと爆音が上ったニャ。
シェルはレイブラストとぶつかり消失して、其処に爆風が押し寄せうちを吹き飛ばしたニャ。
「ウニャァァァァァァァーーーーー。」
うちは絶叫しながら飛んで行き木に激突して気を失ったニャ
<SIDE:END>
<SIDE:ユリーシャ>
え、いまあの人は精霊魔法で神聖魔法を相殺しましたよね。
(すごいすごいです~。あの妖精さん精霊を完全に支配下に置いてます~。)
スティーアが興奮しながら私に念話でそう伝えてきました。
(ごめんなさいスティーア、今はあなたと話している時間はないの。早くあの獣人の手当てをしなければいけませんから。後であなたの話は聞かせてもらいますね。)
私はそう念話でそう伝えると、
(絶対ですよ。)
スティーアがそう念を押してくきます。
(ええ、後ほど必ず聞きますよ。)
私はそう答え気を失っている獣人の元へ行き、怪我の具合を確認しました。
良かった、たいした怪我はしていないようですね。
「えっと、ちょっとやりすぎたかな。」
妖精の人がこちらにこられ、そう言いました。
「ですが怪我はたいした事ないですよ。この程度ならすぐ直りますよ。」
私がそう言うと、
「そうですか、それで貴女は。」
妖精の人がそう言う。
「自己紹介は後ほどにして今はこの人を宿へ運びませんか。」
私がそう言いうと、
「宿ですか、でもお金が・・・。」
妖精の人がそう言いよどむ。
「お金のことなら気にしないでも構いませんよ。」
私がそう言うと、
「でも、さすがにそこまでして頂く訳には。」
妖精の人がそう言ったとき、
「獣人の様子はどうだ。怪我とかは大丈夫か。」
キョウヤさんが此方に来られてそう聞かれました。
「はい、怪我はたいした事はありません。ただ木に体を強くぶつけたみたいで気を失っています。」
私はキョウヤさんにそう答えました。
「そうか、とりあえず馬車に運ぼうか、それから宿へ行くか。」
キョウヤさんはそう言われ、獣人を抱き上げ馬車へ向かいました。
キョウヤさんが獣人を寝かせたところでサイファさん達が私の馬車にやってきました。
「キョウヤさんは先ほどの場所でシオンさんと何をしていたのですか。」
サイファさんがそう聞くと、
「あのままにして置くと騒ぎになると思って、あそこに集まっていた人々に紫苑に手伝って貰って幻術をかけていたんだ。」
キョウヤさんがそう答えました。
「そうですか、でもどのような幻術を掛けたのですか。」
サイファさんが更にそう聞きます。
「ああ、此処では何も無かったと思わせる幻術をかけた。」
キョウヤさんがそう答えました。
「ちょ、ちょっと待って下さい。あった事を無かった事にしてしまえるような幻術を貴方は扱えるのですか。」
妖精の人がそう聞きます。
「俺じゃなくて、紫苑が使えるんだよ。紫苑は質量を伴なった幻術まで扱えるからな、此れぐらいなら簡単にやってのけるさ。」
キョウヤさんの説明を聞いて妖精の人は絶句してしまいました。
私は幻術は詳しくないのでよく解りませんが妖精の人の反応を見る限り凄いことなのでしょう。
「それより早く宿へ行かないか、此の侭此処で話しているのもなんだし。」
キョウヤさんがそう言い、シェロに宿の方へ行くように言いました。
そして宿に着き、部屋を取る事にしたのですが何部屋取ればいいのでしょうか、
「キョウヤさん、幾つ部屋を取ればいいのですか。」
私がキョウヤさんにそう聞くと、
「三部屋取ればいいよ。俺とサイファで一部屋、ユリーシャとリーファでもう一部屋、最後に妖精と獣人で一部屋で三部屋だ。」
キョウヤさんがそう答えました。
「解りました。では三部屋取りますね。」
私はそう言い、宿の受付に行きさん部屋取りました。
部屋の鍵をキョウヤさんに渡して、獣人を部屋に連れて行きベットに寝かせて、
「こんないい宿に部屋を取って下さったばかりかミリアまで運んで下さってありがとう御座います。」
妖精の人がそう言い、深々と私たちに頭を下げました。
「お気になさらないで下さい。私が好きでしたことですから。」
私はそう言い、次にキョウヤさんが、
「ユリーシャもそう言っているし、気にするなよ、それと今はその娘に付いていて居る方がいいだろう。その娘が起きたら自己紹介を兼ねて皆で食事にしよう。」
とそう言われました。
「解りました。本当にありがとう御座います。」
妖精の人が再び礼を言い、私達はその部屋を後にし、自分達に当てられた部屋に向かいました。
私は部屋に着くと、
「リーファさんすいませんが私は今からスティーアがお話が在るそうなので行って来ます。」
私はそう言い精神を杖に集中し、スティーアの居る世界に落ちます。
「来て下ったのですねユリーシャ。」
私が目を開けるとそうそうにスティーアがそう言いました。
「後でお話を聞く約束をしていましたから。」
私がそう言いますと、
「ええ、話とは先ほどの妖精の方が使われた精霊魔法についてです。」
スティーアがそう言います。
「スティーア、先ほどは随分口調が違うようでしたがあれがスティーアの本当の話し方なのではありませんか。」
私がそう聞くと、
「そうですよ。あれがが私の本当の話し方ですよ。威厳も何もない幼いしゃべり方なら貴女方に信用して戴けないと思いましたのでこのような話し方をするように心がけてはいたのですが、興奮したりすると元の話し方に戻ってしまうのです。」
スティーアはそう言い、落ち込んでしまいました。
「そんな事はないですよ。元の話し方のほうが親しみ易いですし、可愛いと思いますよ。」
私がそう言いますと、
「本当ですか、嘘なら私泣いちゃいますよ。」
スティーアはそう言い、涙目で私を見つめてきました。
「本当ですよ、ですからこれからは普通に話して下さいね。」
私がそう言いますと、
「解りました~。嬉しいですぅ~。」
満面の笑顔でスティーアはそう言いました。
「えっと、本題は何でしたか。」
私がそう言いますと、
「あ、そうでした~。妖精の方が使った精霊魔法についてお話があったんでした~。」
スティーアはそう言い、話を始めました。
「あの妖精の方が使った精霊魔法は精霊を完全に支配下に置いていました~。それにより本来なら無理な二つ以上の精霊の掛け合わせなんかも出来た訳なんです~。」
スティーアがそう言いました。
「精霊を完全に制御しているという事はあの人は悪魔にも精霊魔法で対抗できるという事ですか。」
私がそう聞くと、
「はいです~。精霊を支配下に置いているという事は精霊にかなり無茶な事をさせることが出来るようになるんです~」
スティーアはそう答えました。
「無茶な事とは異なる精霊の駆け合わせの様な事ですか。」
私は更にそう聞くと、
「そうです~。異なる精霊の掛け合わせでも火と水や風と土といった反属性に当るものの掛け合わせはさすがに無理です~。」
スティーアはそう答えました。
「ユリーシャには出来ればあの人達を仲間に誘って欲しいのです~。」
スティーアは更にそう言いました。
「そうですねあの人達が仲間に加われば悪魔との戦いも少しは楽に成るかもしれませんね。解りましたあの人達を誘ってみます。」
私がそう言いますと、
「はい、お願いしま~す。後、シオンさんとキョウヤさんは何者なのですか~。シオンさんはこの前あの世界に連れて来ようと精神に接触した時殺されるかと思いました~。キョウヤさんは人だと思うのですが、魂の奥底に人とは明らかに違うなんだか解らない物が混じってます~。」
スティーアはそう言いました。
「え、魂に人以外の何かが混じって居るのですか。私はキョウヤさんの事は殆ど何も知らないのです。シオンさんは力の大半を封印されているそうです。私が知って居るのは此れぐらいです。」
私がそう言いますと、
「そうですか、解りました~。あ、誰かがユリーシャを呼んでますよそろそろあちらに戻った方がよさそうですよ。また何かあったら念話で話しかけます~。」
スティーアそう言い、私を送り返してくれました。
「あ、ユリーシャ、やっと戻って来たんだ。獣人の娘が起きたから食堂に来て欲しいってキョウヤが伝えにきたよ。」
リーファさんがそう言いました。
「すいません、私が戻って来るまで待っていてくれたんですね。ありがとう御座います。」
私がそう言いますと、
「うん、と言ってもキョウヤが来たのはほんのちょっと前なんだけどね。それでも待たせちゃ悪いから食堂に早く行こう。」
リーファさんがそう言い、私の返事を待たずに部屋から出て行きました。
「待って下さいよリーファさん。」
私はそう言い、慌ててリーファさんを追いました。
投稿が随分遅れてしまいすいません。
次の話からは七日から十日以内に投稿できるようにします。
こんな作者と駄文ですが此れからも見捨てずに付き合ってくれれば幸いです。
ではまた次話でお会いしましょう。