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りったんの「二百文字小説」集  作者: りったん
沢木先生お題編(神田律子と愉快な仲間達)
207/210

魚の目

 神田律子は新米ママ。


 夫の浮気を疑ったが、違っていた。


 昔、結婚の約束をした幼馴染だった。


「じゃあ、キスする権利くらいありますね」


 律子は言った。


「本当にごめんなさい」


 菜奈は深々と頭を下げた。


「陽太が他の女と仲良くしたら私に代わって成敗してください」


 律子が言ったので菜奈は泣いてしまった。


 そして携帯を神田に返した。


「魚の目が痛いから、早く帰ってきてね」


 律子の寛大さにしばらく頭が上がらないと思う神田である。

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