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DANDY〜もう戻れない〜  作者: kagari
プロローグ
8/18

タイトル未定2025/11/24 08:24

 瞳と別れたボクは、さやかと一緒に暮らしているアパートに帰った。

 部屋の中は、真っ暗だった。

 ボクはあかりもつけず真っ暗な寝室で、母親の形見の指輪を手にしていた。

 大学時代barでバイトをするようになってから、指輪をはめなくなった。

 そうなると、指輪の存在すら忘れていた。

 今日偶然瞳と出会い、指輪を思い出した。

 ボクは、ゆっくり指輪をはめた。

 やっと、瞳に会えた!それは思い描いていた再会ではないけど、瞳と会うことができてボクは嬉しかった。

 でも……。

「七海……いるの?」

 突然背後から、仕事から帰ってきたさやかの声が聞こえ、それと同時にボクの思考が途切れた。

「なんで、電気をつけないの!」

 さやかの声と共に、寝室の中が明るくなった。

「お帰り」

「ただいま。あ~疲れた!」

「働き過ぎだぞ。たまには、休みをとれよ」

「まだ研修医だから、そんな勝手なことできないよ」

「こんな小さな体で……頑張りすぎ」

 ボクは言いながら、さやかを抱きしめた。

「張り切る気持ちはわかるけど、倒れるんじゃないかって、心配だよ」

「ありがとう。でも、大丈夫!あれっ?」

 言いながらさやかは僕から離れ、ボクの左の手首を掴んだ。

「指輪……」

「ああ。母親の形見なんだ」

「形見?」

「母親はボクが赤ん坊の頃、強盗に襲われて、亡くなったんだ」

 さやかは目を見開いて、じっとボクをみつめていた。

 包みこむようにボクを抱きしめ、ささやくように言った。

「それで、部屋を真っ暗にしていたのね」

「まぁ……ね」

「どうして、指輪をはめたの?何かあった?」

「何も……何もないよ」

 言いながらボクは、さやかを強く抱きしめた。

 さやかを抱きしめながら、瞳と再会したボクは、瞳をどうするんだろう?どうしたいんだろう?と、自問自答を繰り返していた。


 翌日ボクとさやかは、路線バスに乗って、それぞれの勤務先へ向った。

 ボクの隣に座っていたさやかが、ボクの左手に、自分の手を絡めながら言った。

「指輪を、はめるようにしたんだ」

「前にもはめていたんだけど、指輪を見つけたら、なんとなくまたはめたくなった」

「そう。ねぇ、隠し事とかなしだよ。なんでも私に言ってね」

「わかってるよ」

「それから、いいわけもなし!」

「隠し事も、いいわけもしないよ。なんでも、さやかに話すよ」

 ボクがそう言うとさやかは、ボクの左手を握りしめ、嬉しそうに笑った。

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