表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/70

6月 1日木曜日 校長室 妨害指令1

日暮ひぐらし一矢いちや


 岡本先生に引き続いてB組、E組の担任らへの事情聴取を終えると宮本先生にも席を外してもらい、斎藤校長と二人で今後の対応を話し合った。斎藤校長は穏健派と言ってよく、生活指導強化については乗り気ではない事はこの2ヶ月で身にしみている。2人で応接セットのソファーに座ると校長先生からは案の定な事を言い出された。


「教頭先生、古城さんの個人情報は確認されましたか?」

「いえ、まだそちらは確認していません」

「そうですか。彼女のお母様は大学の史学研究者だそうですよ。下手な事をやれば抗議がくると思っておくべきじゃないですかね」

「はあ」

大学の先生ぐらいで恐れてどうすると思った。取り合う気になれないし、校長先生もそこはどうでもいいらしくあっさり話を変えた。

「ところで対立候補はいないのですか?」

「今のところそういう情報は得ておりません」

「告示日から1週間が立候補受付期間ですな。信任投票にはしたくないでしょう?」

「確かに」

 校長先生は廊下の扉の方を見やりながら対応策について示唆をされた。

「私はこの件については指示はしません。が、適当な立候補者の擁立促進は目をつぶりましょう。どうなされるかは教頭先生にお任せします。行き過ぎは禁物です。その点だけは守って下さい」

なんて事はなく校長先生も自分と一緒だった。古城を受け入れる気はない事が分かってホッとした。

「分かりました。私の判断でその点は適宜対応します」


 そう言うと教頭先生も校長室を出た。この時、教頭先生は「この狸は俺に汚れ仕事をやらせるつもりだな」と解釈していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ