199話 この星に住まう命の輝き【中編】
宇宙空間にて、ぼくの右手に握られている光の剣を前に、クトゥルーはたじろぐ。
ぼくは背中から生える不死鳥の翼をふるわせ、ヤツの懐へ潜る。
『はっ! バカが! これに触れれば貴様とてただではすまないぞ!』
「せやぁああああああああああ!」
光の剣は、しかし、クトゥルーの右足を切り飛ばした。
『うぎゃぁああああああああああ!』
黒い血を吹き出しながら、クトゥルーは叫ぶ。
『どうなっているぅうううううう! わが星食みの魔力は、触れた者全てを食らうはずなのにぃいいいいい!』
「この剣は、みんなの思いが詰まった、特別な剣だからだ!」
『思い、だとぉ……!』
『この極光の剣の正体は、星から集めた精霊の輝きさ』
『精霊の輝き……ま、まさか! あの星に住まう、人間達が所有する、スキルの源泉たる精霊だとでもいうのかぁ!』
その通りだ。
この光の剣は、星に住まう命から精霊をもらって作られている。
破壊の魔力が剣を消そうとする瞬間、今なお供給され続けている精霊の力によって、消されたそばから修復している。
『あ、あありえん! なぜならその剣を作るために、星に住む人間達は自らの精霊を手放したということ……つまり、スキルが使えなくなったということだぞ!?』
愕然とした表情のクトゥルー。
『ま、またルルが理不尽に、相手からスキルを剥奪したのか!? そうだろう!?』
「それは違う!」
ぼくは決然と言い放つ。
「みんなが、自分の意思で、星を守るために……スキルを差し出してくれたんだ! 簒奪とは違う……!」




