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17話 吸血鬼の住む館



 ぼくたちはSランク冒険者になるために、認定試験を受けることになった。


 トーカの街を出て、吸血鬼の住むという館を目指していた。


 長く広い川を北西に上っていくと、【ニム】という大きな森にたどり着いた。


「このニムのブナ林を抜けた先に、吸血鬼の住む洋館があるのサ」


 Sランク冒険者のナルシスさんが、気取ったポーズで言う。


『なにゆえこの男が一緒に居るのじゃ?』


 はて、とぼくの頭の上で、カレンが首をかしげる。


「試験監督だよ。ぼくらの活躍を記録し、ギルドに報告するんだ」


「その通り。あくまで監督役だからね、ワタシは君たちがピンチになっても手を出さないヨ。もっとも……ワタシに泣いて縋るようだったら、助けてあげてもイイケドネ」


 ばちんっ、とアスナさんに向かってウインクする。


 彼女は対外用の笑みを浮かべながら、一歩後ずさっていた。


「さてここからが試験だ。なにせこのニムの森、【霧の幻術結界】が張られている」


「霧の幻術結界?」


「入ったものの方向感覚を狂わせる幻術魔法だね。準備もなく入ると、霧の中で一生さまようことになる。ワタシたちもかなり苦戦させられたものだよ……」


 深い森の奥からは、白い霧が見て取れる。


「じゃ、アスナさん、ぼくについてきて。ラン、みんなが迷子にならないようにサポートね」


「わかったわ」「わんっ!」


 ぼくは先頭に立ち、一列となって歩く。


 ぼくには【案内矢印ガイド・カーソル】というスキルがある。


 目的地を森の洋館にセット。

 それに従って歩くこと、10分。


「到着っと」

「なにぃいいいいいいいいいい!?」


 ナルシスさんが仰天して、目の前の洋館を見上げる。


「そんなバカな!? 10分で到着しただと!? ワタシたちだって万全の準備をしても、半日かかったというのに!」


「「え……?」」


 ぼくとアスナさんは、ナルシスさんを見やる。


 半日もかかったの?

 こんな近くにあるのに……?


「ま、まああのときは……そう! 雨も降っていたから! 時間掛かったのだヨ!」


 まあそうだよね。

 でなければ、10分でつく場所に半日もかけないだろうし。


「じゃ、中に入ろうか」


「ふ、ふんっ! 果たして簡単に入れるカナ!」


 洋館の入り口は、鉄製のドアとなっていた。

 

「固そうだね」

「そう! この扉は固定化の魔法が掛かっている! 力自慢の大人数人掛かっても開けられぬ扉……」


 シャランッ、とアスナさんが剣を引き抜く。


「セヤァアアアアアア!」


 彼女の剣が、鉄の扉を容易く切り裂いた。

 ずずんっ、と音を立てて、扉が後ろに倒れる。


「さぁ、いきましょう」

「えぇええええええええ!?」


 ナルシスさんが再度、声を張り上げる。


「嘘だろう!? 強力な固定化魔法がかかっていたんだヨ!? それをこんなバターみたいに……」


「エレンの力のおかげよ」


 剣聖のスキルには【絶対切断】という、万物を切り裂くスキルがあるんだ。


 アスナさんはそれを使って、固定化の魔法ごとドアを斬ったんだ。


 ぼくらは切断された扉をまたいで、屋敷の中に戻る。


「壊しちゃったから、ちゃんと直さないとね」


 ぼくは【修復】スキルを使って、半分になった扉を元に戻す。


「なんだってぇええええええ!?」


 ナルシスさんがぼくの肩を掴んで、がくんがくんっ! と揺する。


「きみ! 今! 何をしたんだネ!?」


「え、ドアをスキルで直したんですけど……他人の家を破壊したままじゃ悪いですし……なにか問題ありました?」


「おおありだヨ! 今のは修復スキル! あらゆる壊れた無機物をなおす、Sランクスキルじゃあないかッ! きみ、職業は!?」


「た、ただのテイマーですけど……」


「嘘をつけぇえええええ! テイマーにこんな芸当ができてたまるかぁああああ!」


 見かねたアスナさんが、ぼくをかばうように、抱きしめる。


「詮索はこれくらいにしましょう。この試験はあくまで吸血鬼を討伐できる力があるかどうかを見るのだから、スキルの詳細まで話す必要はあるの?」


「そ、それは……確かにそうだけれど……」


 ホッ、とぼくは安堵の吐息をつく。


「……ちゃんと私との約束守って、精霊使いだって明かさなかったわね。偉いわエレン♡」


 アスナさんがぼくを抱きしめてくれる。

 甘い花の蜜のような香りに、ぼくはクラクラしてしまう。


「わんわんっ! うー! わんっ!」


 ぐいぐい、とランがぼくの服をひっぱる。

「敵かい?」


 こくこく、とランがうなずく。


「敵が近くに居るそうです」

「そ、そんなバカな……どこにも見当たらないじゃあないカ?」


 アスナさんは剣を抜いて、ダンッ……! と走る。


「セヤァッ!」


 彼女の剣が斜めに走ると、すぅ……とそこに何かが現れた。


 ボロ布を纏った骸骨のようなモンスターだ。


「さ、【サイレントアサシン】!? 完璧に気配を消す【隠密】スキルを、こうもあっさり看破するなんて!」


 絶命しているモンスターと、そしてぼくとランを見やる。


「なにものなんだそのオオカミは!?」


「オオカミじゃありません。彼女はラン。ぼくの信頼できる相棒ですっ」


『ああ! 若様がほめてくれてますっ! 天に! 上る! うー! はー!』


 コロコロとランが地面の上で転がっていた。


「信じられない……隠密を見破る従魔をテイムしているだって……? 何者なんだい、あのテイマーの少年は……!」


 その後も出てくる敵は、ランがすべて看破した。


 ザコ敵はランが威嚇して追い払ってくれるし、少し強そうな敵はアスナさんが一刀両断する。


 そんなふうにしながら、館の中を探索した。


「あとはこの部屋だけだね」


 廊下の奥に、一際大きな扉があった。


 その前には……首のない鎧が置いてある。


「ま、まあ……ここまでは見事といってもいいだろう……しかしダネ! 最後の門番であるこのデュラハンは……」


「邪魔だなぁ……よいしょー」


 ぼくは鎧を掴んで、持ち上げる。


「なっ!? いつの間に! それに、あんな重い鎧を……片手で持ち上げるだとぉ!?」


「アスナさん、これどうします?」

「モンスターみたいだから倒して良いわ」


「了解! ふんっ!」


 ぼくは犬人コボルトからコピーした【腕力向上】スキルを使って、鎧を投げ飛ばす。


 廊下の奥の壁に激突すると、バラバラに砕け散った。


「…………」


 ぺたん、とナルシスさんがその場にへたり込む。


「そんな……ワタシたちが苦戦を強いられ、撤退させられた敵を……あっさり倒しただって……?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 抱きしめるーとか、胸の感触がーとか、同じくだり何回やるのか?
[一言] とりあえずこれだけは言わせてくれ。 つまらん。 もう、なんちゃって小説家は辞めろ。
[気になる点] 同じSランクでも天と地ほどのさがあるか、 ナルシスは何らかのズルをしてSランクになったのかな。
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