護衛
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前回同様に集められた重臣達、その表情は険しかった。 今回は事前に審議する内容を聞いている為である。
「どうする? 殿下を魔王と戦わせる等出来んぞ、殿下は王国の未来を担う方だ」
「分かっておるわ、しかしこのままでは魔物と不作で国がいずれ滅ぶ。 魔王は封印せねば」
「ならばあの殿下を生贄にしろと卿は言うのか」
「そうは言ってはおらん、揚げ足を取るな」
王達が到着する前から混迷を極めていた。 各々が言い合っていると、扉が開きキングス王達がが入って来た。 途端に口を閉じ頭を下げ促され席につく。
「皆分かっていると思うが、王子の紋章の件だ」
「……陛下御察し致します」
「うむ、だが今は落ち込む時ではない、皆の知恵を絞る時ぞ。 で宰相どうであった?」
「はっ王国にのある文献数百年分を調べました、やはり勇者が戻った記述はありません」
「やはりそうか、そもそも何故戻って来ぬのだ? 過去に調査は行っておらんのか?」
「文献よると調査事態行っておりません。 理由は色々ある様ですが、封印後とはいえ非常に危険である事、それと歴代の勇者は平民であった事も原因かと。 実際先代勇者は西の国の男だと聞いております」
重苦しい空気が流れる。 当事者のカイゼルは瞑目し思案しているかの様に振る舞っていたが内心焦っていた。 このままでは魔王と戦って死ぬか、よしんば勝てても何等かの理由で帰って来られない。 どちらに転んでも身の破滅。
(どうする、どうする、どうする、くそっ良い案が浮かばねぇ こうなったらいっそ……)
「宰相殿、宜しいか?」
「はい、将軍何か?」
沈黙を破ったのは王国の将軍だった。
「この魔王封印は勇者一人でないと駄目なのか?」
「え~お待ち下さい。 基本勇者一人で行くようです、先ほど申し上げた先代勇者も一人で向かったと聞いております。 無用の犠牲をなくす事と勇者には神の加護が付き常人より強靭になるため一人でも可能である、以上の理由で勇者単独が多いのでしょう……しかし勇者に護衛ないし同伴者を付けた時代はあった様ですな。 しかしこの時の同伴者達も帰還しておりません。 推測ですが、道中又は、魔王と対峙した時に死亡したかと」
「だが勇者単独よりかはまだ帰還の可能性があるのではないか?」
「否定は出来ませんが……陛下のお考えは」
将軍と宰相の話を聞いていた王は将軍に尋ねる。
「将軍、同伴させたい者に誰か心当たりでもあるのか? 」
「はい、先日兵士の話が耳に入って来たのですが、王国最強と噂される男が旅から帰ったらしい、と」
「王国最強? それは国軍の近衛隊ではないのか? あの者達は精鋭であろう?」
「左様です陛下、しかしそれは軍内部の話です。 私自身確かめた訳ではないのですが、以前から兵や民の間でそう囁かれているそうです」
「その者は軍兵ではないのか?」
「はい、普段は魔物狩りの依頼を、なければ諸国を旅して己を鍛えているそうです」
「魔物狩り……その者に王子の護衛をさせようと?」
「左様です、狩りの知識と噂の半分でも実力が有れば王子の護衛として役立つのでは?」
王は目を閉じる、暫く沈黙が流れる。 皆王の決定を見守っていた。
「その者の名は何と言う」
王都南、大門の近くに、仕事の斡旋所がある。 そこは様々な仕事、長期、短期、日雇、採集、討伐等人々に紹介する所である。 その一階、受付広間は喧騒に包まれていた。 仕事の受注や達成、情報交換等の人が大勢出入りしている。 突然出入口の扉が音を発てて開いた。
一瞬広間が静まり返る、そして誰もが扉の方を見たそこには兵士が二人立っていた。
「ここにガイナスと言う者はいるか? 将軍閣下が御呼びである。 速やかに名乗り出よ」
ようやくガイナス君の名が出てきました。 もっと早く出る予定だったのに何故こうなった? 話に肉が付きすぎて肥満体になりそうだ。 トホホ
ここまで読んで頂き有難う御座いました。