202話 争いの終わりと新たなる始まり【中編】
クトゥルーとの戦いから、1年が経過した。
ぼくは精霊界にある、父さんの家に居た。
「おっすー! まいべいびー! げんきだったかーい!」
カルラ母さんが、ぼくの元へとやってくる。
「「「「ばーちゃーん!」」」」
わっ……! と小さな子供達が、母さんに抱きつく。
「おうおう孫ども元気してたかー?」
「「「「はーい!」」」」
母さんの体にしがみついているのは、ぼくとルルイエさんとの子供だ。
「しっかし短期間に5人とか、やるねー息子よ」
ニヤニヤと笑いながら、かあさんがぼくのわき腹を肘でつつく。
「あの……その……ルルイエさんが激しくって……」
「あー、わかるわかる。あいつむっつりスケベだからなー」
「変なこと言わないでおくれよ」
ため息をつきながら、ルルイエさんが仕事を終えてやってくる。
「おっす、ルル。ちゃんと仕事してるか?」
「まあね。毎日すごく大変だよ……」
あれから、ルルイエさんはクトゥルーと協力して、精霊達の王となった。
クトゥルーたちは人間界と精霊界の秩序を守るために、日夜がんばっている。
「そりゃしゃーねー。エレンが頑張り過ぎちまったからなぁ」
精霊達の力を、皆から借り受けた後。
ぼくは霊王の力を使って、彼らにスキルを返した。
けどあげすぎちゃったんだ。
結果、スキルの暴発とか、魔物の活性化とかあって大変。
でもルルイエさん達が精霊達を制御してくれているおかげで、大きな混乱が起きずにすんでいる。
「ぼく……行っちゃだめ?」
「「だめ」」
みんなが頑張っているのに、ぼくといえば、精霊界で動いちゃダメと命令が下されている。
「精霊の勇者エレンっていえば、もうこの世界の超有名人だからよ」
「そうそう。少し歩いただけで人も精霊も大騒ぎで大変なんだから。ほとぼりが冷めるまではここをでちゃダメだよ」
魔竜を倒して、世界を救ったことで、僕は凄まじい有名人になったんだって。
それと、この世界の新たな精霊を生んだことで、精霊達からますます好かれるようになった。
おかげで地上に降りると、みんなのなかにいる精霊たちが外に出て、迷惑かけちゃうんだって。
「だからここで大人しく、子供達の面倒を見ること」
「はーい……」
でも、もどかしいなぁ……ううん……。
「ん? あれ?」
「どうしたの、母さん?」
母さんは周囲を見渡す。
「【シンラ】……? シンラ、いなくねえか?」
シンラとは、ぼくとルルイエさんの間にできた、末の息子だ。
「あれ? さっきまでいたのに……シンラ? シンラー!?」
……どうしよう、どうやら、脱走してしまったみたいだ!
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