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200話 決着【中編】


 勇者エレンの聖なる一撃を、クトゥルーは真正面から受けた。


 クトゥルーはまばゆい光の中で、在りし日のことを思い出す。


『次期精霊王は、ルルイエとする』


 先代の精霊王、つまりクトゥルー達の父が、娘達にそう言った。


『な、なぜです!? なぜ男のボクではなく、ルルなんですか父上ぇ!?』


 くってかかる息子に、父が答える。


『貴様が精霊王に向いていないからだ』

『そんな! ボクの方が強いのに……!

 ボクの方がふさわしいはずなのに……!』


『貴様ではダメなのだ』


 必死に訴えるも、父は考えを変えてくれなかった。



『どうしてだよぉ! ボクの方が兄貴なんだぞ! 王を世襲するのは、男である僕のはずだろぉお! くそぉおお!』


 結局、精霊王の力はルルイエに譲渡された。


 だが、ルルイエが王にふさわしい振る舞いをしているとは到底思えなかった。

 時に思い悩み、時に友の死に悲しみ……時に、好きな男のために力を使った。


 その姿は精霊の王にはとても見えなかった。


『ボクの方が上手くやれる。絶対、間違いないのに……!』


 ルルイエの行動を監視しながら、クトゥルーは歯がみする。


『ボクが、ボクのほうこそが、精霊王にふさわしいんだ……! 父上は間違っている、ルルも間違っているんだ……!』


 ……場面が暗転する。


 真っ暗な闇のなかを、クトゥルーは漂っていた。


 じわり……とクトゥルーは孤独に涙を流す。


「ボクが……間違っていたのかよ……」


 霊王の力を持つ者同士の戦いに敗れ、クトゥルーは自らの無力さに涙を流す。


 自分の方が、精霊王の力を多く持っていた。


 だというのに、たかが人間に敗北してしまった。


 同じ力、違うのは、その力を使った者と、その使い方の差。


「……結局、ボクが、ダメだったってわけかよ……」


 クトゥルーが涙を流す。

 そこへ、ルルイエが現れた。


「……やぁ、ルル。わかっている。君が現れることはね」


 弱々しく、クトゥルーがつぶやいた。


「……あれだろ、いつもの。ペナルティを下しに来たんだろう?」


 かつてルルイエが、敗北した悪人達に、様々なペナルティを与えてきた。


 悪である自分にも、それを下しにきたのだろう。


「いいよ。もう疲れた。ひと思いに……やってくれよ」


「……わかった」


 ルルイエは近づいてきて、しゃがみ込む。

 クトゥルーは諦めたように目を閉じて、裁きを待つ。


 そして……。

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