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第22話 選択と首輪

今年も更新増やせるように頑張ります。

ブクマ、評価、感想など、

応援よろしくお願いします。


 王都冒険者ギルドが、静かにざわついていた。


 原因は一つ。

 ギルドのロビー中央に立つ、異質な存在。


 黒衣に身を包み、角も羽もない。

 だが、隠しきれない魔力の気配が、その人物が魔族側の使者であることを雄弁に物語っていた。


「……サキュバス・ノア様」


 低く、丁寧な声。

 まるで王族にでも語りかけるかのような口調だった。


 ノアは、いつもより少しだけ背筋を伸ばして立っていた。


「魔王陛下の名において、通達に参りました」


 使者は一礼する。


「貴女を、魔族領へお迎えします」


 ざわ、と空気が揺れる。

 冒険者たちが息を呑み、誰も口を挟まない。


「……あー」


 ノアは頭をかきながら、視線を逸らした。


「ちょっと、考える時間とかってもらえない?」


 使者は一瞬だけ目を細めた。


「許されます。期限は三日」


「じゃあ」


 ノアは、小さく息を吸った。


「やっぱいいや、今答え言うね」


 その場の空気が、ぴんと張り詰める。


「……帰らない」


 使者は、すぐには反応しなかった。

 だが、その声は感情を含まない。


「確認致します。」


「魔族領への帰還を拒否するという理解で、相違ありませんか」


「うん」


 …………


「その場合――」


 使者は、淡々と告げた。


「貴女は、魔族社会において

 人類側に属する存在とみなされます」


 さらに、続ける。


「魔族の敵になりますが――

 よろしいのですか?」


 ノアは俯いた。


 少しの沈黙。

 拳を握りしめる。


「……」


 そして、顔を上げた。


「…………いい」


 一度、言葉が詰まる。


「……良いに決まってんじゃん」


 声が、震えた。


「わたしは、ここで生まれたんだよ」


 冒険者ギルド。

 訓練場の床。

 首輪。

 唐揚げ。

 プリン。

 怒鳴り声。


「いまさら魔族とか言われたって……」


 唇を噛みしめる。


「……私は」


 一瞬、目が潤んで。


「私は、人間なんだよ!」


 空気が、完全に止まった。


 使者は、深く頭を下げた。


「……承知しました」


「そのように、お伝え致します」


 それ以上、何も言わない。

 引き止めもしない。

 説得もしない。


 ただ、静かに踵を返した。


 扉が閉まる。


 それだけだった。


「……ごめんね」


 ノアは、ぽつりと呟いた。


「みんな……」


 冒険者たちの顔を見ないまま、

 そのまま自室へと引き籠もった。


 夜。


「ノアー! ノアー!!」


 廊下に響く、聞き慣れた怒号。


「またサボりかあいつは!!」


 ドンッ!


 返事も待たず、扉が開く。


「おい!」


 ギルドマスターが踏み込んできた瞬間、

 ノアの首元に、がしっと衝撃が走る。


「来い!」


 首輪を掴まれ、そのまま引きずられる。


「仕事の時間だ!

 いつまで引き籠もってるつもりだ!!」


 ノアは、俯いたまま、袖で目元を拭った。


 そして――


「……レディの部屋にズカズカ入ってくるの、どうかと思いますよ」


 マスターが一瞬、動きを止める。


「いくら雇い主でも変態ですよ、それ!」


「誰が変態だ!!」


 ギルドマスターの拳骨が、ノアの頭に落ちた。


「いったぁぁぁ!!」


 その悲鳴が、いつものようにギルドに響く。


 日常は、戻ってきた。


 世界は変わった。

 立場も、未来も。


 それでも――

 ノアは今日も、首輪を引かれながら、ギルドの床を歩いている。


 魔族の敵で、人間で、サキュバス。


 そして何より――

 今日も働きたくない女として。


AI共作

(作者)/原作・デザイン・ストーリー

    ・プロット・初稿・推敲作業

(AI) /校正・矛盾チェック・雰囲気調整

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