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月夜譚 【No.201~No.300】

駄菓子の誘惑 【月夜譚No.277】

作者: 夏月七葉

 こんなに長いレシートは見たことがない。自身の脚の長さほどもあるレシートを片手に、彼は息を吐いた。しかし、隣の席に置いた大きなビニール袋の塊を見ると、なんだか少し嬉しくなる。

 とはいえ、流石に買い過ぎた。そこは反省しなくてはなるまい。

 気晴らしのドライブでやってきた大型ショッピングモール。そこをぶらぶらしていたら、駄菓子屋を見つけた。懐かしいパッケージに惹かれて入店し、あれこれと目移りした挙句、レジに行く頃には商品を籠一杯に詰め込んでいた。

 中身は童心に返ったのに、財布は大人のままだから質が悪い。子どもの頃は限られた小遣いの中でやりくりするのに苦労したな、などと思い出して苦笑いを浮かべる。

 懐は寒くなったが、心は温かい。もう暫く、気持ちは子どものままでいようか。

 彼は口元に笑みを浮かべて、当たりつきのラーメンスナック菓子の蓋に爪を立てた。

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