表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

257/263

202話 争いの終わりと新たなる始まり【前編】



 クトゥルーとの戦いを経て、ぼくは地上へと戻ってきた。


 郊外の草原にて。


「若様ぁあああああああああん!」

「ランッ! ただいま!」


 神狼のランが、人間の姿で、わんわんと泣きながら抱きついてくる。


「若様の帰りを、ずっとずっとずぅっとお待ちしておりましたー! うわーん!」


 ぐすぐすと鼻を鳴らすランの頭を、ぼくはなでる。


「いっぱい心配かけてごめんね」

「いいえ! 若様ならば、必ずや世界を救うと信じておりました!」


「まったく、忠臣じゃなおぬしは」


 ぼくの生み出した精霊、不死鳥のカレンが、苦笑しながら近づいてくる。


「カレン。それにみんなも、戦ってくれてありがとう」


 母さんに父さん、サンダルフォンさんにふくろうさん。

 それに、アビーを初めとする精霊達が、草原に集結している。


「それでね……みんな、聞いて欲しいんだ。これからのことなんだけど」


 ぼくは後ろに立っている、ルルイエさんとクトゥルーを手招きする。


 皆の顔に緊張が走る。

 特にクトゥルーは、敵として戦ったことのあるからかな。


 皆警戒していた。


「安心して。クトゥルーは、心を入れ替えたんだって。ルルイエさんと一緒に、世界をよりよい方向へ持っていくことを約束してくれたんだ」


 ぼくはクトゥルーを見やる。

 彼はうなずくと、深く頭を下げた。


「ごめんなさい」


 ただ一言、みんなにそう言った。


「兄共々、本当に申し訳ございませんでした!」


 ルルイエさんもまた、みんなに再度謝罪する。


「みんな、お願い。ふたりを許してあげて。やりなおすチャンスを、与えて欲しいんだ」


 一度の失敗で、すべてが終わりなんて間違っている。

 過ちを犯したら、反省して、新たな一歩を踏み出せば良い。 


「お願いします、みんな!」


 ぼくも二人ともに、頭を下げる。


 しばしの、沈黙があった。


「エレン。顔あげな」

「母さん……」


 カルラ母さんが、肩を叩いて言う。


「あいつらの顔が、返答が見れないじゃあねえか。なあ?」


 アスナさん達は……みんな、笑ってうなずいていた。


「エレンが言ったんじゃ、許さないわけにはいかないじゃない」


 ティナがため息をついて言う。


「若様の決定にみな従います!」


 精霊達もまた、ルルイエさんとクトゥルーを許してくれるみたいだ。


「よかったね、ふたりとも!」


 兄妹は、ぼくの前に膝をつく。


「ありがとう、心優しき精霊の勇者よ」

「我ら精霊王、誠心誠意、この世界のために尽力することを誓います」


 こうして。

 長い長い争いは、終わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ