6月15日木曜日 放課後 アンケート開票
吉良小夜子
放課後、15時30分過ぎに再び集合して投票箱と机を設置した。日暮教頭先生が睨んでいたきがするけど何を今更。定刻15時45分になると生徒が帰る前に、部活に行く前に一票を入れて行こうと30人ぐらいが待ってくれていた。ありがたい。
向かい側の生徒自治会室と会議室がある中央校舎1階では開票作業が始まっていて、そちらもそちらで賑やかになっていた。
こちらはこちらで待ち行列が伸びすぎないように必死で対応していたので、次第に開票結果は気にならなくなった。立ち会いには私の陣営からは松平さん、古城さんの陣営からは加美さんが行っているので任せておけばいい。
17時前には投票の行列もあらかた解消した。投票数をカウントしていた水野くんに声を掛けた。
「水野くん。投票数はどうなってる?」
彼はにんまりと笑った。
「たった1日の案内だったのに凄いね。500越えてるよ」
生徒数600なので、8割を越えている。結果次第で新執行部の仕事は決まるだろう。
私達も開票作業に入るため中央校舎1階の私の方の選挙事務所としていた空き教室に投票箱など運んで机も戻した。
教室では開票立会人を3年生の音田先輩と保阪先輩にお願いして、1,2年生の立ち会い人と各陣営運動員が混じって開票作業を開始しようとした。そこに宮丈と岡本先生と小川先生がやって来た。
「先生方、どうかしましたか」
「立ち会い、学校側もいた方がいいだろうと思って志願者3人で来た。岡本先生の発案だ」と宮丈先生が言った。
「保護者への意向調査は必要だと思うが、生徒の意見はこれである程度分かるんだろう?であれば疑いの余地がないようにはしておいた方がいいと思ったので宮本先生と小川先生に相談して来て頂いた。見学していていいかな?」と岡本先生。
「勿論です。協力感謝します」
私と古城さんは深々と頭を下げた。
古城ミフユ
アンケート投票の開票も順調に進んだ。学年毎で3箱の投票箱なので3つ机の島を作って、賛成・反対で分けて50票ずつで束を作っていく。そして立ち会い人二人と先生方がいる別の机の島でそれをチェックして間違いがないか確認してまとめていく。
最終的に次の結果が出て、宮丈先生、小川先生、岡本先生がこれを数えて確認してくれた。
投票総数:523
制服追加案への賛成:412
制服追加案への反対:101
無効票:10
小川先生が最後に数え終わった。
「合っていますね」
先生方三人も立ち会い人の確認書に一筆署名と押印をしてくれた。
そこに選挙管理委員をしている2年B組の地図ちゃんこと木曽さんが三つ編みを跳ねさせながら飛び込んできた。
「古城さんと吉良さん、生徒自治会会議室へ来てくれる?」