表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/70

6月15日木曜日 投開票日の朝、学校にて

松平桜子


 つい、今日の朝早く学校に来てしまった。正門前で加美さんと出会った。

思わずお互いに睨み合ってしまったが、昨日の事を思い出してフッとそれも消えた。

「おはようございます。松平先輩」

普段の厳しいまなざしはなかった。

「おはよう。加美さん」

「選挙運動も終わったのに早いですね。先輩」

「つい昨日までの感じで起きちゃって。家にいたって仕方ないから早めに出ただけ。加美さんは?」

「同じ理由です。落ち着かないからさっさと登校しました」

一緒に中央校舎の1階の下駄箱コーナーへ向かった。気になっている事を一つ聞いた。

「加美さん。古城さんが文化祭の2日間案に飛びつくってどこで決めたの?」

「討論会の申し入れがあったから何か新提案があるのだろうなと予想して内容を聞いて古城先輩がその場で決断する事を決めていただけです。こちらから意見をサインで送る話もしてましたが使う機会なかったですね」

「そんな理由だったの?」

「そういう理由です。でも吉良先輩の昨日の反撃には本当に驚きました」

「そっちのやった事の応用だけど、吉良さんが制服の事でどうあるべきかってちょっと考えが変わったとは思う。あの子の生真面目さを考えたらこの選挙戦前だったらあり得なかった」

「みんな驚いたんですけど味方が増えるのは歓迎です。まずは今日の昼休みと放課後はよろしくお願いします」

「想像外の展開ね」

「それはこちらの台詞だと思います。松平先輩」

そういうと加美さんは笑ったので笑い返しておいた。


 中央校舎2階に出た。私は連絡通路を通って北校舎2階の2年生の教室へ行く。1年生は中央校舎3階なのでここで加美さんと別れた。

「じゃあ、またお昼休みに」

「はい」


日向肇


 朝のHRで投票になった。俺は推薦人だったので選挙管理委員にはなっていない。B組では地図ちゃんこと木曽千鶴子さんが代わりに選任されていた。投票箱は割と小さい。

 木曽さんが教壇に立つと先頭から投票用紙が回ってきた。

「これから生徒自治会長選挙の投票を行います。最初の投票希望する人は挙手して下さい」

最初に投票する人(希望者から厳正なるジャンケンで選ばれた)が投票箱の中身を確認。そして木曽さんが施錠して確認者が署名すると順番に投票用紙を入れて行った。10分もかからないあっけない作業という感じはある。


 木曽さんが投票箱を持っていく前にみんなに声がけした。担任の吉川先生は良い顔していないが、曲がりなりにも生徒自治会の後援事業なので気にせず言う。

「今日のお昼休み12時45分からと放課後15時40分から17時まで候補者両陣営共同の制服追加意見調査の投票をやります。中庭に投票所を設けるので帰る前に投票をお願いします」

 選挙結果は大村会長が率いる選挙管理委員会で今日の夕方の開票で分かる。ある意味お任せだ。それよりも制服追加意見調査投票の方が今や大事かも知れない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ