201話 みんなのもとへ【前編】
ぼくは未来神クトゥルーとの戦いに勝利した。
宇宙空間での戦いを終えて、ルルイエさんはお兄さんであるクトゥルーと和解したみたい。
「エレン。すまなかった。ボクが間違ってたよ」
青い星を背景に、クトゥルーがぼくに、頭を下げてきた。
「僕からも謝るよエレン。愚かな兄を許してあげて」
「いや……それおまえが言うの……?」
「なんだよ愚兄」
「おまえのことだよ愚妹」
あ……? とにらみ合う精霊兄妹。
「これからはみんな仲良くしようね!」
「「チッ……」」
嫌い合っているようだけど、ぼくは知っている。
ルルイエさんはお兄さんのこと嫌いじゃないし、クトゥルーもまたルルイエさんのこと、憎からず思ってるって。
「じゃあ帰ろうか」
「いや、その前に……やるべきことがあるよ」
「「やるべきこと?」」
ぼくは霊王の鍵を手に持ってうなずく。
「借りたもの、返さないと」
「まさか……エレン。皆からもらったスキルを、地上に返すのかい?」
「無茶だろ。精霊は、魔竜を撃破したときに死んだはず……」
クトゥルーの言葉にぼくはうなずく。
「うん。だから、今ここで、新しい精霊を作るんだ! 3人で協力して……!」
精霊王は精霊を生み出すことができるらしいからね。
「い、いやエレン……そりゃ確かに霊王の力は、精霊を生み出せる。けど今回バカ兄貴にとりついた魔竜を撃破するときに、この星にすむ人間の精霊を全部使っちゃったんだよ?」
「うん、それが?」
「それがって……」
「ルル。諦めろ。この勇者様は、どうやっても、みんながハッピーエンドになることをご所望のようだ」
ぼくはクトゥルーと、ルルイエさんの手を握る。
「ぼくらならできるよ! この星全員分の精霊を作り出すことくらい!」
ルルイエさんは、あきられたようにため息をつく。
「エレンは頑固だねぇ。わかった。おいバカ兄貴、力を貸しなよ」
「うるせえ愚妹。そっちこそ力貸せや」
「もうっ! 違うでしょ!」
ぼくは兄妹を見て言う。
「力を合わせて頑張ろう、でしょ!」
「「……力を合わせて頑張ろう」」
よし! これでおっけー!
「じゃあ、いこう!」
ぼくはルルイエさんと、そして、クトゥルーを身に纏う。




