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第9話 徴収それは魔族の義務

ストック切れるまで随時更新します。

 アルミフェイスさんの依頼から数日が経ったが、結果は見ての通り、大成功と言っていいだろう。


 あの日、ギルドマスターは

「あんなボロボロで帰ってきて、抗議が来たらどうするんだ!」

と顔を真っ赤にして私を問い詰めていたが、結局クレームの一本も届いていない。


 当然だ。

 私の魅了が、彼の理性を完璧に焼き切ったのだから。


 今日もギルドの扉が開く。

 現れたのは、これまたキラキラしたオーラを全開にしたアルミフェイスさんだ。


 彼はロビーに入るなり、私を見つけて優雅に手招きをする。


「やあ、ノア君。今日も元気そうだね」


「あ、アルミフェイスさん。いらっしゃい」


 私が近づくと、彼はごく自然な動作で私の頭に手を置き、よしよしとなでなでし始める。


 ……いや、距離が近くない?


 王子様ルックのイケメンに無言で頭を撫で回されるサキュバス。

 客観的に見れば事案だが、私にとっては「魅了の効果が継続している証拠」でしかない。


 そして、彼の手には「これ」がある。


「これ、王都で評判の店のプリンなんだ。君、甘いものが好きだろう?」


「ぷ、ぷりん!!」


 目の前に差し出された、ぷるんぷるんと揺れる黄金の塊。

 一口食べれば、濃厚な卵の味とカラメルの苦味が口いっぱいに広がる。


(……これだよ、これ。

 これがサキュバスの正しい『搾取』ってやつだよ!)


 もはやこれは、彼が私に貢いでいると言っても過言ではない。

 私の魅了スキルおそるべし。

 鏡の前で特訓したあざといポーズに、自画自賛の拍手を送りたい気分だ。


 一方で、私の本業(?)である《レンタル冒険者》の方は、なぜかパッタリと依頼が途絶えていた。


「ねえ、リリィさん。今日もゼロ?」


「ええ、今のところは。……何か不満でも?」


「いえ全然! むしろ最高です! ずっとここにいたい!」


 カウンターの中で書類を捌くリリィさんに確認し、私は意気揚々と冒険者たちのテーブルへと戻る。


 仕事がないならサボるまで。

 暇そうに油を売っている屈強な男たちに混じり、彼らのつまみを少しずつ掠め取っては、くだらない世間話に花を咲かせている。


「おっ、ノア。また貢がれてんのか?」


「貢がれてるんじゃないよ、これは『徴収』。魔族としての義務だからね」


 そう言って、冒険者の皿から勝手にポテトを一本拝借する。


 平和だ。

 このギルドのぬるま湯加減、前世の社畜時代には考えられなかった天国である。


 だが、そんな私の自堕落な生活を苦々しく思っている人間が、少なくとも一名は存在する。


「おい、ノア!

 飯ばっかり食ってないで少しは体を動かせ!

 訓練だ訓練!」


「げっ、マスター……。

 しつこいですよ、脳筋担当はマスターだけで十分ですってば」


 岩のような拳を振りかざすマスターを適当にあしらう。


 だが、最近のマスターは何やら様子が変だ。

 私を叱る合間に、リリィさんと隅の方でコソコソと書類を見ながら相談している。


(なんだろう……。

 カラメルフェイスさんの件で、私の有能さがバレて

『特別ボーナス』の相談でもしてるのかな?)


 あんなに難易度の高い案件をこなしたのだ。

 もっと褒め称えられてもいいはずなのに。


「……あいつ、このままだと本当に……」


「…わかっています。

 ですから、これを……」


 チラリと聞こえてきたリリィさんの冷徹な声。


 ……これ?


 何やら嫌な予感がするが、目の前のプリンの誘惑には勝てない。


 マスターたちが何を企んでいようと、私にはカラメルフェイスさんという最強のパトロン(※魅了済み)がいるのだ。


「ふふん、今日もプリンがうまい!」


 自分の立場がまた危うい方向へ向かっていることなど、

 この時の私は露ほども思っていなかったのである。

AI共作

(作者)/原作・デザイン・ストーリー

    ・プロット・初稿・推敲作業

(AI) /校正・矛盾チェック・雰囲気調整

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