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戸惑い

思ったより早く上がったのでどうぞご覧下さい。

 草原を騎馬が走る。 三騎走る。 サーウクル王国王子カイゼルと護衛の三騎だ。 あの後、ノースハイは狂喜に満ち溢れた、待ちわびた勇者が目の前でその証を授かる場面に居合わせた奇跡、さらに選ばれた勇者が天才と名高い王子であった事など理由は十分だった。


 しかし国の上層部から見ればそう単純にはいかなかった。 勇者顕現は無論喜ばしい事だが選ばれた人物が王位継承者であると言う事、この一点が問題だった。 何故なら歴代の勇者は魔王封印から誰一人戻って来ていないからだ。


 勇者が戻らない理由は全く分かっていない。 故に様々な憶測が生まれたが証明出来ない以上意味がなかった。 以上の点からおいそれと王子を行かせる訳にはいかない、当の本人も同様である。


「急げ! 遅れるな!」

「しかし殿下、馬が潰れてしまいます。 一旦休憩を」

「ならん! 一刻の猶予もない」


 護衛の言葉を無視してカイゼルはひた走る。 普段は要領良い男も今回の件で混乱していた、なので王都に戻り王や側近達の助言を仰ぐ事にしたのだ。


(くそっくそっ、何で俺なんだよ。 むかつくぜ、クソ神が。 何とか行かないで済む方法はないのか? ハイランドのアホが、選りにもよって壇上で喚きやがって、あれじゃ後で間違いでした、なんて言い訳は苦しいな、くそったれ)


 カイゼルが内心毒づいていると、馬の速度が落ちてきていた。 舌打ちをすると後ろの護衛に止まる合図を出した。 夕刻から走っていた為護衛達は一息つける事に安堵する。


「そちの言う通り馬が限界の様だ、不本意だが少し休もう」

「はっ、では殿下あちらに小さな小川があった筈です」

「そうか、では行こう」


 馬を降りて進むと100メーもしない内にサラサラと流れる川があった。 三人は早速川の畔で暫し休む事にした。 馬の方も水を飲み草を食んで疲れを癒した。


「後、1ジー程で夜明けだろう。 それまで休む事にする、各自携帯食を摂っておけ」

「はっ」


 東の空が白んでくる。 三人は王都に向け出発した、休憩のお陰か馬も力を取り戻し快調に進む。 そして昼前には王都に辿り着いた。


 カイゼルはそのまま王の執務室へ直行した。 


「陛下、父上」

「カイゼル、一体どうしたのだ? ノースハイへ赴いた筈だろう」

「昨日の昼に着任致しましたが想定外の事が起き、父上の御助言を伺いたく帰還致しました」

「何時も事も無げに対処してきたお前がか? 一体何が起こった?」

「先ずはこれをご覧下さい」


 そう言ってカイゼルは自らの右手の甲を見せた。 キングス王と宰相は一瞬、何だ? という顔をしていたが徐々にその正体に気付き愕然とした。 


「こっこっこれは……勇者の紋章なのか……何故お前に?」

「私にも……着任時民の前で演説中に突然手の甲が光だし、収まるとこうなっておりました」

「なぜ……なぜお前なのだ? 選りにもよって……」

「……陛下」


 王は頭を抱えて俯いた。 沈黙が執務室を支配する。 落ち着いたのか王が顔を上げた。


「…………宰相よ、調べてほしい事がある」

「はい、陛下何なりと」

「念のために歴代の勇者の事を調べてくれ。 一切合切だ」

「畏まりました、直ちに」

「父上私はどうすればよろしいですか?」

「お前は取り敢えず休め、無精ひげが見っともないぞ」

「!」


 カイゼルは慌てて顔を触る、その様子を見て王は笑う、つられてカイゼルも笑う。 今の二人には笑う事しか出来なかった。 翌日、再び会議を開く事になった。

早く上がった割に話進んでねえよ。 と本人が言いたい。

ここまで読んで頂き有難うございました。

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