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10話 新しい日常



 ザックと決別した、翌日。


 ぼくは、実家に帰省していた。


 朝。

 目を覚ますと……そこには、美しい女性が眠っていた。


「すぅー……すぅー……」

「あ、アスナさん……」


 ぼくは昨晩のことを思い出す。


 ギルドを出たぼくたちは、テレポートで実家に戻った。


 ジョエルおじいさんは、病気は治ったとは言え、まだ体調は万全ではない。


 だからしばらく滞在することにした。


 けどここで一つ問題が。


 この家では、ぼくとおじいさんの2人暮らしだった。


 つまり、相棒であるアスナさんの、寝る場所がない。


 泊めてくれる人を探そうとしたけど、アスナさんは床で寝るといってきた。


 そんなの駄目だよ、というと、じゃあ一緒に寝ないかと提案してきた、という次第。

「ぼくのこと……まだ子供だって、思ってるんだろうなぁ」


 弟と一緒に寝るような感覚なのだろう。

 うう……ちょっとショック……。


 けれどなぜだか、顔を赤らめて、早口だったのはなんでだろう?


「エレン! えれーん!」


 窓から赤いヒヨコが入ってきた。


 彼女は途中で変化すると、人間の姿になる。


「ああ良かったのじゃ! あの女に【食われて】しもうたのかと思って心配しておったのじゃ!」


 カレンはぼくのことを、ぎゅっと抱きしめる。


 大きな乳房に、ぼくの顔がはさまる。

 果物のような甘酸っぱいにおいと、とろけるような柔らかさにクラクラする。


「く、食われるって……大げさだよ。アスナさんはモンスターじゃないんだよ?」


「いや! モンスターじゃ! 恋する乙女という名のな!」


 カレンの言ってることが、さっぱりだ。


「どちらが添い寝するかでバトルしている間に! 抜け駆けされたではないかぁ! バカ犬ぅ!」


 にゅっ、とベッドの下から、相棒の神狼フェンリル・ランが顔を出す。


「ラン。おはよう」

「きゅーん……♡」


 ランはぼくのそばに座ると、顔をペロペロとなめる。


「貴様も抜け駆けしよってええ!」


「カレン、声が大きいよ。アスナさんが起きちゃう」


「わふふん。ぷぷぷっ」


 ランがなぜか勝ち誇った顔で、ぼくの顔をまたペロペロする。


「上等じゃ! 表に出ろこの駄犬! 焼き殺してやる!」


 カレンはランを抱きかかえると、テレポートして出て行った。


「ふぁー……」

「アスナさん! おはようございます!」


「おふぁよぉー……エレンく……ふぁー……」


 ふにゃふにゃとした微笑みを浮かべながら、アスナさんが言う。


 まだ寝ぼけているのか、目が開ききっていない。


「騒がしくしてすみませんでした」


「だいじょーぶ……だいじょーぶぅー……」


「それと、その……寝苦しくありませんでした? その……ふたりで使ってるから、ベッド狭かったでしょうし……」


「らいじょー……ぶー……ぐぅー……」


 くらり、とアスナさんがぼくに、寄りかかってくる。


「わわっ!」


 ぼくは彼女に、のしかかられ、そのまま押し倒される。


 そのまま、ぎゅっ、と抱擁された。


「あ、アスナさんっ。どうしたんですっ」


「ふへへ~……♡ ちっちゃくって、あったかくって……ちょうどいい抱き心地ぃ~……♡」


 むぎゅむぎゅ、すりすり。


 アスナさんがぼくを、まるで抱き枕のように、くっついてくる。


「こ、これは寝ぼけてる……アスナさん! 朝です! 朝ですよアスナさーん!」


 ……ややあって。


 朝食の席にて。

 おじいさんはまだ眠っている。

 カレンとランは外で元気にプロレスをしていた。


 ぼくの用意した朝食を、アスナさんとふたりで、食べている。


「エレン、その、本当にごめんなさい」


 ぺこっ、とアスナさんが頭を下げる。


「私、すごい低血圧なの。朝がとても弱くって……何か、寝ぼけて迷惑をかけたりしなかった?」


 今朝のことが思い起こされる。

 

 アスナさんの大きな胸の感触と、花のような甘い匂いが……。


 だ、駄目だ!

 エッチな目で見ちゃ!


「その様子だと迷惑かけちゃったのね……ごめんね……」


 しゅん、とアスナさんが肩をすぼめる。


「そんなことで謝らないでください。ぼくたち仲間じゃないですか」


 ジッ……とアスナさんがぼくを見やる。


「ねえ、エレン。前から思ってたのだけど、敬語……もうやめない?」


「え……?」


 彼女は頬を染めながら言う。


「私たち……その、相棒。うん、相棒なのだから、敬語を使うのはおかしいと思うの」


「そ、そういうもの……ですか?」


 すっ……とアスナさんが人差し指をのばす。


 ぼくの唇に、ちょん、と乗っける。

 わわっ。わわわっ。


「だーめ。敬語禁止」


「えっと……はい。わかりまし……わかったよ」


「うん、よろしい♡」


 ふふっ、とアスナさんが微笑む。


 ……今朝の彼女は、いつもの軽鎧と違って、私服姿だ。


 ロングスカートに、白いシャツというラフな格好。


 いつもの凜々しいたたずまいとは違った姿に、ぼくはドキドキしてしまう。


「どうしたの、エレン?」

「えっ!? いいや! なんにもっ?」


 まさかばか正直に思ってること打ち明けることもできないし……。


「わぉおおおおおおん!」


 ばりーん!


 ランが窓ガラスを割って、中に入ってきた。


「こら! ラン! なんてことするんだ!」


 ランがぼくの前に立つ。

 まるでアスナさんから、ぼくをかばうようにして、毛を逆立ててた。


『若様は渡しませんっ。たとえアスナ様でもですっ』


「ラン……? 今、おまえしゃべってなかった?」


 ハッ! とした表情のラン。


「きゅ、きゅーん?」


 はて、ととぼけた表情になる。


「こら駄犬! そこに居たかぁ! わらわに抜け駆けしてエレンと戯れるでない!」


 カレンが窓から躍り出て、ぼくに抱きつく。


「エレン♡ わらわの可愛いエレン♡ 今日もそなたは素敵じゃのぅ♡」


「わん! わんわんっ!」


 にぎやかな彼女たちを見てると、元気になれる。

 これが、新しい、ぼくの日常だ。


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― 新着の感想 ―
一般に出回っているらしいガラスだけど、パリパリ割られるとガラス代も馬鹿にならなくなる………………ww
[気になる点] そういえばサイクロプス程度にワンパンされるフェンリルってどうなんだろ? この世界じゃフェンリルは低ランク?力を封印でもされてる?
[良い点] ない [気になる点] ない [一言] とてもつまらない
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