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りったんの「二百文字小説」集  作者: りったん
沢木先生お題編(神田律子と愉快な仲間達)
113/210

祭りはまだ終わらない

 神田律子はOL。


 今日は町内の秋祭りだ。


 浴衣を何とか着ると、簡単に着こなしている夫を恨みがましい目で見て、


「手伝ってくれてもいいじゃん」


「いやあ、律子の色っぽい着方に見とれちゃってさ」


 半分からかっている夫。律子は裾が肌蹴はだけたり、襟が広がり過ぎたりしたのだ。


「行くわよ!」


 プリプリしながら家を出る。


「早くしないと終わっちゃうよ!」


「まだ大丈夫だって」


 トテトテ走る律子の後ろ姿を見て、夫は微笑んだ。

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