表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/70

6月11日日曜日 図書館へ行こう

古城ミフユ


 10日は模擬練習の後、月曜日からのスケジュールを確認して散会となった。みんなで食事をして頑張ろうと奮起するのは効果あるなあと思った。両親とミアキのおかげだ。感謝。

 翌日11日は特に集まらずみんなゆっくりしようという事になった。こちらが話す内容はもう出来ていたし、政見放送や公約考えればもう打つ手はない。あとは抱き着き作戦をやるかどうかぐらいだけど、これは私の臨機応変さに掛かっている(とは言え、それだけじゃ怖いのでみんなとは簡単なサインは決めておいた)。


 私は朝食後、勉強机の椅子に座って考えていた。ちょっと気になる事があったのだ。学校の図書室で中央高新聞のバックナンバーで気になった部分をスキャンしてタブレットPCに入れてあった。

ビューワーソフトをタッチして中央高新聞のファイルを開いた。読み直して改めて経緯を箇条書きにしてまとめた。


・1981年6月の生徒自治会長選で鳴海寛が立候補して当選

・公約で制服改革を提案。学校側もこの話を好意的に受け入れ保護者を巻き込んで話は順調に進んだ。

・鳴海会長の代は1983年3月卒業。この時に生徒自治会と保護者会、学校を巻き込んで卒業生の制服を制服リサイクル業者が間に入って買い取って点検と補修、クリーニングを行った上で新1年生と在学生に廉価販売する仕組みを実施。これは今も続いているブレザー制服の伝統となった。


 こうやって改めて1980年代にあった制服変更の経過を見ると実の所極めて順調に行われている。鳴海会長の指導性はどちらかというと制服のリサイクル事業の実施の方で発揮されたようにすら見える。この鳴海先輩についてもう少し調べてみたいな。

 私は部屋を出ると階下のリビングへ降りた。妹がテレビで海外ドラマを見ていた。

「ミアキ、お父さん、お母さんは?」

「買い物行ってくるって出かけたよ」

「ふーん。私、これから中央図書館行くけど一緒に行く?」

「うん。本を見たいから一緒に行く」

「じゃ、自転車の用意して」

「はーい」

テレビを消すと妹がパタパタと支度をしに2階へ上がっていった。その間にお父さんとお母さんにメッセを送った。


ミフユ:ミアキと二人で中央図書館に出かけるからお昼は外で食べてくるね。

お父さん:了解。ふむ。それじゃお母さんと僕はどうしようかな。

ミフユ:カフェにでも行けば良いのに。

お父さん:それはいいな。良いアイデアだね。ありがとう。


 お父さんの返事にちょっと笑う私。


 私と妹は自転車とJRを乗り継いで市の中央図書館に向かった。

「みんなに美味しいって言ってもらえるのってうれしいね」

「ほんと、そうね。ミアキもありがとうね。みんなかわいいシェフだっていってたよ」

「お姉ちゃん。助けてくれているみんなのためにも当選するように頑張ってね!」

なんだか逆に励まされてしまった。この子も小学2年生になって身長は伸びるし言う事も少し大人びてきたなあなんて遠い目をしてしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ