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りったんの「二百文字小説」集  作者: りったん
沢木先生お題編(神田律子と愉快な仲間達)
168/210

駆け抜ける社長秘書

 神田律子は新米ママ。


 夫は子会社に出向している。


 その子会社の社長が社長室で倒れた。


 その場にいた夫は仰天した。


「社長!」


 そばにいた美人の秘書が駆け寄り、朦朧としている社長の手を握った。


「救急車を!」


 秘書は取締役達に怒鳴る。だが皆身体が動かない。


 狼狽える男達に苛立ち、秘書が目の前を駆け抜けた。


「私がします!」


 秘書は机の上にある電話に飛びついた。


 愛人だと思ったら、社長の娘だった。


 ここは安泰だと夫は思った。

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