りったんの「二百文字小説」集

沢木先生お題編（神田律子と愉快な仲間達）

妄想エンドレス

　神田律子は新米ママ。

　今日は愛娘の雪の検診。ロビーで待っていると、

「あら、こんにちは」

　何故かまたしても井地川琉衣子に遭遇した。

「律子さん、神田君、元気？」

　律子は唐突に訊かれたので、

「はい、多分」

　顔を引きつらせて応じた。すると琉衣子はニヤリとして、

「神田君てイケメンだから、京都でモテモテでしょうね」

　不吉な事を言って立ち去った。

（まさかあいつ、京都の女と……）

　律子の妄想エンドレス劇場が開幕してしまった。