タイトル未定2025/11/24 02:26
大学に入学して、今どきのギャル風のさやかと出会ったボクは、さやかとつきあい出した。
最初こそ瞳がいなくなった穴を埋める気持ちでさやかとつきあいだしたけど、さやかは根はとても真面目で将来を真剣に考えていた。
そんな見た目のギャップがボクには新鮮で、さやかに惹かれていった。
さやかとつきあうようになったボクは、酒とタバコを覚えた。
自然とさやかが住んでいるワンルームのマンションに、ボクは入り浸るようになった。
さやかの部屋で勉強をして、疲れた時はタバコを吸いながら酒を飲んだりして、ベッドで抱きあった。
そんな時間が、ボクは好きだった。
その夜さやかを抱いた後、さやかは瞳のことを聞いてきた。
「別れた彼女って、どんな人?」
「なに、急に?」
「興味があって。ねぇ、彼女って、どんな人?」
珍しくしつこく聞いてくるさやかに、たばこに火をつけ、ボクはゆっくり切り出した。
「背が高くて、落ち着いていて。同い年とは、思えなかったよ」
「大人びた女性かぁ。私と違って、真逆ね」
ボクは、思わず吹きだしてしまった。
「さやかは、さやかだろ。気にするほうが、おかしいよ」
ボクがそう言うと、さやかは甘えるようにボクの肩にもたれてきた。
「いつか七海のもとに、戻って来るんじゃないかなって」
「自分から、いなくなったんだぞ。そんな勝手なことが、できるわけがないだろ」
「そうだけど……七海と一緒になれて、凄く幸せで。この幸せが、いつか消えちゃうんじゃないかって、不安で」
思うがまま自由に生きるさやかが、不安を抱えていたことを知り、ボクはさやかの本音に触れた感じがして嬉しくなった。
思わず笑みがこぼれた。
ボクは吸っていたタバコを消して、背後からさやかを抱きしめた。
「ボクは不安なんて、感じた事はないよ。いつもさやかと一緒だから」
「うん」
「ずっと一緒になる為に、頑張っているんじゃないか」
「うん」
「ボクが医師になって、さやかは技師になるんだろ」
「うん」
さやかはボクの方に向き直ると、ボクの胸に顔を埋めた。
ボクは、さやかを抱きしめた。
瞳と叶えられなかった夢を、今度はさやかに託していた。
そんなボクに、新たな夢ができることは、この時はまだ知る由もなかった。




