6月11日日曜日 中央図書館 調べ物とNDC9分類
古城ミフユ
中央図書館はJRターミナル駅に隣接してあった。
ミアキは児童書コーナーに行きたいというので、何かあったらレファレンスカウンター付近を探すように言って別れた。
「他の場所に行っちゃダメだからね」
「分かってるって!後でね」
ここは市内の他の図書館・分館と異なり新聞のデータベースサービスも利用できる。人捜しするならここだろう。レファレンスカウンターでデータベース利用申込書を書いて渡すとスタッフの人が検索端末に案内してくれた。当然ながら普通のPCだ。私は両親の指導で小学校高学年あたりから家のPCでキーボードとマウスを使うようになっていた。
「タブレットも良いけどワープロ使うにしても長文ならちゃんとしたキーボードとローマ字入力はマスターしておいた方がいいからね」とはお母さん。
お父さんからも仕事でよく使う実感からか「生産性が違うからちゃんとマウスとか慣れておきなさい」と言われていた。おかげでこういう時戸惑わなくて済む。
検索用PCである全国紙の検索サービスを選択して検索キーワードに「鳴海寛」を指定して検索してみた。
検索結果0件。
じゃあ「県立中央高 寛」はどうかな?
検索結果10件。
内容を見ていくと大半は関係ない記事だったけど1件だけ気になる記事があった。
「安達寛」という人の略歴で県立中央高の卒業生だとの記載。2014年の記事で新聞社系出版社の週刊誌編集長の名前として載っていた。1964年生まれ。1980年4月県立中央高入学。
時期的にはこの人とみてよさそう。結婚か何かで姓が変わったのかな。検索結果をプリントアウトするとカウンターの方にお礼を言って児童書コーナーに向かった。
児童書コーナーではミアキが待っていた。
「お姉ちゃん。ここ、翻訳小説のコーナーもあるよね?」
海外ミステリー映画やドラマの原作本とか探してみたいんだという。
「あるよ。市の一番大きな図書館なんだからね。当然じゃん」
という事で9分類の文学のコーナーへミアキを連れて行った。
まだこの子の漢字知識じゃ読めないと思うのだけど、去年文化祭である図書委員の先輩が色々と吹き込んでくれたおかげで、原作本の表紙を見てみたいという欲求があるみたい。少しずつ読めるようになってるよ!って力説はされてる。
音田しのぶ先輩はやっかいな趣味をミアキに教えてくれちゃったなあ。学校図書室に本を借りに行くと音田先輩が「これ、ミアキちゃんに見せてあげたら?」って追加してくるのだ。しばらく行かないと「たまには寄りなよ」って言ってくるし。なんというサジェスト機能。10年後にミアキが高校生になって音田先輩が国語か司書の先生で同じ高校にいたりしたらどうなるんだろう、なんて事を想像してクスリとしてしまった。
「お姉ちゃん!何か面白い事でもあったの?」
「ごめん、ごめん。単なる思い出し笑いだから。さ、行こ」