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闇が日差しを照らせたときは、  作者: いせゆも


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27/45

△8

 翌朝。

 国境線上にの手前に展開してある本陣営。

 城から仰々しく見送られ、セゴナを脱し、その場所へと凱旋するまでシャは、心に断片化された覚悟ともいうべきものを拾い集めていた。

 シャの帰国と同時に開戦を宣言する手筈になっている。

 ……が、そもそもシャはこの時期の開戦に反対であった。

 セゴナを攻めるにはまだ戦力が足らない。もう少し、時期を遅らせるべきだと常々思っている。固めておくべき地盤も多い。ジェク=クァムを可能な限り抑えてはいたが、それでもシャ一人の立場では限界も出てきたため、ここで開戦するしかなくなった。

 だが、この時ばかりは、シャ=イサの『若さ』が、悪い方向へと働いてしまった。

「――イサちゃんに、嘘はつかないよー……か」

 昨夜、シャは酒にもリュガジセンにも酔ってなどいなかった。全ては演技だ。

 シャに掛けられた防衛魔は、分泌物を吸収しない効果のものもある。この体内には、分泌物が残留などされていない。

 残ったのはただ、ジュの肌の柔らかさと、体温だけである。

 人は生命の危機の晒されると、無防備となる。本性が見えてくる。

 これまで何人もの女を、そうして尋問してきた。

 男だから与えることのできる、恐怖。

 ジュは、そんな状況においても、ミナヤを敬愛していた。

「ミナヤ。俺の大切な女を、よくも、よくも――」

 村だけでなく、たかが一人の村娘さえ、そうして自分の都合いい存在に育て上げるか。

 ナビゼキがそうなったように。

 セゴナもあの大火に見舞わせなければ気が済まない。

 そしてジュに現実を教え、目を覚まさせてやらねば。

 思いこんだら純粋で真っ直ぐ。そこへ駆け抜けるのみ。

 それが男という生物。

「よくぞご無事で!」

「出迎え御苦労。だが帰ってきて早々で悪いが、命令を出す」

 今なら士気も高い。この機会を逃すこともない。

「これより、セゴナへの侵攻を開始する!」


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