6月 9日金曜日 政見放送2
「次は吉良さんの政見放送です」
「2年D組の吉良小夜子です。私は古城さんが自ら立候補するとの意思を固めて立ったのを見て、これでいいのだろうかと思い出馬を決意しました。信任投票になれば、古城さんは当選したでしょう。ではその公約はどうなるのか?その事をきちんと確認して問題があればこれに代わる候補が必要だろう。そう私は考えました。
そして、私は会長を目指すからにはどうあるべきかとの日頃の思いを公約として掲げることにしました。
一点目は文化祭の節度ある発展です。我が校の文化祭は地域住民の方にも来ていただける伝統あるものです。ただここ数年の展示のあり方には疑問の声もあります。クラス展示についてはもう少し内容の規定を見直すべき時が来ています。個人的にはクラス内で人気投票を行うなど言語道断だと思います。
二点目は中央高生のボランティア活動の支援です。昨今の報道ではボランティアにより地域おこしなど推進する施策が多くなってきていて高校生にも期待の目が向けられつつあります。待ちの姿勢では私たちにとっていやな取り組みを押しつけられる可能性があります。そういうのを避けるにはどうするべきか。こちらから先に手を挙げて自らの企画で事を行う方が面白いと思いませんか。
三点目は学食メニューの見直しです。今の学生食堂は安くて総じて美味しいと思いますが、ヘルシーな定食メニューがないと思います。私はこれが不満でした。当選した場合は学生食堂運営企業の方に改善をお願いしていきます。
着実な改革。これをスローガンとして生徒自治会活動にあたる事をここで皆さんにお約束します。生徒自治会長に私、吉良小夜子をよろしくお願いします」
「続いて吉良小夜子さんの推薦人、松平桜子さんと水野直さんからの推薦コメントを放送します」
「2年C組の水野直です。学食改革について彼女から話を聞いて推薦人となりました。学生食堂は我々中央高生の憩いの場です。ここのメニューは昔ながらの内容となっていて我々のニーズと乖離している面があります。吉良さんが会長となればこの点を執行部で取り上げて学校と学生食堂運営企業と折衝していける。彼女の得票数はそういう意味も持ちます。吉良さんを生徒会自治会長へ。よろしくお願いします」
「2年A組の松平桜子です。古城さんは私と一緒のクラスです。彼女も優れた人物だと思っていますが、吉良小夜子さんはもっと幅広い視野で物事を考える優れた人物です。この二人を選ばなければならないとしたら、私は吉良小夜子さんを選びます。
彼女は誠実です。彼女だけ得するような事は考えず、彼女自身がマイナスとみられる事でも向き合って相手に伝えます。
ボランティア支援はその最たるものでしょう。でも社会の流れは着実にこのような空気になりつつあります。彼女はそれに向き合っているだけなんです。
彼女が生徒自治会長になれば、中央高生だったら信頼できると周辺住民の方々にもっと思っていただけるようになると確信してます。
生徒自治会長には吉良小夜子さんに一票を投じてください。
よろしくお願いします」