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鍵 〜ショートショート集〜  作者: 浅見カフカ


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大天使ラピエル

ある日、神様は天使達を集めました。

荒んだ人間達に神の裁きを与える為です。

使命を受けた天使達は忠実にその役目を果たしました。


ある都市は塩の結晶となり、ある土地は洪水で大地を失い、またある国は無数の光の矢に焼かれました。

天使達は神様の怒りの代弁のようにラッパを吹き鳴らして世界を飛び回りました。

悪しき者には地獄の責め苦を、正しき者には地獄絵図の見せしめを。


使命を果たした天使達が次々と神様の元へ戻る中、一人の天使だけが地上に留まったまま戻りません。

それどころか罪人を滅ぼすことも懲らしめることすらしませんでした。


それは大天使ラピエルです。

神様に次ぐ力を持った大天使は神様を尊敬し、愛していました。

そして、神様の姿を模して神様の息吹きと祝福を与えられて創造された人間達のことも愛していました。


ですからラピエルは人類には裁きではなく愛を与えました。

神様の祝福の下に生まれた人々を善へ導こうと愛を示しました。


でもそれは神様の命に逆らうものでした。

神様に忠実な天使達はラピエルの背中から羽根を奪うと、堕天使として地上へ追放してしまいました。


天使の力を失ったラピエルは、他の天使からの啓示により【背徳の堕天使ラピエル】として広く人々に知らしめられてしまいました。

そんな教えにラピエルを悪魔と呼ぶ人間も現れました。


力を奪われ、大逆の罪を負わされたラピエルはそれでも神様と人間を愛していました

人間を、敬愛する神様の教えの元へ導こうと無償の愛を捧げました。


人が愚かな過ちを犯す姿にラピエルはいつも心を痛めました。

そして、愚かな過ちを償い正して乗り越えた時には本当に嬉しそうな笑顔を見せて神様に祈りました。


「主よ、私の父よ、人はまた正しき道に進みました」と。


人間の善を信じて滅びの道から救った天使のお話は、決して語られる事はありません。

でも、そんなラピエルの姿に心を打たれた天使達が時折自ら天から降りて人になるそうです。


人々を正しい道へ導く為に。

無償の愛を与える為に。


堕天使は人を愛した優しい天使。


アンリ・デュナンもマザーテレサも、もしかしたなら地上に降りた天使なのかもしれませんね。



      

    ー了ー


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