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プロローグ
暗闇の中で一人きり。
色々なモノで薄明るいはずのその空間だが、撮影されたと言われているブラックホールを、神秘的で、かつ美しいと思えるくらいの暗闇に思える。
幾日も、こんな日が続いているのだから、さすがに、この空間に慣れていない訳じゃない。聞きたくなくても、色々と飛び込んでくるコトバなどの情報で、自分の事については知っているし、悟りも覚悟もしているつもりだ。
だけど、、、そんな慣れたはずの空間なのに、今日は、今日だけは、どうもおかしい。いや、言ってしまえば、ここにおいて、おかしい事なんて、僕にとっては山程あるのだけれども、それらが全て普通に思えてしまうくらいに。
そう。僕の隣にはナニかが立っている。