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第六話 命の樹の分霊

     第六話  命の樹の分霊



クリシュナ大神殿が不思議な光に包まれる。


ユリーシャの杖が三十にもなる光を吸い込んで、ユリーシャが倒れ、杖が益々光を放つ。


眩しい光ではなく、淡い優しい光が杖から溢れ出す。


その光りに触れた恭夜達もその場で気を失う。




<SIDE:ユリーシャ>


此処は何処なのでしょうか。


真っ白な霧の中に居るようです。まるで厚い雲のような霧で伸ばした手の先も霞んでしまいます。


私は何をしていたのでしょうか。私は確か・・・。


そうです。私はキョウヤサン達と戦士のお墓を造り黙祷を捧げていたはずです。


なのになぜこの様な所に居るのでしょうか。


突然一陣の突風が吹き抜けていきました。


「キャ。」


私は驚き短い悲鳴を上げて、目を閉じました。


次に目を開けると、霧が晴れていました。


そして、其処には大きな樹が一本生えていました。


その樹の幹には上半身だけ樹から生えているような状態の女性がいました。


その女性は十二歳ぐらいのの少女の姿で服は着ておらず、髪は金糸の様にキラキラと輝いていました。顔は美しく整い同じ女性の私から見ても見惚れてしまいそうな可愛らしさです。ですがその方の瞳は深く閉じ。何かに集中しているようです。


私はどうしていいか解らず、ただ其処でじっとこの方を見ていることしか出来ませんでした。


そうしていると、その少女の胸元に光が集まり突然拡散しました。


私は光を見続けていたために目が眩み倒れそうになった所を誰かが、


「大丈夫か。ユリーシャ。」


と言い抱きとめて下さいました。


「ありがとう御座います。」


私はそうお礼を言って振り向いたら、


「え、キョ、キョウヤさん。ど、どうして此処に居るんですか。」


私は予想外な人の顔が間近にあったために取り乱してしまいました。


うう、とても恥ずかしいです。顔が熱くなってなってます。


「いや、俺も良く解らないんだけれどもな、ユリーシャの持っている杖から光があふれ出し気が付いたら此処に居て、ユリーシャが倒れそうだったから抱きとめたんだ。ん、ユリーシャ顔が赤いけどほんとに大丈夫か。」


キョウヤさんがそう言い、更に私に顔を近づける。


「だ、大丈夫でひゅっ。」


私は余りの恥ずかしさにどもり、舌を噛んでしまいました。


そのせいで顔が益々熱くなってしまいました。


キョウヤさんの手が私の額に当てられ、


「やっぱり、少し熱いな。今日の無茶が今頃来たのかな。」


キョウヤさんがそう言いますが、違います。こうなったのはキョウヤさんのせいです。と言いたいけど言えない私。


「あははははは・・・・・・。駄目お腹痛い。まさかこんな所で、ラブコメが見れるなんて。はー苦しい。」


リーファさんの突然の笑い声で私は、咄嗟にキョウヤさんから離れ、


「リーファさん何時から見てたんですか。」


私が少し凄んで言うと、


「キョウヤがユリーシャを抱きとめるところからだよ。」


リーファさんはしれっとそう言いました。


「てっ、始めからじゃないですか。居るのならもっと早くに声を掛けてくださいよ。」


私がそう言いますと、


「えー、嫌よ、こんな面白いもの滅多に見れないじゃない。」


リーファさんはそう言い、あはははと笑いました。


サイファさんも笑いを必死に堪えています。キョウヤさんはラブコメと言い首を傾げています。


何か無性に泣きたくなってきました。


「あのう、私の話も聞いて下さい。皆さんをお喚びしたのは私なのですよ。」


という声が掛けられて、漸く私が何処に居るのか思い出しました。


「すいません。余りの事なので、すっかり忘れていました。」


私がそう言いますと、


「う、酷いです。私泣いちゃいますよ。」


そう言い本当に泣きそうな顔をする。


「あー、悪かった。だから泣かないでくれ。な。」


キョウヤさんがそう言い、優しく笑い掛けながら、その少女の頭を撫でる。


「泣かないで~す。だからもう少し頭撫でて欲しいです~。」


その少女は甘い声でそう言いました。それを聞いた私はなんだか無性に腹が立ってきました。


「そんな事より、お話があって私達を喚んだんですよね。早く話して私達を還してくれませんか。」


私は少し怒気を孕んでそう言いました。


「このお姉ちゃん怖いです~。」


少女がそう言い、キョウヤさんに甘えようとするのを私は睨んで止める。


サイファさんとリーファさんが引いているのは気のせいですよね。ええ、気にしないことにしましょう。

「早速ですが、本題に入って貰えませんか。」


私がそう言いますと、しぶしぶ少女は話し始めました。


「まず私の存在ですが、私は元々命の樹に宿っていた意思の欠片で、今はユリーシャさんの持つ命の樹の枝に宿っている者です。」


少女はそう言いました。


「意思の欠片とはどういう事ですか。」


サイファさんがそう聞きました。


「私の本体は、命の樹です。今の私の姿を見てもらえば解ると思いますが少女の姿をしています。ですが本体が在った頃の私は大人の姿でした。私はもうすでに本体から独立した存在でもありますが、本体がもっていた力と記憶の大半が私にはありません。ですから本体からしたら私は意志の欠片ということになるのです。」


そう少女が答えましたが、私は全く意味が解りませんでした。


「そういう事なら、命の樹の精霊の分霊と考えていいのか。」


キョウヤさんがそう言いました。


「あ、はい厳密には私は精霊ではないのですが分霊というのが今の私を現すには一番近いですね。」


少女がそう言います。


「あの、分霊ってなんですか。」


私はキョウヤさんにそう聞きました。


「分霊というのは、神霊が自身の体や力の一部を切り離して二つ以上に分ける事をいうんだ。解り難かったら花や木の株分けと同じだと思ってくれればいいよ。」


キョウヤさんがそう教えて下さいました。


「次にこの場所ですが、此処は夢の中です。皆さんには眠っていただいて精神をリンクして皆さんに同じ夢を見てもらっているのです。」


少女がそう言いました。


「あれ、そういえばシオンがいないね。」


リーファさんがそう言いました。


「喚ぼうと思ってリンクしたのですが、あんなのが出て来るとは思いませんでした。殺されると思いリンクを切ってしまいましたので此処にはいないのです。」


少女は震えながらそう言いました。


「表層意識の紫苑ではなく深層意識に封じられている方にリンクを繋いでしまったんだろうな、あれが此処にきたら俺を含め全員殺されるだろうな。」


キョウヤさんがそう言いました。


「え、どうしてシオンさんがキョウヤさんを殺すのですか。」


私はとても信じられなくてそう聞きました。


「深層意識のあいつは理性が無いためその世界が滅ぶまで暴れ続けるからだ。」


キョウヤさんが厳しい顔をしながらそう答えました。


「シオンさんの事は置いておいて今は其方の方の話を聞きませんか。」


サイファさんがそう言いました。


「ああ、そうだな。」


キョウヤさんがそう答えました。


「では、まずこの世界での魔王の目的をお話します。魔王の目的はこの世界エデンの力を手に入れることです。」


少女はそう言いました。


「エデンの力を奪われたらこの世界はどうなるのですか。」


サイファさんがそう聞きます。


「火は弱まり、風は止み、水は澱み、土は腐り世界はいずれ滅びるでしょう。」


少女はそう答えました。


「な、では早く魔王を倒さなければ。」


サイファさんが驚き、そう言いました。


「なりません。今のあなた方では魔王はおろか公爵にも太刀打ちできないでしょう。ですからまずは、世界各地にある神器を探して下さい。」


少女がそう言いました。


「神器ですか。それは<罪焼き尽くす断罪の焔剣>のようなものが他にもあるのですか。」


私がそう聞きました。


「はい、あります。有名何処頃で言いますと、グランシャトー王家に伝わる<闇切り裂く光り纏し剣>があります。他には<悪貫く光り瞬く弓>なんかもあります。他にも幾つかの神器が存在しています。」


少女がそう言いました。


「ですが、神器を探している間に魔王がエデンの力を手にしたら終わりなのではないのですか。」


サイファさんがそう聞くと、


「それは大丈夫です。なぜなら命の樹の枝と善悪の知識の樹の枝がそろわないと、エデンの意思を使役することが出来ないからです。」


少女がそう答えました。


「解りました。ですが神器はどの様にして見つけるのですか、まさか神殿や遺跡なんかを虱潰しに当るのですか。」


私がそう聞きますと、


「神器がその神殿や遺跡に在るのならば、私が教えることが出来ます。ですから最後にユリーシャさんは私と契約をして欲しいのです。」


少女がそう言いました。


「契約の内容と代償は何だ。」


キョウヤさんがそう聞きました。


「あ、はい。内容は私の持つ力、神器の所在を教える事や集めた魂の運用による神聖魔法のリスクの低減なんかがあります。此れの使用を出来るようにすることです。代償は人の魂の蒐集を行うことです。」


少女がそう言いました。


「人の魂の蒐集とはどういう事ですか。」


私はそう聞きました。


「私は命の樹。すなわち命の源である魂を用いて力を使うのです。それが切れると私は再び眠りに付くことになります。それと魂の蒐集は生きた人からではなくとも死んだ人からもできます。」


少女がそう答えました。


「では、貴女が目覚めたのは此処で死んだ三十名の方の魂を蒐集したからですか。」


サイファさんがそう聞きました。私はそれを聞いて、ビクッと震えました。


「ええ、その通りです。 ユリーシャさん私と契約してくれませんか。」


少女がそう言い、私に契約を迫ります。


「それは私に他の人の命を糧にしろとそう仰るのですか。」


私はそう聞きました。


「私はあなた方に死んで欲しくはないのです。私の力を用いれば神聖魔法も最小限のリスクで使用出来ますし、本来なら人が扱うことが出来ぬ程のエデンの力を扱うことも出来ましょう。」


少女はそう答えました。


「解りました。貴女との契約に応じます。」


私はそう言いました。


「ありがとう御座います。では契約を結びます。」


少女はそう言い、何かを呟きました、すると一本の紐のような物が私と少女を繋げました。


「契約の終わりに私に名前を付けて下さい。」


少女はそう言いました。


「名前ですか・・・・・、決めました。貴女の名前はスティーアです。」


私がそう言うと、


「スティーアですか、解りました。我がなスティーアは汝ユリーシャを主とし此処に契約を結ばん。」


スティーアがそう言うと、私とスティーアが光に包まれました。


「此れで契約は結ばれました。それでは皆さんの精神をお還しします。」


スティーアはそう言うと、光を放ちました。


私達はその光に飲み込まれました。そして、私は意識が此処より遠のいていくのを感じました。


<SIDE:END>




<SIDE:恭夜>


「きょうや、おきて」


紫苑が俺の顔をぺちぺちと叩く。


「うん、紫苑か。今起きるよ。」


俺はそう言い、起き上がる。


辺りはすかっり夜の帳に包まれていた。


「今、何時だ。」


俺はそう言い、時計を見る。


「げ、九時半かよ、確か食事が終わったのが二時半でその後墓を造ったりしていたから・・・、それでも五時間は寝ていた事になるな。はあ~、どんだけだよ。」


俺がそう呟くと、


「きょうや、ねすぎ。」


紫苑がそう言う。


「う、皆はまだ寝てるのか。」


俺がそう聞くと、


「うん、まだねてる。」


紫苑がそう答える。


「飯はまだいいとして、汗かいて気持ち悪いしな。風呂でも造るか。」


俺がそう言い、風呂を造れそうな広い場所を探す。


「此処に造るか。小規模な術だし符はいらないか。」


俺はそう言い、風呂の大きさを決め、その大きさの五芒星を地面に描き術を唱える。


「土精地術 土竜貫掘。」


そう唱え、地面に穴を開ける。風呂の大きさは二人が余裕ではいれるぐらいで、深さはちょうど座れば頭が出るぐらいにした。其処から三十cmぐらい離した処に人一人が立って入れる位の横幅の湯沸し用の穴を開ける。深さは風呂と同じ。風呂の下方と上方に湯沸し用の穴に続く横穴を開ける。風呂と湯沸し用の穴に水を入れても崩れないように術で補強する。


「土精石術 石瑠壁。」


風呂の側面を石にして崩れないようにした。湯沸し用の穴も同じようにした。


湯沸し用の穴の隣に火を起こし、其処に手ごろな大きさの石を火の中に放り込み石を熱する。


近くの小川から水を術で風呂に移す。


「水精水術 水流移弾。」


小川の水を大きな玉のようにして風呂に落とす。


此れで風呂に水も張れたし、後は熱した石を湯沸し用の穴に入れ湯を沸かすだけだな。


そうこうしている内に皆が起きてきた。


「キョウヤさん。何をしているんですか。」


サイファがそう聞いてきた。


「風呂を造って居たんだ。もう少ししたら風呂が沸くからな。」


俺がそう答えると、


「え、お風呂ですか。それは私も入っていいのですか。」


ユリーシャがそう聞いてきた。


「ああ、もちろんだよ。」


俺がそう答えると、


「わー、ありがとう御座います。まさか湯浴みが出来るとは思っていませんでした。」


ユリーシャは満面の笑みでそう言った。


「ほんと、キョウヤは色々出来るよね。なんで。」


リーファがそう聞いてきた。


「子供の頃から修行だといって、山や森なんかに連れて行かれて其処で生活していたからな。最初は川なんかで水浴びしていたんだけどな、よく蛭に血を吸われたから風呂の造り方を覚えたんだ。」


俺がそう言うと、


「すごい子供時代だね。」


リーファはそう言い、少し引いている。


「と、そういってる内に風呂が沸いたぞ。先にユリーシャとリーファから入ればいいよ。おっと紫苑はどうする、ユリーシャ達と入るか。」


俺がそう言うと、


「きょうやとはいる。」


紫苑はそう言い、俺に飛びつく。


俺は紫苑を抱きとめつつ、


「じゃあ、ユリーシャ達は入っておいで。」


俺がそう言うと、


「それじゃお言葉に甘えさせていただきます。」


ユリーシャはそう言った。


「覗いちゃ駄目だからね。」


リーファはそう釘を刺していく。


「覗かねえよ。だから安心して入って来い。」


俺がそう言うと、


「はーい。」


リーファがそう言って、風呂に向かう。


「さて、後は飯の用意でもするか。」


俺がそう言うと、


「キョウヤさん、私も少しぐらい手伝いますよ。」


サイファがそう言ってきた。


「お、サンキュー。」


俺はそう言い、サイファと二人で食事の下拵えを始めた。


しばらくすると、ユリーシャ達が風呂から上がってきた。


「とてもいいお湯でした。」


ユリーシャがそう言う。


「気持ちよかったよ。」


「そっか。じゃあ次はサイファが入ってこいよ。」


俺がそう言うと、


「え、いいのですか。」


サイファがそう聞き返す。


「ああ、紫苑と入れば毛がよく浮くからな。ユリーシャ達と一緒なら人になってもらうけど、俺とじゃそういう訳にも行かないからな。」


俺がそう言うと、


「そういう事なら先に入らしてもらいます。」


サイファがそう言い、風呂へ向かう。


「キョウヤと兄さんは何してたの。」


リーファはそう聞いてきた。


「晩御飯の下拵えだ。」


俺がそう言うと、


「何から何まですいません。」


ユリーシャはそう言い、頭を下げる。


「キョウヤは気が利くというのかなんと言うかねえ。」


リーファはそんな事を言いやがる。


「せっかく、風呂上りにと思ってジュースを冷やしておいたんだがリーファはいらないみたいだな。」


俺がそう言うと、


「あー、嘘嘘、ごめんなさい。もう言いません。だからジュース頂戴。」


リーファはそう言って、誤る。


それを見てユリーシャはくすくす笑う。


「ほら、ジュースだ、それと湯冷めしないしないようにな。」


俺がそう言うと、


「はい。ありがとうございます。」


「うん。ありがとう。」


ユリーシャと、リーファがそう言った。


「ねえ、ご飯の準備は何処まで出来ているの。」


リーファがそう聞く。


「うん、下拵えは終わっているから後は、肉を焼いたり、野菜を炒めるだけだから俺が風呂から上がれば直に出来るぞ。」


俺がそう言うと、


「キョウヤは手際がいいよね。きっといい主夫になれるよ。」


リーファがそう言う。


「なんかそれは嫌だ。」


俺がそう言い、皆で笑う。


そうしていたらサイファが風呂から上がってきた。


「本当にいい湯でした。キョウヤさんも入って来て下さい。」


サイファがそう言う。


「ああ、じゃあ入って来るな、紫苑いくぞ。」


俺がそう言うと、


「わかった。」


紫苑がそう言い、俺と共に行く。


風呂に着き、服を脱ぎ湯を体に掛け、紫苑にも湯を掛けて紫苑を抱き湯船に浸かる。


「いい湯だな紫苑。」


俺がそう言うと、


「きもちいい。」


紫苑がそう返す。


ゆっくりと浸かり、体を温め疲れを癒す。


「さて上がるか。」


俺がそう言いうと、


「あつい。」


紫苑が少しのぼせている。


体を拭いて、服を着る。紫苑の体を丁寧に拭き皆の居るところに戻る。


「紫苑、ご飯にしような。」


俺がそう言うと、


「クゥ~、ごはん。」


紫苑は嬉しそうに鳴く。


俺は戻ってすぐに食事の用意を始めた。


十五分程度で食事が出来上がった。


「さて、食べるか。」


俺がそう言うと、


「はい。」


ユリーシャがそう言い、皆で食べ始めた。


「なあ、ユリーシャ。スティーアとは今でも会話が出来るのか。」


俺がそう聞くと、


「はい、私となら念話のような状態で話が出来ます。」


ユリーシャがそう答える。


「スティーアに幾つか聞きたい事があるんだが構わないか。」


俺がそう言うと、


「ちょっと待って下さいね。・・・・・はい構わないそうです。」


ユリーシャがそう言う。


「まずは悪魔に精霊魔法が効かない理由を教えて欲しいんだが。」


俺がそう言うと、


「・・・私が表に出て話したほうが早いですね。」


ユリーシャの体を使いスティーアがそう言った。


「精霊魔法が悪魔に効かないのは悪魔が纏う闇の衣のせいです。闇の衣とは悪魔の瘴気で精霊はその瘴気を恐れて霧散してしまいます。」


スティーアはそう答えた。


「精霊魔法ではやはり悪魔は倒せないのですね。」


サイファがそう言う。


「いえ、普通の術者では無理でしょうが精霊を支配できるほどの術者なら精霊魔法を悪魔の体に届かせることも出来ますよ。ただ並みの努力ではそんなことは出来ませんけど。」


スティーアはそう反論した。


「そうか解った。次は何者が俺をこの世界に喚んだのか知りたいのだが解るか。」


俺がそう聞くと、


「異世界より人を召喚できそうなものは、私か、私の対になる者かはたまたこの世界の意思か後は神ぐらいしか思い浮かびませんね。そのどれもが可能性がかなり低いのですが、。私や私の対になる者は使用者が居なければ喚ぶ事など出来ませんし、エデンの意思や神が貴方を喚ぶ理由が思い当らないのですが。」


スティーアはそう答えた。


「そうか、もういいよ、ありがとうな。」


俺がそう言うと、


「はい。では此れで失礼します。」


スティーアはそう言って、杖に意識を戻した。


「キョウヤさんは元の世界に返りたいのですか。」


ユリーシャがそう聞いてきた。


「いや、帰ろうと思えばいつでも帰れるしな。」


俺がそう言うと、


「は、それはどういう事ですか。」


ユリーシャは目を点にして聞いてきた。


「俺が持つ召喚符の中には世界移動ぐらい出来る者が居るというだけだ、ただ帰ると次またこの世界にこれるかどうかが解らないから帰らないだけだぞ。」


俺がそう言うと、


「ほ、本当なのですか。キョウヤさんは何処までの力を持っているのですか。」


サイファは心底驚いたというような顔で聞いてきた。


「世界移動できるのは俺の力じゃないしな、力で言っても親父には一度も勝った事が無いしな。」


俺がそう言うと、


皆は何もいえないような顔をしている。


俺ってそんなに変か?


その後明日はどうするかの話し合いになり結局予定道理、宿場町に行き情報収集をしてラスティハイト王国へ向かうことになった。


明日の早朝には宿場町へ出発することにし今日は休むことにした。



漸く六話が完成しました。

本来ならこの話で宿場町まで行く予定でしたがまだ神殿から旅立ってもいません。

自分の予定道理に話が進まず落ち込み気味です。

ですががんばって次の話も出来るだけ早く上げたいと思っています。


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